忍者、大航海します   作:FG30%

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第5話

 

 

 

シャボンディに来てから約2年が経った

あれからハンコックたちは迎えにきたグロリオーサに引き取られ女ヶ島に帰っていった

三人は帰り際に俺やコアラと離れることに悲しそうにしていたが、たまに遊びに行くことを約束し今でもちょくちょく会っている

 

この2年間で俺は影分身を世界中に放ち情報を集めたがあまり大きな情報はなく、一番大きなニュースと言えばハンコックが七武海入りを果たしたことか

マリージョアから脱出してわずか2年で七武海入りとはさすが女帝だなと感心したし、ニュースを知った際にはコアラと一緒にハンコックを祝った

 

そのほかのニュースだとタイガーがジンベイらとタイヨウの海賊団を結成したことや、北の海でジェルマ66とかいう軍隊みたいな奴らが不穏な動きを見せてるくらいである

新世界でゲッコー・モリアがカイドウに負けたとかいう噂もあったな

 

しかしそんな中で気になっている情報が一つある

東の海にあるフーシャ村に赤髪海賊団が滞在していることだ

フーシャ村にシャンクスがいるということはルフィがゴム人間になっている可能性が高く、エースやサボと出会うのはそう遠くないだろう

 

実は俺はサボにあたりをつけている

原作だとドラゴンに拾われ、革命軍の幹部にまで登り詰める実力をつけ、その上コアラと仲がいい

すでにコアラは原作と違い俺の元にいる。だったら一人も二人も今更変わらないので、サボも俺が引き取ってしまおうと思ったのだ

ドラゴンには悪いがサボとコアラは俺の右腕候補として育てさせてもらう

 

俺の大きな目標であるエースを救うためにな

前世でお気に入りのキャラだったエースはなんとしてでも救ってみせる

そのために少しでもまともな戦力が欲しい、もちろん二人に無理強いするつもりはないが

そんなわけでフーシャ村の監視には他以上に慎重に、尚且つ力を入れて行っている

 

他にも死亡し欲しくなかったキャラを救うために、情報集めはこの先もずっと続けるつもりだ

アーロン、貴様は必ずぶっ飛ばす。まだタイヨウの海賊団にいて大人しいがココヤシ村に現れたら絶対に許さん

 

そんなわけで俺の分身たちは大忙しである

本体の俺が何をやっているかというと、当初の予定通り海賊を狩って経験値稼ぎと資金稼ぎだ

この2年間で50近くの海賊団を狩ったので金もだいぶ溜まったが、代わりに海軍の勧誘がうざったい

また、俺の名前が賞金稼ぎとして広がり始め、今では《新世界の門番》や《瞬神》などと呼ばれている

 

稼ぎなどは充実しているその反面、不満もある

チラホラと億越えのルーキーや能力者とも対峙したが、正直に言えば期待外れだった

なぜなら無能力者はもちろん、能力者さえも覇気での戦闘が基本となっていないのだ

たまに使ってくる奴もいたが練度が低く、大抵みんな一撃で沈んで行く。忍術さえまともに使ってなく、どんどん鬱憤が溜まっていく……

 

そんな俺がストレス解消に見つけたのがヒューマンショップ潰しだ

奴隷を売買しているヒューマンショップやオークション会場を潰して回って、奴隷紋を消した上で奴隷を解放していてるし小遣い稼ぎにもなり一石二鳥である

 

オークションが中止になってイライラしている天竜人を見るのはなかなか楽しいもので、俺のストレス解消に役立ってくれている

もちろん俺は変化の術で姿を変えているため犯人だとバレていない

そのことで海軍も大変そうにしているが俺には関係ない

 

俺がそんなことをしている間にもコアラは順調に育っている

コアラは希望したが戦闘の訓練は始めておらず、2年前に俺との間にこんなやりとりがあった

 

 

 

『マダラさん、私も闘えるようになりたいです』

 

『どうしたんだ急に?』

 

『闘えるようになってマダラさんの手伝いがしたいんです』

 

『そうだなぁ、コアラが10歳になってそれでもやりたいなら訓練をつけてやる』

 

『……なんでまだダメなんですか?』

 

『いいかコアラ、コアラくらいの年の女の子は普通、戦闘の訓練なんてしない。中にはやむを得ない状況で訓練している子はいるかもしれないが、それはやむを得なく仕方なくやっているんだ』

 

『でも……』

 

『なにもずっとやるなとは言ってない。さっきも言った通り二年後にまた聞くからその時に答えを出してくれ』

 

『わかりました』

 

『それに今のコアラには他の仕事があるしな』

 

『仕事ですか?』

 

『そうだ、よく食べて、よく遊び、よく学ぶ。それが今のコアラの仕事だ。できるか?』

 

『はい!』

 

 

 

嬉しそうに返事をしたコアラは俺が言った通り、よく食べて、遊び、学び、色々な感情を出すようになった

髪もそろえてもらい、シャッキーと一緒に選んだ可愛らしい服を着て、毎日を楽しそうに過ごしている

そんなコアラも晴れて10歳となり、2年前の意思を確認するときがきた

 

「コアラ、改めて確認するぞ。二年前に言ったことは今も変わってないか?」

 

「変わってません」

 

「やるからには厳しくするし、途中で投げ出すことは許さないぞ。それでもやるか?」

 

「やります!」

 

「よしっ!じゃあ早速今日から始めるぞ!」

 

「はいっ!」

 

2年前からコアラの意思は変わっていなかったので、今日からコアラの特訓が始まった

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

コアラの特訓を始めておおよそ1年が経過した

始めた当初のコアラは当たり前だが体力がなく基礎メニューもこなせなかった

それでもコアラは食らいついてきて必死に特訓を続けた

その結果半年後には俺が課した基礎メニューをこなすようになった

 

基礎メニューをこなし始めた頃からコアラに空手を教え始めた

原作のコアラは魚人空手を使っていたが、俺が教えられないため前世の知識を活かして空手を教えた

やはりコアラに空手があっていたのかメキメキと実力をつけている

将来的には剣術も教え忍刀を渡すつもりでいるが、なにを持たせるかは検討中だ

 

そんなコアラに修行をつける日を過ごしていたが、ついさっき影分身の一人から重要な情報が還元された

そう、ついにサボを保護したのだ

天竜人の攻撃に巻き込まれたところをドラゴンより先に保護したことを知らせてくれた

 

重要な案件だけにコアラを分身とシャッキーに任せ、本体の俺が東の海に向かう

さすがに飛雷神でグランドラインの折り返しから東の海に飛べないが抜かりはない

事前にいたる島にマーキングをつけているので、ゴア王国までの最短ルートを飛雷神で飛び続ける

 

チャクラのゴリ押しで飛び続けたので、翌朝にはゴア王国付近の隠れ家に到着し分身と代わる

俺が到着したときにサボはまだ眠っており、分身が傷を治したため外傷はみえない

そのまま半日ほど看病をしながらサボが目を覚ますのを待つ

 

「うっ、こ、ここは?」

 

「目が覚めたか少年」

 

「あ、あんたは……」

 

「俺はマダラ。君が海で怪我をしていたのを見つけて保護させてもらった」

 

「け、けが?別にどこも怪我してねーぞ?」

 

「俺が治療したからな。本当に酷い怪我で危なかったんだぞ」

 

「そ、そうなのか⁉︎もう大丈夫なのか⁉︎」

 

「安心しろ怪我は完全に治ってる。ところで少年、名前は?」

 

「な、名前?俺の?あ、あれ?俺の名前ってなんだ⁉︎」

 

やはり原作通りに記憶喪失になったか

サボには悪いことをしたが、これはルフィやエースにとって重要な出来事なのでなるべく原作通りにしたかった

 

「落ち着け、持ち物にサボと書かれているがこれが名前か?」

 

「わ、わかんねぇ……」

 

「お前が寝ている間に少し調べさせてもらったが、ゴア王国の貴族だと思うんだがどうする?希望するならすぐに送っていくが」

 

「い、いやだ。わかんねぇけどあそこに帰りたくねぇ!あそこに俺の自由はない!どこか知らない所に連れてってくれ!」

 

「いいのか?どこの誰とも知らない俺についてきて?それに俺が拠点としてる島はここからだいぶ遠いぞ?」

 

「構わねぇ!それでもあそこよりはマシだと思うから連れてってくれ!頼む!」

 

サボが必死に頼んでくるがおおよそ原作通りの展開だな

 

「わかった。お前を連れて行こう、それとお前は今日からサボだ。わかったら行くぞサボ」

 

「おう!」

 

 

 

それからサボの体力を考えながら1ヶ月かけてシャボンディに帰ってきた

 

「おー!すげーなこの島!でっけぇ樹だ!」

 

「感想が言えるようになるとはだいぶ慣れてきたか。最初は泣き喚いてたのにな」

 

「う、うるせー!マダラが非常識なだけだろ!」

 

「俺が非常識だとしてもサボがビビりまくってたことには変わりないけどな」

 

「誰だって海王類がうじゃうじゃいる海のど真ん中に連れて行かれたらビビるに決まってるだろ!」

 

「安全な上に近道なんだから問題ねーじゃねーか」

 

「くそ、これだから非常識は……」

 

サボ、小声で言ってるが聞こえてるぞ?

 

「とりあえず観光は後だ。先に俺と俺の家族が世話になってる所に向かうぞ」

 

「わかった」

 

色々と珍しいものに興味を惹かれてるサボを連れてシャッキーのBARに向かう

 

「ただいまー」

 

「あら、マダラちゃんお帰りなさい。予定より時間がかかったわね」

 

「ああ、思ったより時間がかかった。それよりコアラは?」

 

「裏でマダラちゃんの分身とレイさんと修行してるわ。ちなみにマダラちゃん、その子は?」

 

「ん?ああ、紹介してなかったか。新しく家族になったサボだ。ほらサボ、この店のオーナーで俺が世話になってるシャッキーだ、挨拶しろ」

 

「は、初めまして。俺はサボって言います」

 

「はい、初めましてサボちゃん。よろしくね」

 

シャッキーにサボを紹介している間にコアラが走ってこっちに向かってるのが気配でわかる

 

「マダラさんお帰りなさい!」

 

「おーただいま。コアラ、紹介する。こいつはサボって言うんだ」

 

「サボくん?」

 

「そうだ。俺たちの新しい家族だ」

 

「よろしくねサボくん!わたしコアラ!」

 

「あ、ああよろしく。コ、コアラ」

 

照れてやがるなサボのやつ

実際コアラは将来美人になるしな

 

「お帰りマダラくん。用事は終わったのかね?」

 

「ただいまレイリー。見ての通り終わったよ」

 

「ふふ、ここももっと賑やかになりそうね」

 

「迷惑だったか?」

 

「そんなことはないわ。マダラちゃん達ならいくらでもいていいわよ」

 

「そうだな、いつの時代も子供の笑顔はいいもんだ」

 

サボとコアラはうまくやっていくだろう

レイリーとシャッキーも受け入れてくれて安心だ

 

こうして俺は新たにサボを家族に迎えることができ、より一層賑やかな日常になることを願った

 






サボのエピソードの記憶があやしい…
こんな感じだったと思うんだけど……

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