忍者、大航海します   作:FG30%

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第2話

 

 

 

「おっ街だ!やっと街が見えた!」

 

俺は嬉しくなり水遁を使い船を全力で走らせる。航海に出て一週間、やっと初めての人里を見つければ嬉しくもなる。

なんで風遁じゃなくて水遁かって?そんなの無人島に帆なんてあるわけがないので、帆無しの船を水遁で動かすしかないじゃん?

 

ヤッホーイ!街が見えるってことは久しぶりに人の作った料理が食える!

島にいた時の食事情は酷かったからな。基本的に狩った動物の肉を焼くか見たこともない果物をそのまま食べる、それに飽きたら兵糧丸。

そんな食生活ともおさらばだ!

 

なんて考えていた一時間前の俺を殴ってやりたい

その時俺は島に着いて3ヶ月ぶりに人に会えた嬉しさと、人の作ったまともな料理に飢えていて大事なことを忘れていた

 

そう金 が な い!

 

金がないのだ。所持金0

その事をすっかり忘れていた俺は現在食堂で皿洗い中である

脇目も振らず向かった食堂でたらふく料理と酒を楽しんだ俺は会計時にやっと気づき、気づいた時には後の祭りだ

女将さんに頼み込んでなんとか皿洗いの手伝いで許してもらった

ちくせう……。無人島で金なんぞ使わないし……

 

そんなわけで皿洗いをしているのだが、急に街が騒がしくなった

食堂で騒いでる人達の会話を盗み聞きしてみると、どうやら海賊がやってきたようだ

白眼で港の方を見てみるとそこそこ大きな海賊船が確認できた

そして俺は一つのチャンスだとも考えた

 

(懸賞金がかかってるなら海賊を狩るのもいいな)

 

金稼ぎと実践経験を兼ねて一石二鳥だ

そうと決まれば行動開始だ。隠遁で素早く食堂から抜け出し港に向かう

到着してみると既に海賊たちは船から降りてきており

 

「ギャハハハハ、俺ぁチロッチョ海賊団”二本傷のコチョル”様だ!今日からこの街は俺様の配下に置く!殺されたくなければ金目のものを持ってこい!」

 

(うわー、すげー三下くせぇ。少しでも懸賞金がかかってればいいけど)

 

そんな風に考えてると周りから声が聞こえてきた

 

「お、おい!”二本傷のコチョル”っていうと懸賞金7800万ベリーの海賊じゃないか!」

 

「やばい、奴には逆らわずに金目のものを集めるんだ!」

 

(うぇっ⁉︎あんな奴が7800万⁉︎マジかよ⁉︎これは本格的に狩るしかないでしょ!)

 

島にいた動物たちよりも感じる強さは弱いのでラッキーだな

そう思った俺は海賊たちの前に出る

 

「おい、お前。本当に”二本傷のコチョル”か?」

 

「あぁん?なんだ貴様は?このコチョル様になんの用だ」

 

「俺か?俺はマダラ、お前を狩るものだ」

 

せっかくなので名乗ってみると、しばらくの静寂のあとドッと海賊たちが笑いはじめた

 

「ギャハハハハ、マダラなんて聞いたこともねー!それに俺様を狩る?たった一人でか?笑わせてくれるぜ!」

 

「御託はいい、さっさとかかってこい」

 

「ふんっ!貴様なんぞ俺様が相手をするまでもない!お前らコイツを始末しとけ」

 

そうコチョルに命令された下っ端が六人剣を振りかざしながら襲いかかってくる

はぁ、面倒だな。そう思いながら手刀で首を叩き、六人の意識を一瞬で狩る

手加減するの面倒臭いんだよ、力加減間違えれば絶対に首刎ねる自信あるし

 

「なっ⁉︎」

 

おーおー驚いてるねコチョル様(笑)

 

「貴様!俺様の部下になにをしやがった!」

 

「喚くな、ただ単に意識を狩っただけだ」

 

これ以上茶番に付き合うのも面倒なので一瞬でコチョルの懐に入りこみ腹パンを一発

全く反応できないコチョルはモロに喰らい

 

「グォッ⁉︎」

 

軽く吹っ飛んでからピクリとも動かなくなった

はぁ、この程度で7800万か、温いな。いや、俺は楽が出来ていいんだけどさ?

億越えや新世界に行ったら変わるもんなのかね?

そんな下らないことに耽っていると

 

「お、お頭が一撃でやられた⁉︎」

 

「コイツはヤバイ!に、逃げろー!」

 

下っ端の海賊たちが一斉に逃げはじめた

逃すのも面倒なことになりそうなので一人一人意識を狩ってく

 

すると五分もしないうちに全員倒し終え、捕まえておく縄がないので街の住民に持ってくるように頼むため周りを見渡すと皆んなポカーンとしていた

 

(そりゃ驚くか、聞いたこともない奴が急に現れて海賊を瞬殺したら)

 

だが、いつまでもこうしてるわけにはいかないので、周りの一人に声をかける

 

「すまないが、こいつらを縛る縄かなんかを持ってきてくれないか?」

 

「あ、ああ、すぐに用意する」

 

俺が声をかけた男性はふと我に返って、戸惑いながらも走り去った

そしてその近くにいた男性が声をかけてくる

 

「あ、あんた随分と強いんだな」

 

「ん?まぁ鍛えてるからな。それに7800万と聞いて少し期待したが、大したことなかったな」

 

「そ、そうか」

 

しばらく待っていると他の住民たちも手伝ってくれたのか大量の縄を抱えて戻ってきたので海賊たち全員を縄で縛っとく

全員を縛り終えたことで一人の老人が挨拶にきた

 

「ワシはこの街の町長をやっている。この度は街を救ってくれてありがとう」

 

そう言い頭を下げてくる

 

「気にしないでくれ、俺にも思うところがあったしな。それより捕まえた海賊の懸賞金は俺がもらってもいいか?」

 

「もちろんだ。倒したのはお前さんだし、街に被害がなかったから礼を出したいくらいだ」

 

「礼は言ってもらったから懸賞金さえ貰えればそれでいいよ」

 

「わかった。繰り返し礼を言う、街を救ってくれてありがとう」

 

その後は引き取りにくる海軍を待ちながら世間話をして情報を集めた

聞いた話しではここは《偉大なる航路》の前半にある島らしく、なんでも10年前にロジャーが処刑されたのを切っ掛けに海賊たちが増えはじめたそうだ

 

と言うことは現在は原作開始15年前あたりになるのか……

ん?15年前?なにか大事件があったような?

 

………

 

あっ!たしかフィッシャー・タイガーがマリージョアで暴れるのってこの時期じゃねーか?

その際に後の革命軍のコアラやゴルゴン三姉妹が助けられるんだよな?

俺が手伝えば楽に奴隷解放ができるはずだ。フィッシャー・タイガーに恩を売っておくのも悪くないし、原作キャラも是非見ておきたい

ついでに天竜人って嫌いだし

 

そうと決まれば急いで向かわなくちゃな

フィッシャー・タイガーがいつ決行するのか分からない以上マリージョアの近くに潜んでおきたい

 

よし、今後の方針もなんとなく決まったし細かい作戦を考えよう

色々と作戦を考えていると海軍の軍艦がみえてきて、降りてきた海兵に滞りなく受け渡しが行われた

そのまま懸賞金を貰い終わりかと思いきや一波乱起きた

 

(おいおいおい、なんであんたが来るんだよ⁉︎)

 

「ぶわっはっはっ、お前さんが海賊を捉えたという者か?」

 

そう言って現れたのは

 

(英雄ガープ……)

 

あんたお偉いさんだろ⁉︎

なんでこんな三下相手を引き取りにくるんだよ!

驚いてしばらく呆然としていると

 

「ん?どうした?」

 

「あ、ああ、確かに俺が海賊たちを捕らえた。あと英雄のお出ましに少し驚いただけだ」

 

「なーに少し近くに用事があったからそのついでじゃ。それよりお前さん、海兵にならんか?」

 

(いきなりかよっ⁉︎)

 

「い、いや、俺は自由に生きたいんでね。どこかに縛られるのはごめんだ」

 

「ぶわっはっはっ、かなりの使い手だと思い誘ったがダメじゃったか!」

 

(原作通り豪快な人だ。それに実力バレてるし……)

 

「ほれっ、懸賞金だ。いつでも歓迎しとるから気が変わったら来い!」

 

そう言ってガープは去っていった

 

ふぅ、少し緊張したな

なにはともあれマリージョアへ急ごう、時間は限られてる

 

懸賞金を受け取った俺は食堂の女将さんに借金を返し、食料も少し買いこみ神威にしまう

走った方が断然早いから船はここで捨てていこう

 

んじゃマリージョアへ向かいますか!

 

 

 

 


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