Armored Core ~Day after Day Sweet Lily~ 作:一織
澪の搭乗AC
機体名 Roselia
Head HF-227 ハワード・コールマン
Core C03malicious
Arm AD-228
Leg L03 FreQuency
FCS FA-216
Generator MAKIBASHIRA mdl.3
Booster Bo-c-L13
Recon unit ASATORI mdl.3
Right arm unit Au-L-K29
Left arm unit Au-V-G37
CIWS SL/CWA-243
Right hanger unit MURAKUMO mdl.1
Left hanger unit Au-R-F19
とあるミッションにてriseが多大なダメージを負い、パーツが殆ど使用不可能になった後、澪とマグノリアが二人で組み上げた機体
エンブレムは青い薔薇のエンブレム
名前の由来は薔薇色のロゼにマグノリアのリアをくっつけてロゼリア
「ファットマン……ミオ…私行くわ……」
あぁ……やっぱりマグノリアさんは…まだ引きずっていたんだ……戦えない事を…
「そうか……寂しくなるな…」
「止めても……きっと無駄なんでしょうね…マグノリアさん。」
「ミオ……」
「マグノリアさん…殉じてください。貴女の答えに」
「ありがとう…」
『帰還を歓迎するよ。伝説の女傭兵。狙いはあの死神かい?それともひょっとして僕かな?なんでも構わないよ、滅茶苦茶にしてくれれば。』
―――――――
私はマグノリアさんが居なくなった隙間を埋める様にACを殺る仕事をひたすらにこなして行った。
時にはレーザーブレードだけでなく、レーザーライフルやヒートパイル ヒートマシンガン、バトルライフルにライフルまで使うようになった
そんなある日に1組のAC乗りにであった
「あの傭兵、只者ではない こちらが2人とは言え、侮るな」
「了解、ターゲット捕捉 確実に潰す」
あぁ……マグノリアさんはきっとこういう風に一緒に戦いたいと望んだのだろうか…?それとも私とどちらが強いかを知りたかった?それは今となっては分からない…でも……
私は迷わずACの手にしたバトルライフルとライフルを投げ捨て、背中からヒートパイルを装備する。
「なんだ!!?あの動きは!!?」
相手が動揺するのも脇目にふらず、正確にそして最速で近づき
「さよなら」
グシャリとACのコア部分をひしゃげながらヒートパイルが貫く
これであとはタンク型だけ
「すぐに後を追わせてあげるから」
ハイブーストし後ろに下がり、1度距離をとる
そしてタンク型の死角に回り込み両手のヒートパイルを“零距離で”打ち込む
両手のヒートパイルが無惨にもコア部分に2つ大穴を開け、ACは動かなくなる。
「…帰りましょう、ファットマンさん」
「………ミオ…お前はそれで良いのか…」
「……今の私には戦いしかない。戦いはいい。私にはそれが必要なんです。」
戦い続け、多くのAC乗りを殺してきた。もう五十から先は面倒で数えていない
そんなある日に私たちからマグノリアさんを奪った財団の新兵器の撃破の依頼が入った。どうやって財団の新兵器を潰してやろうかそれしか考えて居なかった
「…静かだな、予定ではまもなく財団の兵器が現れる筈だ」
『その予定はキャンセルだ。傭兵。』
『見せて見ろ。お前の持つ力』
死神部隊……!!待ちに待った。どうやって壊してやろうかをずっと考えていた。ヒートパイルを2門構えていてよかった。
相手はスナイパーキャノンそうなれば接近すればパージしなければならない。その隙をミオが見逃す筈もなく
『Kまでもか…流石は素養の持ち主だ。俺は手段を選ぶ気はない。これが使命だからな』
無線にファットマンさんの『UNAC!!連れまでいやがるのかよ!!』と言う声が入るが関係ない。先にあのタンク型の死神をヒートパイルで潰す。
UNACはヒートマシンガンで充分処理できる
「死神に死を教えてやるよ…」
自分が言ったのかすら定かで無いほど低く、ドスの効いた声で呟く。
その次の瞬間には眼前にスクラップと化したタンク型の死神
残るはぶっ壊れた人形どもだけ
余裕だ
だが、その次の無線に私は戦慄する
『ACが1機高速で接近!どうやら逃がしてはくれなさそうだ』
『そうよ。ファットマン。私は戻ってきたのよ』
『……マギー…お前なのか』
「…マグノリアさん」
『ミオ…貴女の力はいずれ世界を破滅させうる…だから…貴女を殺すことにした。』
「………好きなように生きて好きなように死ぬ…誰の為でもなく、それが私たちです。だから…私はまだ死ねません。貴女を取り戻すまで」
流石にマグノリアさんは強い…!私の戦いを知っているせいで私の動きが読まれている…!!おかげでブレードが完全に飾りになってる…なら…っ!
左手に持つヒートマシンガンはそのままに右手のムラクモを投げ捨て機体を軽くし、高機動で飛び回りながらヒートマシンガンを叩き込む
『少しは勘が取り戻せたか?マグノリア・カーチス』
『私もまだベストではない。この場は後退する』
『マギー……何がお前を駆り立てるんだ…』
『さっきも言った通りよ、そこのAC……それだけは消さなくちゃいけない。』
『彼女は敗北した。それでもなお生き残った。全てを捨て、何もかもを焼き尽くしてなおも戦い辞めぬ執念そのどちらが本物なのか私は知りたい……そして、その本物を私が殺す。私は死神だから』
『イカレてるよ…お前』
『それの何が悪い?ンッフフ…』
――――――――
『今度は途中で辞めたりしない。最後までよ。』
『昔話をしてあげる。世界が破滅に向かっていた頃の話よ。
神様は人間を救いたいと思っていた
だから、手を差し伸べた
でもその度に、人間の中から邪魔者が現れた
神様の作る秩序を、壊してしまうもの
神様は困惑した
人間は救われることを望んでいないのかって』
『あれこれ指図されたくない。それだけだろ』
『そうかもね…でも、神様は
人間を救ってあげたかった。だから
先に邪魔者を見つけ出して、殺す事にした
そいつは「黒い鳥」って呼ばれたらしいわ
何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥』
『お前はそれになりたいって言うのか…?』
『本当はそうなのかもね……でも私は…もう負けたくないだけ、何にも、誰にも…』
『………始めましょう。殺すわ、貴女を』
「私も…貴女を殺します。マギー…」
その戦いは激戦と呼べるものだった
ヒートマシンガンの撃ち合いからのレーザーライフルの撃ち合い、先にレーザーライフルの弾が尽きたのは私だった。弾が無くなり使い物にならなくなったAu-L-K29を投げ捨て背中から三点バーストのバトルライフルを取り出しワントリガー
それで左腕を吹き飛ばす。
『もういいだろマギー…これでお終いだ…』
が
『まだよ…私はまだ戦える!』
『ここが!この戦場が!!私の魂の場所よ!!!』
あぁ…マグノリアさん貴女はそういう人でしたね。
私は左手のヒートマシンガンをヒートパイルに変え、正面から来たマグノリアさんのACを優しく抱くように…
彼女を貫いた
『俺は、最初から知ってたよ お前の中にいる、恐ろしいものを 知ってたんだよ、マギー』
『……だから、お前を救ってやりたかった。だがそれは、俺の思い上がりだった。』
『好きなように生きて、好きなように死ぬ 誰のためでもなく それが、俺らのやり方だったな』
「マグノリアさん、最期に貴女にお礼をしたかった。出会えてよかったです。マグノリアさん…例え別れがこんな形でも……私は…きっと貴女のことを…」
『ありがとう…ファットマン…ミオ、二人は優しいのね……』
『私は選ばれなかった、でも』
『さよなら、これで……よかったのよ……』
―――――――
タイトルは「さよなら、これでよかったのよ」の直訳の英語です次回は最終回
『Mechanized Memories』