「八幡さん、ちょっといいですか?」
「ん?ダイヤか。どうした」
「実は頼み事がありまして…」
「では今から会議を始めますわ」
「おい」
「はい?」
「会議を始めるのはいいんだが……なんで2人なんだよ」
「元々は生徒会も5人いたのですが…最近廃校の噂が流れているのを知っていますか?」
「あぁ、なんかクラスでも噂になってたな」
「はい。まだみなさんは噂程度にしか思っていませんが、このままだと…」
「廃校、か」
「はい…」
まぁ共学になったからと言ってそんな何百人も増えるわけがない、ましてやこの学校に男子が来ること自体奇跡だ。
「何か案はあるのか?」
「色々と考えてはいるのですが…なので、八幡さんにも力をお貸してほしいのですわ」
「って言ってもなぁ…」
元々ここの地域が人口少ないからなぁ…そうなるとほかの県から呼び込むしかなくなる。それほどの影響力を与えられる方法がないとな…
「……スクールアイドル」
「え?」
「いや、前小町が話してきたんだよ。スクールアイドル。知ってるか?」
「す、少しは」
「そのスクールアイドルのグループで、なんだっけ?ゆーず?ってグループがいたらしいんだがそいつらはスクールアイドルで人気を集めて廃校を救ったらしいぞ」
「…そ、そうですの」
「お前とか松浦とか客観的に見ても見た目も良いしいけるんじゃないか?」
「……無理ですわ」
「そうか…行けるも思ったんだが…」
「失礼します!」
「あなたは…」
「人数が増えたので!報告に来ました!…あれ?あなたは前の」
「…うす」
「分かりましたわ。入部届けはこちらで受理しておきます」
なんの部活だ?…スクールアイドル?
「おいダイヤ、もうスクールアイドル部あるんじゃん」
「え、ええ。忘れていましたわ」
「あなたもスクールアイドル興味あるの!?」
「うぉ!?い、いや廃校を救うために考えてたんだよ。それでスクールアイドルの案を出したら却下されたんだが…」
「……」
「あー、生徒会長はスクールアイドルがあまり好きじゃないみたいなんだ」
「なるほどね…」
「そんなことありませんわ!スクールアイドルは大好きです!大体、八幡さん、先ほどのグループの名前、ゆーずではなくμ'sですわ!!」
「お、おぉ…」
「…はっ!…い、今のは忘れてください。と、とにかく!今日は会議はここまでにしますわ!それでは!」
「あ、おい!」
あいつ逃げたな……
「い、行っちゃった…」
「…」
おい、この状況どうしてくれるんだよ。
「…じゃあ俺もいくわ」
「あ、は、はい。…あなたもこの学校好きなんですか?」
「いや、まだ来てから大してたってないからな…まぁでも、あいつがこの学校を大事に思ってるってことはわかる。だからその手助けしてるだけだ。これでも中学のころは悩み相談の部活に入ってたしな」
「そうだったんですか…あ、あの!私、実は生徒会長にもスクールアイドルをやって欲しいって思ってるんです!でも必ず断られるんです。でも、生徒会長はスクールアイドルは大好きだと思うんです」
まぁさっきも自分で言ってたしな。
「だから、きっとスクールアイドルやらないのも何か訳があると思うんです。お願いします!生徒会長を説得してもらえませんか?」
「…なんで俺に頼む」
「……分かりません。でも、あなたならできる気がするんです。なんでかは分からないですけど…あはは…で、でも!生徒会長にもスクールアイドルをやって欲しいのは本当です!…ダメですか?」
「……俺が中学の頃入ってた部活の理念は、魚に餌をあげるのではなく、餌のとり方を教える、だったんだ。だから俺に出来るのはあくまで手助けだけだ。あいつがスクールアイドルになるかはあいつの意思だ。それでもいいならやってやる」
「!はい!それだけでも充分です!」
「…わかった。ならその依頼承った」
「よろしくお願いします!そうだ!私の名前は高海千歌って言います!あなたは?」
「比企谷八幡だ」
「比企谷先輩!よろしくお願いします!」
「あまり期待するなよ」
さて、これからどうするか…
続く