ラブガイル!サンシャイン!(完結)   作:リヨ

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3話

ふわぁぁ…今日も暇だな。…風が気持ちいい。屋上空いててよかったわ。最近はいろいろ問題があって行けないところが多いからな。

その時、屋上の扉が開いた。

「こことか!」

「屋上かー。でも雨の時はどうするの?」

「…うーん」

誰だよ一人の時間を…

「でもここ広いし練習には丁度いい…うわぁ!?」

「千歌ちゃん!?わっ!」

…なんでわざわざこっち来るかなぁ。

「び、びっくりした…」

「ひ、人いたんだね…」

すみませんね。俺はぼっちだから教室にはいたくないんだ。

というかこいつらも美少女だ。どうなってんのこの学校?

「……あれ?」

すると、オレンジ色の髪の毛の女子が俺の顔をじっと見つめてきた。

「…何か用か」

「え?あ、えっと…どこかであったことありませんか?」

「…いや、初対面だと思うけど」

「そ、そうですか…」

「…」

「…もういいか?」

「あ、はい!ごめんなさい!変な質問して!」

「別にいい」

とは言っても変なやつだったな…

 

 

 

 

 

 

 

図書館か…たまには寄ってくか。

「最近読んでなかったし文学でも読むか」

「んーっ、んーっ!」

俺が本を探していると、前方に上の本をとろうとして試行錯誤している女子がいた。

「…ほら、これでいいか?」

「え?…あ、ありがとうずら」

「ずら?」

「!な、何でもないです!」

「?まぁいいや。それじゃあな」

「あ…」

 

たまにこういう本も読むと面白いよな。小町に少し帰り遅くなるって言っとくか。

「…あ、あの」

「ん?…さっきの」

「さっきはありがとうございました。…お隣いいですか?」

「まぁ別にいいけど…」

「ありがとうございます」

この子よく見ればうちの制服だな。ネクタイの色からして1年か。

「……」

「……」

 

ふぅ…まだ読み終わってないけどそろそろ閉館時間だし帰るか。

…隣を見ると、まだその子は本を読んでいた。これ時間気づいてなさそうだな…

「…おい」

「…」

…完全に本の世界に入ってる。

「おいってば」

「ふぇ?」

ふぇ?って可愛いなおい。

「もう閉館時間だぞ」

「え?…ほ、ほんとだ!…あなたもずっとここに?」

「あぁ。久しぶりに文学系読んだから、入り込んじまった。もう外暗いから気をつけて帰れよ」

「あ、はい」

 

 

 

 

今は帰り途中なんだが…

「……」

「……」

さっきから先ほどの子が二三歩後ろをついてきている。もしかしてストーカー?

「…何か用か?」

「あ…ご、ごめんなさい!マルも家の方向がこっちなんです…」

「そうか。…あと、あんまり怯えないでくれ。まるで俺が悪いことしてるみたいだから」

この目のせいで余計怪しまれやすいのに。

「ご、ごめんなさい…」

「その謝るのもやめろ。別に何も悪いことしてないのに謝る必要はない。まだ高校生なのにそんなひとにペコペコ頭下げるな」

「ご、ごめ…は、はい」

「…」

「…」

「…あ、あのっ!」

「なんだ?」

「お、お名前教えてください!」

「…人の名前を聞く時は自分から名乗るもんだぞ」

「お、オラは国木田 花丸って言います!」

「…比企谷八幡だ。…おら?」

「!ま、また言っちゃったずら…」

なんか不思議な子だな…方言か?

「方言か何かか?」

「い、家がお寺で…」

あーなんとなく察した。

「…まぁいいや、俺家こっちだから」

「あ、はい。さようなら、比企谷先輩」

「あぁ」

 

「ただいまー」

「あ!おかえりお兄ちゃん!」

「お、お邪魔してます…」

「おぉ、来てたのか」

「ご、ごめんなさい…」

「もうっ!お兄ちゃん!ルビィちゃん怖がらせちゃダメでしょ!」

「俺の目ってそんなにかな…」

こうも連続で怯えられるとさすがに傷つく。

「あ、あとルビィちゃん今日うちでご飯食べてくから!」

「…そうか。まぁゆっくりしていってくれ」

「は、はい。ありがとうございます」

 

「いただきます!」

「いただきます」

「い、いただきます」

「!美味しい…」

「ほんと!?良かった!」

「小町の料理は世界一だからな」

「お兄ちゃんきもい」

「…」

ひどい。昔の小町はお兄ちゃん!って甘えてくれてたのに…

「そういえば今日は学校どうだった?素敵な出会いとかなかったの!?」

「…そんなのあるわけないだろ」

「…ほんとにあった?」

「…ない」

「だ、誰誰!?誰なのお兄ちゃん!?」

「うるさいな…ただ屋上で変なやつにあったり図書館でズラズラ言う方言女子と会っただけだ」

「ズラズラ?…ルビィちゃん」

「う、うん。それって多分…」

「お兄ちゃん、その子の名前聞いた?」

「最初の方は知らんが方言女子は国木田 花丸だったか?」

「やっぱり花丸ちゃんだ」

「?知り合いか?」

「ルビィちゃんは花丸ちゃんとすごい仲良しなんだよ!それでルビィちゃん経由で花丸ちゃんとも友達になったの!」

「へぇー。よかったな」

「花丸ちゃん可愛かったでしょ?」

「…まぁ」

「浦の星って可愛い子多いよね〜」

「小町の方が可愛いぞ」

「……」

「……お兄ちゃん、さすがにそれは気持ち悪いよ」

「…小町が最近俺に対して辛辣」

黒澤妹まで引いてるし。いいだろ別に!千葉の兄妹はみんなそうだ!

「…ふふっ」

「?ルビィちゃん?」

「小町ちゃんとお兄さん仲がいいんだね」

「まぁお兄ちゃんは小町がいないとダメダメだからね〜」

「それは小町だろ。昔だって迷子になって俺が悪いみたいに見つけたら泣いて飛んできたくせに」

「そ、そんなの昔の話でしょ!」

「ふふっ」

「あ!ルビィちゃんまで笑った!」

「ご、ごめんね。…ふふっ」

「…ふっ」

「あー!二人して小町を笑って!」

「だって、なぁ?」

「はい。…ふふっ」

「もう二人共知らないっ!」

 

 

 

 

続く

 

 


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