ラブガイル!サンシャイン!(完結)   作:リヨ

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13話

「お兄ちゃん、ご飯できたよー」

「おう。今日も美味そうだな」

「「いただきます」」

「…そういえばさお兄ちゃん」

「ん?」モグモグ

「果南さんのことどう思ってるの?」

「ぶっ!?…なんだよ急に」

「だって告白されたんでしょ?」

「おい待てなんで知ってる」

「果南さんから相談受けてたからね。ひねくれ者をどうやったら落とせるか。…それで、どうなの?」

「…分からん。今まで本気で人を好きになったことないしな。気づいてないだけで果南のこと好きなのかもしれないし、違うかもしれない」

「ふーん…じゃあさお兄ちゃん、果南さんと話してる時楽しい?」

「ん?あぁ普通に楽しいぞ?」

「じゃあ果南さんが知らない男の人と楽しそうに話してたらどうする?」

「そいつぶっ飛ばす」

「じゃあ果南さんといるとドキドキする?」

「…まぁする、かな」

「果南さんとキスしたいと思う?」

「そりゃもちろん…っておい」

「お兄ちゃん!もうそれは恋だよお兄ちゃん!」

「食事中に立ち上がるんじゃありません」

「小町はお兄ちゃんの恋を応援したいです!そ・こ・で!じゃじゃーん!」

「なんだこれ?沖縄旅行2泊3日ペアチケット…!?どうしたんだこれ?」

「たまたまくじ引いたら当たったの」

いや、普通に言ってるけど相当すごいよねこれ。

「これで果南さんを誘って!」

「小町と果南で行くってことか?」

「この話の流れでそんなわけないでしょ!お兄ちゃんと果南さんでいくの!」

「いやでも年頃の男女2人だけではまずいだろ」

「果南さんはお兄ちゃんのこと好きなんだから襲っても問題ナッシングだよ!」

「いや大ありだわ。というか襲うわけないだろ」

「誘わないとマッ缶2度と買ってこないし小町も口聞いてあげない」

「すぐ誘います」

その二連撃はきつすぎる。拷問より地獄だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大きいね〜!」

結局俺は果南を誘い、沖縄に来た。果南も誘った時すぐOKしたし。

「とりあえず部屋いくぞ」

「うん」

 

「…ちょっと待て」

部屋に来たのだが、ひとつおかしな点がある。

「……なんでベッド一つなの?」

そう、ベッドが一つしかないのだ。果南と一緒に寝ろってこと?心臓持たんわ。

「ペアチケットだったからね…」

いやいや、ペアって言っても男同士だったらどうするんだよ。ホモでもない限り気持ち悪いだけだろ。

「受付の人に部屋変えてもらうように頼むか」

「いいよ?私は八幡と一緒で。くじで当たったやつだし贅沢は言えないよ」

「まぁ仕切りとか作ればいいか…どうする?海早速行くか?」

「うんっ!」

 

「すごい!綺麗だね!」

「そうだな。水も透き通ってる」

「これは沼津の海も負けるかも…」

「なに張り合ってんだ…とりあえず泳ぐか」

「ね、ねぇ!」

「なに?」

「み、水着どう?今日のために新しいの買ったんだけど…」

…気づかないようにしてたのに。話してる時もなるべく果南の体は見ないようにしてたんだが…いやだってね?正直可愛すぎる。

「…似合ってるんじゃないか」

「ほ、ほんと?」

「あぁ。そのへんの男子なら一目惚れだな」

「八幡は?」

「俺は訓練されてるからな。そう簡単には惚れん」

「まぁいいや。早く行こっ」

「おう」

 

 

 

「疲れた…」

「結構泳いだもんね」

まぁ魚とかいっぱいいて来た意味は充分あったな。

「俺ジュース買ってくるわ」

 

「ふぅ…」

…!?嘘だろ!?…マッ缶があるっ!?一応たくさん持ってきてはいるが念のため補充しよう。

「これはラッキーだったな…ん?」

あれは…果南と、誰だ?超イケメン。果南笑ってるしナンパでは無さそうだけど…とりあえずイケメンなのがムカつく。…果南のやつ楽しそうだな。

「おい」

「え?あ、八幡」

「この人がさっき言ってた人?」

「そうだよ。私の彼氏なんだ!」

「おいっ!?」

そういうと果南は俺の腕に抱きついてきた。

「ははっ、仲いいね。それじゃあ僕はそろそろ行くね。彼氏さんもまたね」

「…知り合いか?」

「中学校の時の同級生だよ」

「…ふーん」

「…八幡さっき嫉妬してたでしょ」

「は?してないし」

「八幡が遠くでで私達のこと見てたと気づいてたよ?その時の八幡の顔すごい顔してたもん」

「してないから。断じてしてない」

「してましたー。八幡の嫉妬してる顔すごい面白かったよ」ニヤニヤ

「してない。…そう、あれだよ。果南はスクールアイドル。悪い虫がつかないように警戒してたんだ。うん」

「へぇ〜?…ま、それでもいいよ」

 

 

 

その後適当に泳いだり遊んだりして、外も暗くなってきたのでホテルに戻った。

「遊んだね〜」

「あぁ。1年分は遊んだな」

「そろそろご飯だね。バイキングだっけ?」

「あぁ。行くか」

 

「いっぱい種類あるね」

「おう。腹減ったし食うぞ俺は」

「私も!これとこれと…」

「これもいいぞ」

「ありがと…って梅干し!?」

「嫌いなのか?」

「苦手なんだ…」

「そうか。じゃあもう一つやろう」

「今苦手って言ったのに!ほんとに入れないでよ!」

「梅干しは体にもいいぞ」

「いじわる!これでも喰らえ!」

「おい!トマト入れるな馬鹿!っていうかなんで知ってんだ!」

「小町ちゃん情報☆」

あの子は喋りすぎな気がする…

 

 

俺たちは腹いっぱいご飯を食べ、部屋に戻ってきた。

「美味しかったね」

「あぁ。そろそろ風呂入るか」

「そうだね。…そういえばここ、露天風呂あるんだって」

「へぇ〜。行くか?露天風呂なんてたまにしか入れないし」

「そうだね。…でも…」

 

「混浴…!?」

「はい」

「…仕方ない。俺は部屋の風呂入るわ。果南はゆっくりしてこい」

「…私はいいよ?八幡と一緒でも」

「いやそう言われても…」

「1人だと寂しいし…変な人いたら…」

「…はぁ、わかったよ。行けばいいんだろ」

「!じゃあ早く行こっ!」

 

「景色も綺麗だな…しかもちょうど誰もいない」

貸し切りってなんか気分いいよな。

「八幡…」

「ん?おう…!」

俺はその時見惚れてしまった。抜群のスタイルはもちろん、普段後ろで結んでいる髪の毛も下ろしていて、新鮮な感じがする。

というかとりあえず綺麗だ。

「あ、あんまりジロジロ見ないでよ…」

「!す、すまん。…入るか」

 

「…」

「…」

…どうしよう。二人で来た意味がない。2人とも無言。

「…な、なんか緊張するね」

「あ、あぁ。…髪、下ろしてるんだな」

「え?うん。練習の時とかは邪魔だから結んでるだけだから…なにかおかしかった?」

「いや…新鮮な感じがしただけだ」

「普段ずっと結んでるしね」

「あぁ」

「…」

「…」

会話終・了!いつもならそれとなく続くのに…というかもうドキドキがやばい。女子と風呂なんて経験したことないし。普通の男子高校生ならそんな経験あるわけない。

「…」

「!?か、果南?」

果南は突然手を握ってきた。

「…私今日八幡とこうしてこれてすっごく幸せ」

「…手離してくれるとありがたいんですけど」

「…馬鹿」

なに?俺もだよとか言えばいいの?無理無理。そんな度胸ありません。

「…そういや、なんで俺なんか好きなんだ?」

「え?…八幡と話してると楽しいし、普段嫌だとかめんどくさいとか言ってるけど結局は助けてくれたりするところ、かな」

「別に優しいやつなんていくらでもいるだろ」

「そんな事言ってたらキリがないよ。八幡の言う通り優しい人だってたくさんいる。…でもその中で私は八幡と出会った。偶然八幡と出会って、偶然八幡を好きになったのかもしれない。でも今なら分かるんだ。きっと私は八幡じゃなきゃ好きになってないって。八幡だから好きになったんだって。」

「…果南」

「八幡は……私のことどう思ってる?」

「…俺は…」

果南が男といた時胸が苦しかった。果南の笑顔をいつまでも見ていたい。果南が誰かと結ばれる姿なんて想像したくもない。

 

 

「お兄ちゃん!もうそれは恋だよお兄ちゃん!」

 

 

 

「……………俺も、果南のことが好きだ」

「……ほ、ほんとに?」

「…あぁ」

「嘘じゃない?」

「あぁ。好きだ。…俺と恋人になってくれ」

「…はいっ!」

「…正直風呂で告白なんて変だよな」

「ううん。そんなことないよ。それに、ほかの人と違った方が特別感もあるし」

「…まぁでも今どきのカップルなんてすぐ別れるし、どうなるかなんて分からんよな」

「…別れるの…?」

「う、嘘だ!冗談!マジで泣こうとしないで!ジョークだから!」

「ほんとに…?」

「ほんとほんと!俺は果南のことが好きだから!」

「…もうっ、冗談も程々にしてよね!」

「すまん。やりすぎた」

まさか泣きそうになるとは…

「…お前、俺の予想以上に俺のこと好きだよな」

「わ、悪いの!?」

「い、いや別に。…ふっ」

「な、なんで笑うの!」

「いや別に?…ぶっ」

「また笑った!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、いい湯だった」

「見てみて!夜景すごく綺麗!」

「ん?…ホントだな」

「…ありがとね。誘ってくれて」

「まぁそれは小町に言ってくれ。俺は最初面倒くさがってたからな」

「…そうだろうと思った。…でも、来てくれた。…私達、恋人と同士になったんだよね?」

「…そうだな。実感ないけど」

「…な、ならさ、恋人らしいことしない?」

「恋人らしいこと?」

「た、例えば…キスとか」

「ぶっ!?」

「だ、だって恋人ならキスくらいするでしょ?」

「いやそうかもしれんが…」

「…私のファーストキス奪ったくせに」

「…いや、あれは事故みたいなもんだろ。大体果南からしてきたし」

「だって一大事で焦ってたし…」

「あの時はマジでびっくりしたわ。目覚めたらいきなりだもんな」

いいぞ。このまま話を終わらせて寝よう。

「わざとじゃないもん……ねぇ八幡、さっきのなかったことにしようとしてない?」

「べ、別に?そんなことないぞ?ほら、もう夜遅いしそろそろ寝ようぜ」

「ほらやっぱり!…私とキスするの嫌?」

「…恥ずかしいだろ」

「そんなの私もだよ…?…八幡はやっぱり私のこと嫌いなんだ」

「何でそうなるんだよ…」

「うぅっ…」

「え?ちょっと?わ、わかった!好きだよ!キスもするから!泣かないでくださいお願いします!」

「…ほんと?」

「…恥ずかしいから目は閉じろよ」

「うん…じゃあ…」

「…」

男を見せろ比企谷八幡。…でもやっぱり恥ずかしいよぉ!誰も見てないけどさ!

「…八幡…?」

「あ、あぁ…いくぞ」

「うん…」

「…」

いくぞ…いくぞ………

「…八幡、まだ?」

「ま、待て、心の準備が…ンッ!?」

「ンッ………プハッ」

「お、お前…いきなりキスするなよ」

「だっていつまでもしてくれないから我慢出来なくなっちゃって…」

「俺にはハードル高い…」

「ヘタレ」

「…返す言葉もございません」

「…いつかは八幡からしてね」

「…善処する」

 

 

続く


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