ラブガイル!サンシャイン!(完結)   作:リヨ

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10話

「あ、お、おはよう八幡」

「お、おう…」

「ねぇダイヤ、果南と八幡最近変じゃない?」

「鞠莉さんも?実はわたくしもおかしいと思っていたんです」

「ねぇ果南、何かあったの?」

「え?なにが?」

「最近果南と八幡なんか様子がおかしくない?」

「そ、そうかな?」

「果南、プリント」

「あ、八幡ありがとう」

その時、八幡と果南の手が触れる。

「っ!」

果南は思いっきりプリントをぶちまける。

「ご、ごめん!」

「い、いや大丈夫だ」

「…これは…」

「?鞠莉さん?」

「…ふふふ♪」

 

 

 

「で、屋上なんかに呼び出して何の用だ?」

「…先週の土曜か日曜、何かあったでしょ?」

「…何も無かったぞ」

「八幡さん、すごく目が泳いでますわよ」

「ぐっ…」

「さぁ、何があったのか白状しなさい!」

「…はぁ、わかったよ。実はな…」

 

「…ということだ」

「果南も大胆ね♪」

「それで2人の様子がおかしかったんですわね」

「八幡はどうするの?」

「何がだ?」

「もう気づいてるんでしょ?果南の気持ち」

「何のことだ?別に果南はお礼って言ってたし、変な意味はないって言ってたぞ。ただその事が思い出されてお互い気恥しいだけだ」

「…どうして気付かないふりするの?」

「気づくも気付かないもないだろ」

「八幡さんは果南さんがお礼のためにそんなことまで平気ですると思っていますの?」

「…」

「果南のこと嫌いなの?」

「…そういう訳じゃない」

「じゃあ…」

「このままでいいんだよ。俺は割とお前らと過ごす時間気に入ってるんだ。もしなにか行動を起こしたとして、俺の勘違いだったらどうする?」

「…八幡さん、わたくし前聞きましたの。八幡さんの中学生の時のことを」

「…小町のやつ余計なことを」

「好意を信じられないのも分かります。でも、逃げないでほしいんですの。八幡さんも分かっているはずですわ。果南さんの気持ちが嘘じゃないことくらい」

「…」

「わたくしはただ、ちゃんと果南さんの気持ちに向き合って欲しいだけですわ」

「…わかったよ」

「それならいいですわ」

「ダイヤって私達のことかなり好きでしょ?」

「な、何を言ってますの!?」

「ふふっ、ダイヤは可愛いなぁ!」

「ま、鞠莉さんやめてください!」

「…お前らみたいな関係がうらやましいよ」

「八幡、私はダイヤや果南、aqoursのみんなと出会って良かった。私にとってこれがきっと本物」

「本物…」

「八幡は辛い目にあった。でもきっとその分楽しいことも待ってるわ」

「そんなの個人の感じ方によって違うだろ」

「そういう事言わないの。きっと八幡にも本物と呼べる存在が現れるわ。もしかしたらもう現れてるかも♪」

「…どうだろうな。…まぁでも、俺も本物が欲しくなったよ」

「ふふっ♪あ、あともう呼んでおいたわ!」

「誰を?」

「…鞠莉、何の用?…ダイヤと八幡も」

「私達はいなくなるから、2人でちゃんと話し合うのよ」

「行動早すぎるだろ…」

「八幡?どういうこと?」

「…果南、話がある」

「うん」

「…俺さ、昔告白されたことがあるんだ」

「なに何急に?」

「まぁ聞け。そいつは普段もボッチの俺にも話しかけて来て、きっとあの時の俺はそいつのことが好きだったのかもしれない。それでそれから数日して告白された。そりゃ俺だって男だから告白なんかされたら嬉しい。その時も嬉しくて、真面目に返事したんだ。お願いしますって。そしたら影からクラスの奴らが出てきたよ。はめられたんだ。

その時失望したよ自分に。俺みたいなやつ好きになるわけないのに浮かれて、馬鹿みたいだって思った」

「…」

「だから、もう人を信じるのをやめた。人の感情には必ず裏があると思うようになった。でも高校に入って、お前らと出会った。これでも人間観察は得意だからな。お前らと過ごしてる内に感じたよ。こんなに裏表もなく純粋な奴らがいるんだなって。それがわかって、俺はお前らが眩しく見えて仕方がなかった。お前と遊んで、お前の気持ちにも気づいた」

「…そっか」

「俺とお前じゃ住む世界が違う。俺みたいな底辺のやつさっさと忘れて」

「…」パシンッ!!

「…果南…?」

「住む世界が違う?八幡が底辺?自意識過剰だよ!そう思うなら私達となんで一緒にいるの?なんで私とデートしてくれたの?」

「…それは…」

「八幡は底辺なんかじゃないよ。八幡はとっても頼りになるかっこいい男の子だよ」ギュッ

「か…なん」

「自分をそんなに責めないで。八幡に辛い過去があったのは分かるよ。でもそれは過去でしかないよ。確かにそういう人もいるかもしれない。だから私達もそういうふうに思われてるの?」

「果南達がいい奴なのはわかってる。でも疑ってしまう…なにか裏があるんじゃないかって」

「そっか…なら別にすぐに信じろとかは言わない。きっとそんなことが出来たら最初からこんな風にはなってなかったから。けど、少しずつ、私達のこと信じてくれないかな?」

「果南…」

「ダメ、かな?」

「…わかった。善処する」

「うん。よろしい」

「あ、あと…この状態恥ずかしい」

「…!ご、ごめん!」

「い、いや…」

「…」

「…」

「…あ、私の気持ちは本物だよ?私は八幡のことが好き」

「お、おま、いきなり言うなよ」

「だっていきなりじゃないと聞いてくれない気がして。返事は今じゃなくてもいいから。八幡が私のことを心から信じてくれた時にしてほしいんだ」

「…その時が来るかわからんぞ?」

「それでもいいよ。私が信じさせてみせるから」

「ふっ…そうか」

「さ、教室戻ろう!授業始まっちゃう!」

「あぁ…あ、俺弁当くってない」

「えー?…じゃあサボっちゃおっか」

「果南は戻っていいぞ?」

「いいの!ほら早く食べる!」

「お、おう」

すぐには無理かもしれない。でも少しずつ、前に踏み出す。

「私が食べさせてあげよっか?」

「断固拒否する」

 

 

続く




何か書いてるうちに訳わかんなくなってきた…

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