「ここが沼津か…」
俺、比企谷八幡は現在静岡県沼津市にいる。親父の転勤が理由でお引越しすることになった。まぁ俺は平和に過ごせればどこでもいいけど。
「お兄ちゃん!海綺麗だね!」
「八幡、小町、荷物運ぶの手伝って!」
「はいはい」
「そういえば後で隣の家の人にも挨拶に行かなきゃね」
「隣の家すごい大きいよね〜お屋敷だよ」
「庭もでかそうだな」
「すみませーん!」
「はい?どちら様ですの?」
ですのって…お嬢様だな絶対。
中から美少女が2人出てきた。姉妹か?
「お兄ちゃんお兄ちゃん!すごい美人さんだよ!」
「小町黙ってろ」
「隣に引っ越してきた比企谷です。親御さんはいるかな?」
「今母と父は出かけておりまして…私は黒澤ダイヤと言います。後ろにいるのは妹の黒澤ルビィですわ」
「…こ、こんにちは…」
なんか俺妹の方にすごい怖がられてるんだけど…
「すみません、うちの妹は少し男性恐怖症で…」
「八幡…」
「お兄ちゃん…目だね」
「なんで俺が悪いみたいになってるんだよ。目は治せん」
「あっ!私比企谷小町って言います!今年から高校生!」
「うちのルビィも今年から高校生ですの。小町さんはどこの学校に?」
「浦の星学院です!」
「同じですわね。ルビィと仲良くしてあげてくださいね」
「はいっ!ルビィちゃん!よろしくね!」
「う、うん。よろしくね!」
「ほら!お兄ちゃんも!」
「…比企谷八幡だ。高校3年生」
「そうでしたの。私も今年から3年生ですわ。学校は?」
「小町が心配だから同じ浦の星学院だ。丁度いいことに今年から共学で助かった」
「なら学校も同じですわね。仲良くしてくださいね」
「…はぁ」
「ダメですよダイヤさん!お兄ちゃん基本一人でいたがる人ですから!積極的に行かないと!」
「そ、そうですの?わ、わかりましたわ」
「別に無理に関わる必要ないぞ。誰も仲良くしてくれなんて言ってないし。お前だってこんな卑屈で暗そうなやつと仲良くしたくないだろ?」
「?別にそんなことは思っていませんわよ?」
「おぉ!第一印象は悪くない!?」
小町がうるさいが無視だ。
「とにかく、無理に関わる必要は無い。もう挨拶終わっただろ、俺先帰ってるから」
「あ!お兄ちゃん!」
どうせ皆離れていくんだから関わってもしょうがない。
人と関わってもろくなことにはならない。
傷つくだけだ。
家族さえいればいい。
小町さえいれば。
「……比企谷八幡、どうしてあなたはそんなにも悲しい顔をしているんですの…?」
「…比企谷八幡さん」
続く