元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ? 作:血濡れの人形
~ノーネーム 拠点 外~
「『跳ね返れ』」
そんな声とともに、降ってきた光はそのまま放たれた方向に跳ね返り、
数名の男が石化した状態で落ちてくる。
「はぁ、とりあえず、あれを回収した後、白夜叉の所に行きましょうか」
涼華の言葉に全員うなずくが、それに対して涼華は、
「今魔法を使った魔女とその彼氏は休みね。魔理沙のことも見ててほしいし」
といった。
「わかった。ここの護りは任せろ!」
「了解。霊騎、相手がどんな奴だったかはあとで教えて」
十六夜と光がそういうと、さらに涼華は、
「ちなみにドール、フラン、ルナちゃん、霊華ちゃんも今回は休みね」
といって、それ以外のメンバーを連れて行こうとする。
「なぜに!?」
ある意味当然の反応といえるかもしれないが、涼華はそれに対し、
「まずあなたはこの子と戦ったからっていうのが一つ、子供の世話という意味で一つ、
最後に、寝ないで済むのが一人でもいたほうが何かあった時に対処できるというのが一つよ」
という。つまるところ、『私たちが帰ってくるまでに何かあったら容赦しないぞこの野郎』、
ということである。
「さてと、それじゃあいってくるわね」
「「ハイ、イッテラッシャイ」」
こうしてドールとフランは(強制的に)お留守番になりました。
~サウザンドアイズ 白夜叉の私室~
あのあとすぐ、サウザンドアイズに来た霊騎たちは、案内されるまま白夜叉の私室につく。
そこには、
「え?なにこいつら、なあ白夜叉、あんたこんな可愛い子達隠してたの?」
屑がいた。
訂正しようがないほどの屑っぷり、涼華ですら密かに剣を取り出そうとしたほどである。
しかも視線がかなり気持ち悪い、女性組は全員後方待機、
というより男性陣の背後に隠れる。
しかも涼華は神鬼まで呼び出すほどだ。
よほど気持ち悪かったというのがわかる。
~それから少したち~
「てな訳だ。残念ながらそっちがその気なら、俺らは全力で貴様を消すが、
ここで問題が起きそうなので前もっていっておいてやろう。
証拠は、貴様が送り込んだであろう男どもの石像だ。ありがたく受け取っておけ」
結局霊騎がしゃべっているが、その横には神鬼と涼華がきれいに座っている。
他は人数てきにはいれなさそうなので、とりあえず別室で待機だ。
もちろん、こちらの状況はマジックアイテムで常に見ているし、
それをもとに威光などのギフトも使えてしまう。
もっともその場合、やったのがこちらだとすぐばれそうなものだが。
閑話休題
「は?何こいつら、俺はこんな奴ら知らないぞ?」
「あっそうなん?ならこいつらが持ってる武器とかは、持ち主から奪われたもので、
そっちの管理が残念で、あげく弱かったってことかね?
なにせ、石化の光を放つようなアイテムと、空飛ぶ靴なんて言うものを奪われてるんだし。
それでいいのか七光りw」
「っんだとこの名無し風情がっ!なめるなっ!」
直後、残念な男(ルイオス)が、ハルパーを取り出し、振り下ろそうとするが、
「それは、その力は貴方のものじゃない。英雄を侮辱するのも大概にしろ!この糞餓鬼がっ!」
ハルパーは粉々に砕け散り、ルイオスの首と心臓部には小型のナイフが添えられている。
白夜叉はそれをみて、止めさせるために立ち上がろうとするが、
それを行わせないために、鎖が巻き付き、首には剣が添えられ、
短剣が目の前で静止しているため、動くに動けない状態になっている。
そんな現象を起こした本人は、冷え切った視線のまま白夜叉のほうを向き、
「そこを動かないでくれるかしら?じゃないと本当に・・・消えるわよ?」
ちなみに向けられている武器に付与された効果上、実際に存在の概念ごと消えたり、
それ以外にも、巻き付いている鎖の概念、束縛によって動きが完全に封じられているが、
白夜叉はそれ以前に向けられた視線のあまりの冷たさのせいで動けないのである。
「さてと、あなたに選択肢をあげるわ。ここで死ぬか、私たちとギフトゲームを行うか」
そういった涼華からは、殺気があふれている。
それも、ルイオスのみに向けられる形で。
「ひっ、わかった、わかったから、はやくこの武器をしまってくれ」
そんな殺気におびえたルイオスがそういうと、涼華は武器をしまう。
「解散する日にちはそちらに任せるけれど、そうね、二日以内ならいつでもいいわ」
涼華はそういい、白夜叉に向けていた武器たちもしまうと、そのまま部屋から出ていくのだった。