元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ?   作:血濡れの人形

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その怪物は・・・

~草の生えた屋敷~

 

三人は涼華と別れたあと、少しの間歩き、近くの建物の前に来ていた。

 

「ここだね、嫌な気配がする場所」

 

絆はそう言うと、どこからか取り出した杖で、突然扉を殴り飛ばす。

 

飛んでいった扉の先には、黒い人のようなナニカがいた。

 

直後、それは元の肉体を捨てるように、醜く、巨大になっていく。

 

そして、姿を現したのは、三首の虎のようなものだった。

 

『最初は妻のためだった』

 

突然そんな声が聞こえる。

 

「二人とも!戦闘準備!パターンはC!」

 

二人の目の前で、敵の攻撃を受け止めながらそう言う。

 

「「ッ! 了解!」」

 

絆が言ったことに対し、返事をしたあと、

 

飛鳥は片手剣、耀は自分の靴に封じられている魔力を少し解放する。

 

『次は妻と子のためだった。あの二人のために、俺は外道とも言える行動をとることにした』

 

直後、巨大な腕が降り下ろされる。

 

絆はそれを受け止めるが、そのまま動けなくなってしまう。

 

『あの二人のために頑張った。二人は俺を支えてくれた。

 

理解者がいてくれていた。この二人のためならばこの身を捨てても良いと思った』

 

耀が相手の脚を蹴り、その反対側で飛鳥が剣を使い体を傷付ける。

 

『あなた、誰かの子供を殺した?妻からそう言われ、俺はそんなことはないと言った。

 

思えば妻に初めて付いた嘘だった。

 

それからさきは、拐ってきた子供を妻に世話をするように頼み、傷薬をかき集め、

 

最初に殺してしまった子供たちの肉体を治し、ある人物に頼み、

 

元の状態に戻してもらった。

 

生き返らせた子供たちには武器を持たせ、好きなときに俺を殺しに来て良いといった。

 

妻に無理させないために、様々な努力をした。世話を手伝った。

 

子供達と一緒に遊び、ストレスが溜まらないようにもした』

 

その声がガルドのものだと気が付いた絆は、なんとも言えない顔になる。

 

『しかし、子供達は俺を許している筈がなかった。

 

何回も襲われた、致命傷を負った、そして最後には、妻と子の命が奪われた。

 

妻と子の命を生き返らせるために、様々なギフトゲームを駆け回り、金を貯めた。

 

しかし、生き返らせた妻と子に言われた一言で、私は絶望してしまった。

 

『あなた(お父さん)の嘘つき』

 

その一言で、もういきる意味を無くした。

 

女性に言われて、青年に殺され、やっと死ねると心から喜んだ。

 

なのに、終わってみれば死んでるどころか、裁判所の前で転がされていた

 

酷く哀しくなったが、当然の報いだと諦めた。

 

そこで、突然現れた彼女たちの案を呑むことにした。

 

これが終われば、俺はやっと死ねる。

 

フォレストガロは、今日をもって解散する。

 

このギフトゲームの参加者よ。

 

願わくは、吸収したコミュニティの旗の返還を・・・』

 

そこまで言うと、虎のようなナニカは倒れ、中から人のようなナニカが出てくる。

 

それは、かなり小さな声で、

 

「もう・・・俺の、ことを・・・こ、ろして・・・くれ」

 

と言い、耀と飛鳥の方を向く。

 

「・・・二人とも、涼華を迎えにいってるから、その間に、どうするか決めておいてね?」

 

絆はそう言うと、近くの壁を破壊しながら、涼華の気配がする方に歩いていくのだった。




第六回 作者と涼華の雑談コーナー

はい、と言うわけで今回は、登場した敵さん、

ガルド(三つ首の虎)の説明です

「はいはい、とりあえずすすめていきましょうか」

そうですね。

まず、この作品のガルドは、妻と子供がいました

「そこまでは本編で・・・分かるわよね?」

さ、さぁ・・・(汗

まあ続きを、拐ってきた子供は、最初の五人ほどを殺してしまいました

これが、ガルドに付いていた血の匂いと子供の魂の原因ですね

作中でもいっている通り、ガルドは大金積んでその五人をいきかえらせています

そのあとは、彼は殺されかけていても笑っていました

ここで俺が耐え続ければ五人は落ち着いてくれると思ったんですね

しかし、事実は別の方向へ、子供の憎悪は、ガルドの笑みによってふくらんでいったのです

結果、家族が殺され、その時に家族に子供達が伝えたことでそれがばれ、

もれなく嘘つきと言われました

彼はここで傷付き、それから生まれたのがこの三つ首の虎です

スペックてきには、絆の足元にも及びませんが、

絆はガルドの声だと気がついたため、様々な所で手加減してしまったのです

この三つ首の虎は、本人の負の感情で力が増幅します

深い哀しみによって、この三つ首の虎は、

実は涼華のリミッターを一つ解除したのと同等に戦える力を持っていました

「え?」

そこで出てくるのが、希望、負の感情とは真反対の感情です

今回の場合は、死ねると言う希望によって、彼は凄い勢いで弱体化したのです

「それがなかったら?」

今頃絆以外は瀕死か死体のどちらかでしたね

「ナンテコッタイ」

さて、今回はこの辺りで、なにか質問が有りましたら、

次の投稿までにメッセか感想、疑問箱なるものを用意しておくのでそこにお願いします

「それでは次回も楽しみにしていてください」

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