元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ? 作:血濡れの人形
十六夜が目を覚ますと、男の姿はなく、代わりにギアスロールが置かれていた。
『古の魔女の呪い
残りクリア条件 光の心の傷を治す ?を殺す
特殊ルール 時間制限(60時間)の間死亡した場合は生き返る。』
「時間制限が増えてる?まあいいか、とりあえず・・・」
十六夜はギアスロールから目を離し、残りの二つの条件を満たすために歩く。
少しすると、光のような姿が見えてくる。
十六夜がそれに気が付くと同時に、空から声が聞こえる。
「デイモンズソード!」
十六夜はそのまま後ろにとび、その攻撃を避ける。
「ねえ、私の光に何のようかしら?人間。まぁいいわ、どうせ殺すんだし」
「問答無用かよ、ひでぇ奴もいるもんだな」
十六夜がそう言うと、空から落ちてきた女は、
そのまま十六夜に向けて黒い剣を構えると、
十六夜の腕を狙うように剣を振るう。
十六夜はその剣を叩き落とすが、かわりに十六夜の腕が斬れる。
「なっ!」
十六夜が驚いている間に、女は再び剣を構え、十六夜を突き刺そうとする。
十六夜はしゃがみ、それを避けるが、女の手にはもう一本剣が持たれていて、
その剣先は十六夜に迫り、そのまま十六夜の首を切り落とそうとする。
「ッ!」
十六夜は腕を振り上げ、それをそらそうとするが、
腕が当たると同時に、腕が石になり、振り上げた勢いで砕け散る。
「な・・・・ッ!」
直後、十六夜の首が斬り落とされ、十六夜は意識を失うことになった。
~??~
十六夜は黒い空間にいた。
十六夜はその中で、何かの声が聞こえる。
『眼を覚ますといい。この程度で諦めては、あの子が救われないじゃないか』
『そうじゃ、私達の最後の希望、いや、あの子』
『私の子供であるルキも救ってください』
『その為に、私達の力を貸そう』
『どうか、あの二人を救ってください!』
(まて、一方的に話して終わらせようとするな!)
~???の森~
「なっ、あなた、なんで生きて・・・!それに、その腕はっ!」
「負け、られるかぁっ!!」
それは、気が付いたときには口から出ていた言葉だった。
「光は俺のだ!絶対に渡すかぁっ!」
それは、本心から来た、十六夜の言葉だった。
女、ルキはそれを聞くと、ニヤリと笑みを浮かべ、
「ならかかってくるといい。全力で私の事を殺しにこい!」
と言うと、二本の黒剣を構える。
「言われるまでもない!行くぞ!」
十六夜がそう言うと、十六夜の周りに光が出始める。
直後、十六夜の姿が消え、ルキの眼前に現れる。
「とりあえずこれでも喰らっとけ」
その瞬間、ルキの体が、空高く殴り飛ばされるのだった。
十六夜の体の一部が、若干透けていた事には、
本人ですら気付くことは無かった。
スキル説明
デイモンズソード
契約した魔物、悪魔の力を使うことができる。
今回ルキの使用していた力は、
ウィンドドラゴンとストーンアイ
風の力を持つ祖龍の配下(最下級)と、
石化の眼を持つ空を飛ぶコウモリのようなもの。
ウィンドドラゴンからは風の刃、
ストーンアイからは石化の力を借りていたのが、
ルキの持っていたデイモンズソードの効果である。