元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ? 作:血濡れの人形
~ノーネーム 拠点~
幻夜を部屋に運んだあと、霊騎達は、男と女にわかれて、今は女性が風呂に入っていた。
その間暇な霊騎達男性組は・・・
「久しぶりにやったが、霊騎に勝てねえな」
「そりゃあ、お前より長生きしてるからな?これでもかなりおじいさんだぞ?」
「ドールさんにも勝てないのですが、と言うか、気が付いたら負けているのですが」
「ずいぶん前に、軍の指揮をしていた事が霊騎にあってな。
それの都合上、俺もその手の知識を持ってるからな」
将棋やチェスをしていた。
ガチャリ
すると、ドアが開き、幻夜が出てくる。
「・・・おはよう」
「おう、起きたのか。風呂はもう少し待て。今は女性陣が入ってるからな」
霊騎はそう言うと、さらりと王を取っていく。
「霊騎~、もう入って良いわよ~」
すると、霊夢がドアを開けながらそう言う。
「ほいほい、ほら、入るぞ?」
霊騎はそう言いながら、空間から乾いたタオルを取り出し、そのまま風呂に向かう。
「・・・俺はあとで入る」
幻夜はそう言うと、チェスを一人でやりはじめる。
~一時間後~
「いやぁ、さっぱりした。幻夜、もう入って大丈夫だぞ?」
霊騎は出てくると、幻夜にそう言い、そのまま自分の部屋に向かう。
「・・・行くか」
幻夜はタオルを準備し、風呂に向かって歩き始めようとして、
「・・・その前にチェスを片付けなければな・・・」
と言い、チェスを片付け始めたのだった。
~ノーネーム 拠点 風呂~
あれから少したち、0時程になった頃に、やっと幻夜は湯船に浸かる。
「はぁ、あんな服着ていると、汗がひどくって困る。慣れたからまだましだけど・・・」
幻夜が体をお湯に浸けながらそう言う。
「しかし、霊騎が蛇神を倒して水樹を貰って来たとか言うから、
何事かと思ったが、なかなかに良いものだな」
ちなみに、その水樹は、幻夜が寝ている間に、水路の様な場所に置かれている。
ガラリ
幻夜がそう言っていると、扉が開き、そこから十六夜が姿を見せた。
「!?『フリーズ』、『ファイヤウォール』、『アイスミスト』!」
幻夜は驚きながらも魔法を使い、自身の姿が見えないように、
床を凍らせ、火の壁を作り、霧のように細かい氷を自分の周りに出す。
「いきなりなんだよっと」
十六夜はその火の壁を殴り、腕を勢いよく振り、それを消すと、
大きくジャンプして、幻夜の近くにいき、幻夜の方を見て固まる。
何故なら、そこにいたのは、長い黒髪を水で濡らし、紅い眼をした女性の姿があったからだ。
「・・・誰だ?」
十六夜はそう言いながら、女性の事を見る。
「こ、こ」
「こ?」
「こっちを見るなぁっ!」
ノーネームの拠点に、そんな女性の叫び声が響いた。
次回は幻夜が風呂に入っている頃の霊騎の話、
次にこのあとの話の順番になります。