元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ? 作:血濡れの人形
~ギフトゲーム終了から数分後~
白夜叉が目をさますと、そこには、正座している涼華と、それを囲んで説教している三人と、
そんな光景を見せないように、子供の目をふさぐ霊騎達の姿があった。
「白夜叉様!大丈夫ですか!?首などに違和感はありませんか?腕は大丈夫ですか!?」
当然、なぜそんなことを聞かれるのかと、白夜叉が対応に困っていると、
近くにいた少女、ジャックが、
「ごめんなさい、お母さんが解体していいって言うから、両腕とか首とかを切り落としちゃいました」
と言って、白夜叉に頭をさげる。
「ふ、む、自分がそんな状態だったというのがいまいちわからんのじゃが。
まあよい、幸い、不具合は無いし、謝罪もしてもらえたしの」
白夜叉がそう言うと、ジャックは安心したのか、息をはいたあと、
「お母さんは怒られてるから、とりあえず私はもう帰るね!」
と言って、クリスタルを砕き、その姿を消した。
それをはかっていたかのように、霊騎達は説教を終えると、
「そういえば、白夜叉はあれで満足できたのか?」
と、白夜叉にたずねる。
「いや?本当は、涼華本人と戦いたかったのじゃが、あの少女に負けているようで話にならんじゃろう。
次戦うときは、ぜひとも本気を見てみたいものじゃな」
白夜叉はそう言うと、面白い玩具を見つけた子供のように、涼華の事を見る。
「それじゃあ、ギフト鑑定はしてもらえるのかしら?」
涼華はそれを無視しながら、白夜叉に質問する。
「それはもちろんじゃが、その前にお主ら、どこまで自分の恩恵を理解しておる?」
白夜叉がそう言うと、十六夜から、
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「「「「「「「「「「ある程度は」」」」」」」」」」
「「お父さん(お父様)かお母さん(お母様)がわかる(らしいです)」」
という反応が返ってきたので、白夜叉は思わずこけるような仕草をする。
「後半の十二人はともかく、前半の三人はダメじゃろう。
手の内をさらすのは嫌かもしれんが、それでははなしが進まんな。
まあよい、新人祝いにしてはちと多いいかもしれんが、
面白い物を見せてもらったということでよいよ」
と言うと、白夜叉が手を叩く。すると、空から十五枚の別々の色をしたカードが降ってきた。
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「テレフォンカード?」
「商品券?」
「福引券?」
「実はレシート」
「「「「「「「「「まじで!?」」」」」」」」」
「皆様いい加減にしてください!」
黒うさぎのそんな突っ込みが、白夜叉のゲーム盤に大きく響いたのだった。
次回はギフトカードの紹介(予定)です。