Fate/Grand Order 卓上円卓領域ロストロイヤル   作:YASUT

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執筆中の息抜きに書いたもの。
台本形式の小説書いてると、たまにこういうのも書きたくなる。


 ――2017.03.02.某カルデアにて。
 気が付けば、私は“あるもの”を小脇に抱えてマスターの部屋へ足を運んでいた。
 抱えているのは一冊の本。現代の言葉を借りるなら、この本はTRPG――テーブルトークロールプレイングゲーム、というらしい。
 格式ばった言い方だが、私から言わせればこんなものは、幼少期にやるごっこ遊びの延長だ。何故、私はこんなものを持ってマスターの部屋へ向かっているのか。

 ……理由は分かりきっている。要は、挑発に乗ってしまったのだ。

 救国の聖女ジャンヌ・ダルク、その反転存在(オルタ)。あの突撃女めに煽られ、ならば私も経験せねばと思ってしまったのだ。

 ……普段の私なら、時間が経てば下らないと吐き捨てていただろう。だが、TRPGについて独自に調査を行っている時、“その本”が目に入った。

 ――『ロストロイヤル』。在りし日の円卓の騎士を題材にしたTRPG。
 多大なアレンジが加えられ、名残は“円卓の騎士”という単語ぐらいしか残っていない。現代に伝わっているアーサー王物語とは似ても似つかないだろう。
 だが……何故か分からないが。気が付けば、私はこれに惹かれていた。
 己との親和性の高さがそうさせたのか。
 新宿での記録を思い出して、久しぶりに童心に返りたいと思ったのか。
 マスターに対する嫉妬心、独占欲……あるいは、ジャンヌ・オルタへの対抗心。
 今となってはもう判別は付かない。全て正解かもしれないし、全くの見当違いかもしれない。

 ただ――気づいた時には、私の四肢は動いていた。
 死体色、人形のようだと評された肌に、赤い血が通う。肌が少し赤みがかっている気がする。
 だが、マスターには分からないだろう。クリスマスにサンタ衣装を纏っていた時でさえ、分かってくれなかったのだから。
 ……それでいい、気づかれなくていいのだ。
 万が一気づかれてしまった時、私は彼に何をするか分からない。

「――マスター、話がある。
 唐突だが、私と一緒にこのゲームをやってもらう」


 ◆

マスター(PL)
「――ということを考えてたりしないかな!?」
アルトリア(PL)
「相変わらず妄想猛々しいな。貴様への好感度はその七割程度だ」
マスター(PL)
「あ、あれ? 思っていたより高い……?」
アルトリア(PL)
「……自惚れるな。カヴァス二世や円卓の騎士、平行世界の投影魔術師はその上に居るぞ。悔しかったら絆レベルを上げることだ」
マスター(PL)
「投影魔術師を超えるのは流石に無理じゃないかな……? 勿論それを目指すけどさ」
アルトリア(PL)
「……それで、本題はなんだ? わざわざ長い前置きを書いたのは、何か言いたいことがあるからだろう?」
マスター(PL)
「そうだ! 喜んでほしいオルタちゃん!
 ――2017年3月2日。この日、つまり今日だが――オレはついに、アルトリア・ペンドラゴン(オルタ)を召喚できたのだ!
 配布されたサンタじゃないぞ? セイバー・オルタだぞ? やっほい!」
アルトリア(PL)
「そうかそうか。随分遅い召喚だが、よくやったマスター。
 だが足りんな。宝具レベルが1しかないぞ?
 クリスマスにも散々言ったろう。ガチャを回せ、回転数が全てだと。そら、貴様の大好きな弓兵もピックアップされている。
 回すなら今しかない。さあ、回せ!」
マスター(PL)
「もう魔力は尽きた! これ以上は無理だ! どうしても回してほしいなら、聖晶石を三十個無料でクダサイ!」
アルトリア(PL)
「何を甘いことを言っている! 毎食お茶漬けにすればもう少し回せるだろう!
 魔力を回せ! 引きに行くぞマスター!
 ――ん? そういえば、あの突撃女の姿が見えないな」
マスター(PL)
「うん? 突撃女って誰? じゃんぬ・おるたなんてうちにはイナイヨ?」
アルトリア(PL)
「……そうか。ラフム、コロラトゥーラ、そしてガチャ。貴様は既に疵だらけだったのだな。
 ならば、もう何も言うまい。せめて絆を育むがいい」
マスター(PL)
「それはそれで嫌なんだけどね。ほら、スキル強化とモーション改修で星4随一の性能になったものの、絆レベルが10になったせいで三軍落ちした人がそこに」
アーチャー(GM)
「……何故私を見る? モーション改修の前にレベル10になったせいで新モーションを披露する機会が全くなかったこの私に、何か用かね?」
ネロ(?)
「いや、余だな。これまで何度殿を務めたことか。独壇場に次ぐ独壇場、目を瞑るだけで思い出せるぞ!
 まあ、最近はちとアロハの槍兵に出番を取られがちだが」
タマモキャット(?)
「いや、これはアタシだな。宝具レベルは未だ1、強化は一切無いにも関わらず絆レベルは10! これはもはや正妻と言っても良いのでは? 他のタマモが来たらコロス」
アーラシュ(?)
「おっと、もしかしたら俺かもしれないぜ? 星1だし宝具レベルは5だけどな。マスターには何度爆散させられたか分からないが、そのお陰で種火が稼げたなら間違っちゃいないよな」
マーリン(?)
「いやいや、半年後の僕って可能性もあるんじゃないかな? 実装されてまだ3ヶ月なのに絆レベル7とか、とんだブラックカルデアだよね」
諸葛孔明(?)
「最近妙に出番が少ないのはそのせいだったか。
 では、あと半年は安泰だな。そして一年後には私も三軍落ち。これで平和になる」
アンデルセン(?)
「そして俺は最低でも一年間休暇を満喫できるわけだ。頼むぞキャスター勢、高難易度クエストはお前たちに任せた」
マスター(PL)
「君はスキルマックスやから絶対参加やで?」
アンデルセン(?)
「なんだと!? 話が違うぞ鬼畜マスターめ!」
アルトリア(PL)
「では、サンタの私も半年後にはレベル10か。
 ……つまり、あれだなマスター。私に絆を自慢したかっただけだな?」
マスター(PL)
「まだまだいるぞ! K姫さんとか血斧王さんとか! 6を入れると倍以上に増える」
アルトリア(PL)
「八方美人ここに極まれり、か。10ではなく6なのが余計に強調している。
 貴様、いつか刺されるぞ。主に黒い剣に」



成長エピローグ

 ◆

 

 

アーチャー(GM)

「ふむ(ダイスを転がす)――[敬礼]が出たな」

アルトリア(PL)

「私が先導しよう。では――」

 

サー・ペンドラゴン(PC)

『――卑王鉄槌。極光は反て、ヒック、んするぅ……。

 光を呑め! 酒に溺れて溺死しろ!

 [約束された泥酔の剣(エクスカリバー・もるがん)]――!!』

ダンディ(NPC)

『なっ――馬鹿な、このオレが集めたグレムリン、スプリガン混成部隊が全滅だと……!

 しかも、酔っ払いの振るう酔剣ごときに……!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『フフ、これが[カリスマ]の差だ。無理矢理従わせている貴様と、部下に慕われている私とでは格が違うのだ』

ダンディ(NPC)

『貴様の[カリスマ]Eだろう』

サー・ペンドラゴン(PC)

『ぐっ、おのれ貴様、地味に気にしていることを!

 聖杯に沈んで溺死しろ! [極光反転カリバー]――!!』

ダンディ(NPC)

『それは洒落にならんのだが!?』

サー・ペンドラゴン(PC)

『なんだまだ生きているのか。

 もう一度沈め! [極光反転カリバー]――!!』

ダンディ(NPC)

『意地でも殺す気か! ええい仕方あるまい、ぐわー!!』

リッカ(NPC)

『流石はサー・ペンドラゴン。システム的にはまだピンピンしているのにロールプレイで倒すとは。その横ぼ――失礼、豪胆さに、[敬礼]! ビシッ』

 

アルトリア(PL)

「よし、勝ったな」

ジャンヌ(PL)

「いや、強引すぎでしょ。そんなのアリ?」

アーチャー(GM)

「展開の自由さも魅力の一つだ。よって許可する。ついでにこのまま終幕フェイズといこう」

 

ナレーション

『王妃率いる騎士達が魔人を倒した瞬間、あちこちから歓声が湧き上がった。

 今までの死闘は舞台だったのか、それとも本当の殺し合いだったのか、彼らには判別がついていないだろう。

 それでも、ここにある歓声は紛れもなく本物だった。騎士が魔人を倒す英雄譚は、彼らに希望を灯したのだ。

 幼き王妃は、笑顔に溢れたその光景を見て思う。

 この街は大丈夫だ。彼らはもう、魔族に屈することはないだろう。これからは彼ら一人一人が騎士となり、旗となり、この街を守っていくのだ。

 ――(ダイス音)――[思い出している]』

リッカ(NPC)

『ええ、そうですよね。やはり、彼らはこうでなくては』

サー・フジマル(PC)

『王妃? どうかしましたか?』

リッカ(NPC)

『……いえ。少し、思い出していました。かつての王国の姿を。

 父上という旗の元に集う、彼ら騎士の在り方を』

 

アーチャー(GM)

「ちなみに王妃の父は“英雄王”と呼ばれていたらしい」

マスター(PL)

「衝撃の真実発覚!?」

ジャンヌ(PL)

「教育に悪そうな称号ね」

アルトリア(PL)

「高笑いしたり冷たく笑ったり[混沌・善]だったりしたが、全ては伏線だったのだな。

 我々がしっかり教育し、悪属性に染め上げねば」

アーチャー(GM)

「翌日、王妃は君達を連れて街を後にする。今回は外伝シナリオだったため説明しなかったが、彼女には使命があるのだ。どのような使命かは割愛させてもらう。

 出発直前。王妃はいつものようにジャンクフード片手にフジマルをこき使っていると――

 ――(ダイスを振る)――ふむ。

 では、三人の人物が彼女の元に集った」

 

サー・ペンドラゴン(PC)

『もっきゅもっきゅ――ああ、やはり美味いな』

サー・オルタナティヴ(PC)

『まだ食べるの? いくら何でも燃費悪すぎでしょ』

サー・ペンドラゴン(PC)

『いざという時にガス欠になっては困るからな。補給しておくに越したことはない。

 ――む? 誰だ!』

謎の人物(NPC)

『フッ、見破られてしまったか。我がビッグバン・トライを平らげただけのことはある』

サー・ペンドラゴン(PC)

『貴様は……あの時の店主か。

 何の用だ。言っておくがあんな不味い物、私は二度と食べないからな』

赤い店主(NPC)

『そう言うな。私は感動したのだよ。あの時の君の健啖ぶりと、魔人ダンディをものともしない豪傑さにな。

 端的に言うと、私は君達に惚れた。義勇兵として仲間に加えてほしい。ついでに物好きなアルバイト二人も連れてきた』

リッカ(NPC)

『義勇兵……?』

 

アーチャー(GM)

「――という流れで、三人の義勇兵が集まった。正確には3点と言うべきか」

ジャンヌ(PC)

「さりげに自分のキャラを入れてくる辺り、抜け目無いわね。次回から自分も加わろうって腹?」

アーチャー(GM)

「ロールプレイに役立ちそうなNPCを使っただけだ。そこまで深く考えてはいない」

マスター(PL)

「[義勇兵]にはどんな効果が?」

アーチャー(GM)

「[義勇兵]は次回以降の戦闘で[血路]を減らすのに役立つ。とはいえ、僅か3点ではたかがしれているがね。

 これにて終幕フェイズは終了。最後は勲章によって騎士を成長させようか。

 シナリオをクリアしたことで、全PCに[勲章点]を1、さらに[愛用の武具]の任意の値を1上昇させてくれ」

アルトリア(PL)

「これは[武力]だな。[酔強]がますます強化される」

マスター(PL)

「[速力]。スピード特化型で行こう」

ジャンヌ(PL)

「なら[魔力]ね……なんで[槌]で[魔力]なのかしら」

アーチャー(GM)

「名前は好きに変えても構わないぞ。ロールプレイを補助するフレーバーに過ぎないからな」

ジャンヌ(PL)

「へー、じゃあそうさせてもらうわ。[名工の]は全然いいけど、いくらなんでも[槌]はないわ。

 ええと、(ダイスを振る)――[曰く付きの]。

(ダイスを振る)……[斧]」

 

サー・フジマル(PC)

『一つだけ聞かせろ。貴様のその武器……それは剣か?』

サー・ペンドラゴン(PC)

『さあ、どうかな? 戦斧かも知れんし、槍剣かも知れぬ。いや、もしや弓かも知れんぞ、フジマル?』

 

ジャンヌ(PL)

「却下よ! ジャンヌルール発動! ワンモアダイスロール!

 (ダイスを振る)――[名工の]! (ダイスを振る)――[槍]!

 はい、これで行くわ! 旗だって槍みたいな物でしょう!?」

アルトリア(PL)

「なんだ、つまらん。こういうものは如何に現実と乖離しているかが醍醐味だろうに」

ジャンヌ(PL)

「[譲り受けた][剣]とかいうそのまんまの武器を使ってるアンタに言われたくないわ。

 それ、絶対選ぶか振り直すかしたでしょう!」

アルトリア(PL)

「まさか。これは私がダイスを振り、一発で出したものだ。証人も二人いる。

 おそらくダイスの女神が言ったのだろう。お前の武器はエクスカリバー以外有り得ないと。

 それよりアーチャー、私は先程得た[勲章点]とやらが気になる。これは何ができる?」

アーチャー(GM)

「それは説明するが、その前に今回のTRPGのMVPを決めようか。[信念や宣誓を大切にしたか]、[セッションを盛り上げたか]等に従い、各々が一人を指名する。その後多数決を行い、最も高かった騎士は[名誉点]を追加で1点獲得する。

 先に言っておくが、指名する時は自分以外を選べ。放棄しても構わない」

アルトリア(PL)

「自分以外、か。その条件なら、実質一人だな」

ジャンヌ(PL)

「まあそうね、一人よね」

マスター(PL)

「オレは――

   ジャンヌが良かったと思う。

  →セイバーが良かったと思う。

 ……セイバーが良かったと思うけど」

アルトリア(PL)

「……そうか。その好意は素直に受け取っておこう。

 だがプレイヤーが三人しかいない以上、貴様が誰を選ぼうとMVPは貴様だ」

アーチャー(GM)

「では、サー・フジマルに[勲章点]を1点追加だ。

 次に[勲章点]の説明だが、これは一定数消費することで騎士を強化、あるいは一部を作り直すことができる。

 1点消費した場合、[特殊能力]の再習得。

 2点消費した場合、新しい[信条]の追加。

 3点消費した場合、二つ目の[特殊能力]を習得できる。使わず貯めておくのもまたいいだろう」

アルトリア(PL)

「現状に不満はない。このままでいいか」

マスター(PL)

「同じく。[特殊能力]用に我慢する」

ジャンヌ(PL)

「私は使うわよ。せっかくのゲームなのにあの女を想起させる能力なんて御免だわ。

 [勲章点]を1消費して、[特殊能力]の再習得!

 (ダイスを振る)――[炎火鎚]か[酔強]。[酔強]は被るから無しとして……。

 [炎火鎚]……要は、戦闘前に瞑想して強化する効果か。ま、悪くはないわね。これにするわ」

アーチャー(GM)

「[勲章点]の消費を終えたら、最後に王妃の[アクション表]だ。今回のセッションでMVPになった人物は、アクション表の一つを任意に変更できる」

アルトリア(PL)

「何っ……!?」

マスター(PL)

「――ほう?」

ジャンヌ(PL)

「へー、まあいいんじゃない? [ジャンクフードを食べている]とかどう考えても可笑しいし。やっちゃいなさい、マスターちゃん」

アルトリア(PL)

「待て、マスター。貴様の望みは何だ。

 再臨素材か? QPか? 絆ポイントか?

 どれでもいい。私にできることならとことん付き合ってやろう」

マスター(PL)

「そうだな……フフフ。じゃあねー……拷問は止めてください」

アルトリア(PL)

「くっ……………………。

 っ…………いいだろう」

マスター(PL)

「よし。じゃあ、[落ち込んでいる]を別のものに変えよう。イメージに合わなくなってきたと思うし。

 ――アクション表:6、[落ち込んでいる]から[ガチャを回す]に変更!」

アーチャー(GM)

「いや待ちたまえ! 王妃に何をさせるつもりだお前は!」

マスター(PL)

「うるさい! 元とはいえ王妃様ならお金いっぱい持ってるでしょ!? だったら回すしかないじゃない!」

アーチャー(GM)

「ロールプレイするのはゲームマスターだぞ! 例えばもし、ワイバーンの群れに襲われている時にこれが出たらどうなる!?」

マスター(PL)

「一切気にせず回し続けるんだろう。ガチャを」

アルトリア(PL)

「ワイバーンの群れにも動じないということか。ふむ、悪くない」

ジャンヌ(PL)

「これは同感。ワイバーン如きに怯えているようじゃ、[竜の魔女]なんて到底名乗れないし」

アルトリア(PL)

「勝手に決めるな。今のところ[影響点]はどちらも同じだぞ」

ジャンヌ(PL)

「そう? 次のセッションでは間違いなくこっちが上回ると思うけど?」

アルトリア(PL)

「ほう?」

ジャンヌ(PL)

「何よ」

アーチャー(GM)

「さて、そろそろお開きにするか。マスター、火消しは頼んだ」

マスター(PL)

「えぇ!?」

 

 

 ◆

 

 

 アーチャーはすっくと立ち上がり、ジャンクフードと軽食を乗せたトレイを持ってマイルームを後にした。

 残されたのは荒れ狂うオルタ二人と、弱々しいマスター一人。五分ほど前は普通にゲームをしていたはずなのに、どうしてこうなったのか。

 

「さぁて。これまでずーっと座ってたことだし、久しぶりに運動でもしましょうか」

「いい考えだ、気が合うなジャンヌ。シミュレーションルームに行くぞ」

 

 二人が立ち上がる姿を見て、ほっと安堵した。

 ここが殺し合いの場にならなくて何よりだ。シミュレーションルームなら他にもサーヴァントがいるだろうし、これで一安心か。

 

「二人共、やりすぎないように気をつけてね」

「は? 何言ってるのかしら」

「え?」

「アンタはこっち」

 

 突然、がっしとジャンヌに首根っこを掴まれた。

 嫌な予感が汗となって背筋を流れる。彼女の手を離そうとするが、サーヴァントの握力に勝てるはずもなく――。

 

「それじゃあ行きましょうか、リッカちゃん? アンタは私の旗なんだから、こっちに来てもらわないとね」

「貴様には自前の旗があるだろう。それは私の旗だ。竜の魔女は大人しく、あの悪趣味な旗でも振っていろ」

「それはそれ、これはこれ。悔しかったら力尽くで奪ってみなさいな。反転している私達には、その方がらしいと思うけど?」

「確かにその通りだな。

 ただし、それはあくまで旗だからな。万が一剣や盾にしようものなら、分かっているな?」

「その必要はないわね。アンタを殺す()はとっくに用意してあるから」

「タースーケーテー!」

 

 力の限り助けを請うも、こんな時に限って声は届かない。

 訳が分からないままズルズルと引き摺られ、オレ達はマイルームを後にした。

 

 

 ◆

 




これで完結となります。ご愛読ありがとうございました。




以下PCまとめ、特徴のみ抽出

名前:リッカ
人物像:[美しいが][過激な]主君
性別:女
年齢:13
運命点:2
形見:歌
義勇兵:3
維持費:3
絆-影響点:ペンドラゴン[]-8
      フジマル[守護]-7
      オルタナティヴ[]-8
アクション表:
① [ジャンクフードを食べている]
② [高笑い(オホホ)]
③ [思い出している]
④ [冷たい笑み]
⑤ [敬礼]
⑥ [ガチャを回す]

PL:アルトリア・オルタ
PC名:ペンドラゴン
称号:[氷の]騎士
種族:火炎妖精(フランベルジュ)
性別:女
年齢:26
主君の理想像:[覇王]
愛用の武具:[譲り受けた][剣]――[武力]+2
戦闘スタイル:攻撃型
特殊能力:[酔強](意訳:酔っ払うと強くなる)
戦力:[武力]6  [速力]0✖ [魔力]4
絆:フジマル[信頼]
  フジマル[愛情]
  オルタナティヴ[侮蔑]
酒と歌:0
勲章点:1

PL:マスター(ぐだ男)
PC名:フジマル
称号:[最後の]騎士
種族:人間族(レン)
性別:男
年齢:18
主君の理想像:[凛々しい王]
愛用の武具:[変わった][弓]――[速力]+2
戦闘スタイル:作戦型
特殊能力:[生命燃焼](意訳:命を燃やして奇跡を起こす……かも?)
戦力:[武力]2  [速力]6  [魔力]0
絆:ペンドラゴン[崇拝]
酒と歌:7
勲章点:2

PL:ジャンヌ・オルタ
PC名:オルタナティヴ
称号:[暁の]騎士
種族:火炎妖精(フランベルジュ)
性別:女
年齢:19
主君の理想像:[竜の魔女]
愛用の武具:[名工の][槍]――[魔力]+2
戦闘スタイル:攻撃型
特殊能力:[炎火鎚](意訳:長時間瞑想すると炎を纏い、強くなる)
戦力:[武力]4  [速力]0✖ [魔力]6
絆:フジマル[嫌悪]
  フジマル[友情]
  フジマル[興味]
  ペンドラゴン[嫉妬]
酒と歌:11
勲章点:0



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