Fate/Grand Order 卓上円卓領域ロストロイヤル   作:YASUT

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(NPC)は全部アーチャーが声音を変えてやってます。


交流デシジョン

 ◆

 

 

マスター(PL)

「というわけで、王妃リッカがサー・フジマルに抱く感情は[守護]だ。

なんでだろう。普通逆では?」

アルトリア(PL)

「慣れない紳士プレイに母性でも湧いたんだろう。気持ちは分からんでもない」

アーチャー(GM)

「これで全員の[対話シーン]は終了したな。残りは[番外シーン]だが、これは任意だ。面倒だと思うなら、省いても構わないぞ」

アルトリア(PL)

「見え透いた誘導だな。その手には誤魔化されんぞ、GM。[対話シーン]では成功するとそれぞれ特典があった。[番外シーン]でも相応のものが用意されているのは明白。

 これは私の直感だが、魔人との戦いで有利になる要素と見た」

アーチャー(GM)

「さあ、どうかな? 結果はその時になったら伝えよう。

 で、誰から行く?」

アルトリア(PL)

「私はファンブルしたことで[時間]を1使っている。貴様らが先に行け」

ジャンヌ(PL)

「そうさせてもらうわ。GM、[番外シーン]は何ができるの?」

アーチャー(GM)

「[因縁]、[決闘]、[討伐]、[娯楽]だ。

 まず[因縁]は、自分以外の騎士と交流する。これにより、互いの騎士は相手に対して[絆]を獲得する。

 次に、[決闘]は――」

ジャンヌ(PL)

「一気に説明しなくていいわよ、どうせ全部やるんだから。

 じゃあ、まずは[因縁]ね」

アーチャー(GM)

「了解した。舞台表でシチュエーションを決めてくれ」

ジャンヌ(PL)

「今回は私が決めるのね。まあいいけど。――(ダイスを振る音)。

 ――[主君の噂をする民衆]」

アーチャー(GM)

「次に[絆]を結ぶ騎士と、王妃を登場させるかどうかを決めてくれ。登場させる場合はアクション表を振る」

ジャンヌ(PL)

「この舞台で王妃を登場させるのはマズイでしょ。出さないわ。

 で、[絆]を結ぶ騎士は……気は進まないけど、サー・ペンドラゴンにするわ」

アルトリア(PL)

「ほう? 意外だな。貴様から絡んでくるとは」

ジャンヌ(PL)

「私は心底嫌だけど、こういう要素は多ければ多いほど有利になるのがゲームの常なのよ。

 それじゃあ、適当にロールプレイを入れましょうか」

 

民衆A(NPC)

『おい、知ってるか? 死んだって言われてた王妃のことだけど、実は生きていたらしいぞ』

民衆B(NPC)

『な、なんだってー!』

民衆A(NPC)

『しっ! でかい声出すな、魔人の見回りが来たぞ』

サー・オルタナティヴ(PC)

『……ふぅん。もう王妃のことは知れ渡ってるらしいわね』

サー・ペンドラゴン(PC)

『らしいな。もっきゅもっきゅ(ハンバーガーを食べながら)』

サー・オルタナティヴ(PC)

『他人事みたいに言ってるんじゃないわよ。そもそもアンタが姫サマに買い食いなんて教えるからでしょうが。しかもジャンクフードとか』

サー・ペンドラゴン(PC)

『フン。侮るな、サー・オルタナティヴ。そのような初歩的なミスを私が犯すとでも?』

サー・オルタナティヴ(PC)

『犯したからバレてるんですけど?』

サー・ペンドラゴン(PC)

『そうか、リッカも修行が足りんな。今度、気配を消す術でも教えてやるか』

 

ジャンヌ(PL)

「チッ。上手く軌道修正したわね。緊張感の欠片もない無能な騎士に仕立て上げるつもりだったのに」

アルトリア(PL)

「責任転嫁の一つや二つできないようでは、ロールプレイなど務まらんからな」

アーチャー(GM)

「何故PL同士の[因縁]で火花が散るのか。いや、[因縁]だからこれが正しいのか?

 とりあえず二人は、今のやり取りで相手に抱いた感情を決めてくれ。勿論ダイスで」

ジャンヌ(PL)

「はいはい。で、感情は――(ダイスを振る音)――[信頼]か[嫉妬]ね。意味分かんないんですけど?」

アーチャー(GM)

「王妃に身を守る術を教えてやるとはな……という意味で[信頼]。

 コイツ、気配を消す術を心得ているのか……! という意味で[嫉妬]。

 前者は感心の意味合いが強いな」

ジャンヌ(PL)

「どっちも御免だけど、強いて言うなら後者ね。

 私は[暁の騎士]だから派手好きなのよ。だから、コソコソ隠れるようなセコイ術は使えないの」

アルトリア(PL)

「次は私だな――(ダイスを振る音)――[興味]か[侮蔑]。当然[侮蔑]だ。

 突撃しか出来ない目立ちたがりなコイツが、同じ円卓の騎士とはな……」

ジャンヌ(PL)

「私はお行儀がいいだけの円卓とは違いますからね」

アルトリア(PL)

「何を言う。あらゆる状況に適応してこそ我が円卓だ」

マスター(PL)

「まあまあまあまあ! あっそうだ! 次はオレの番外シーンだね! 舞台表を振るよ!――(ダイスを転がす音)――[民衆に話しかけるダンディ]」

アルトリア(PL)

「あからさまな仲裁だな。

 ……だが、一々反応していてはマスターの負担も重くなるか。止むを得ん、ここは退こう」

マスター(PL)

「ありがとう(?)。で、[番外シーン]だけど、今回は[決闘]をやってみる」

アーチャー(GM)

「[決闘]は対立している命題の騎士を一人選び、対決ロールを行う。ペンドラゴンとオルタナティヴ、どちらでも構わんぞ」

マスター(PL)

「じゃあ、今回はオルタナティヴで行こう。ついでに王妃も出そうか。――(ダイスを振る)――[冷たい笑み]」

ジャンヌ(PL)

「民衆に宣伝するダンディを見てほくそ笑んでいるのね。

 この男、悪役にされることも知らずに――ククク。

 みたいな?」

マスター(PL)

「わー、確実に黒くなってるよ。どうしよう」

アーチャー(GM)

「ふむ……ダンディとリッカ、ネームドキャラクター二人か。それに加え、モブの演出もある。

 まあ、とりあえずやってみるか」

 

ダンディ(NPC)

『はっはっは! 喜べ民衆達。今週末、この広場で俺を主役にした演劇を行うぜー!』

民衆(NPC)

『お、おう』

ダンディ(NPC)

『あ? なんだその反応は。魔人が主役の舞台だぞ? 嬉しくないのか、あーん?』

民衆(NPC)

『いえ、とんでもございません! すごく楽しみです!』

ダンディ(NPC)

『はっはっは、そうだろうそうだろう! 魔人であるこの俺が騎士共を倒して、王国を支配する反英雄譚さ!』

リッカ(NPC)

『フッ……上機嫌に宣伝しておるわ。倒されるのは自分であることも知らずにのう』

サー・フジマル(PC)

『何を仰る王妃、そのようなことをなさっては御身に危険が! あと口調が変わってます!』

リッカ(NPC)

『案ずるなフジマル。其方は私が守る故、安心して良い。それと、口調はあれだ、流せ』

サー・オルタナティヴ(PC)

『ええそうよ、流石は王妃サマ! その調子で[竜の魔王]――いいえ、[竜の魔女]へと一直線よ!

 ……別に魔女でもいいわよね?』

リッカ(NPC)

『それくらいは構わんさ……げふんげふん!

 そうだな、その通りだ。サー・ペンドラゴンは頼れる先輩、サー・フジマルは守る対象、そしてサー・オルタナティヴは私の師。これからもよろしくお願いしますわ』

サー・フジマル(PC)

『いいえ、それはいけません! それでは[凛々しい王』には程遠……くはないどころかむしろ両立できるけど、このままじゃ[決闘]が出来ない!

 教導勝負です、サー・オルタナティヴ! どちらの王が正しいか、貴方に教導してさしあげましょう!』

サー・オルタナティヴ(PC)

『ハッ! いいでしょう、受けて立ちます。騎士としてどちらが上か、白黒ハッキリつけましょうか――!』

 

アーチャー(PL)

「――というわけで、対決判定。ダイスを三つ振り、達成値を比較。高い方が勝利だ」

マスター(PL)

「ふーむ。――(ダイスを振る)。

 こっちは1、6、1。達成値は6、チェインを加算して9。ただしファンブルだ」

ジャンヌ(PL)

「なかなか高いわね。で、こっちは、と――(ダイスを振る)。

 6、3、2。達成値は4、チェインを加算しても6。

 ま、こんなものよね。マスターちゃん相手に幸運勝負で勝てるほど自惚れてないわよ」

アーチャー(GM)

「ファンブルだがね。マスター、ファンブル表を振りたまえ」

マスター(PL)

「はーい。――(ダイスを振る)――[貴方が惹かれたのは好意に付け込む輩だった。[名誉点]か[正義]を1点失う]。

 ……悪い女に騙されてたみたいだ」

ジャンヌ(PL)

「あらあら可哀想なマスターちゃん。一体誰かしらねーその女って(アルトリアを見ながら)」

アルトリア(PL)

「全くだ、一体誰だろうな。検討もつかん」

ジャンヌ(PL)

「そう? 私はついてるけど。ほら、フジマルには鬱陶しい女上司がいたでしょう?」

アルトリア(PL)

「貴様もその上司だろうが。オルタナティヴの年齢はフジマルより上だぞ」

ジャンヌ(PL)

「一年しか違わないから同期よ。どっかの生き遅れた年増とは違うのです」

アルトリア(PL)

「ほーう、面白い冗談を言うな……面に出ろ」

ジャンヌ(PL)

「上等」

マスター(PL)

「いやいや、きっとアガルタの女に騙されたんだよ! どんな人かまだ知らないけど!

 それに、どっちもいい女だと思うよ僕わ!」

アルトリア(PL)

「む……出任せを言うな、マスター。冗談も過ぎれば命に関わるぞ?(満更でもない)」

ジャンヌ(PL)

「その通りよ。自分でも言うのも癪だけど、女を見る目ないんじゃない?(満更でもない)」

マスター(PL)

「魅力を箇条書きにしろって言うなら頑張るぞ。とりあえず十個くらい。なあ、アーチャーくん?」

アーチャー(GM)

「何故私に振るのか……まあ確かに、それぐらいなら書けるだろうが」

アルトリア(PL)

「信奉者か貴様らは……もういい、興が冷めた。次に進めろ」

マスター(PL)

「承知。で、まずはファンブル処理だね。[正義]は[生命燃焼]で増やせるから、[正義]を削っておこう」

アーチャー(GM)

「[決闘]に勝利したことで、サー・フジマルは[幸運]を獲得する。王妃が決断を下す[円卓判定]において、達成値が同値の場合はこれを持っている方が勝利する。そして判定終了後、勝者側は[正義]を1点獲得する。

 そして敗北したサー・オルタナティヴは、サー・フジマルに対して新しく[絆]を得る。[嫌悪]以外の新しい感情が芽生えるのだ」

ジャンヌ(PL)

「敗北したのに[絆]が芽生えるのね……まあいいけど。

 (ダイスを振る)――[友情]か[負目]、か。じゃ、奇妙な[友情]が芽生えたということで。

 コイツは確かに気持ち悪いけど、教育者としてはまあまあね、といった具合よ」

アーチャー(GM)

「これで二巡したな。全員、残りの[時間]は1か」

アルトリア(PL)

「次は私が行こう。[番外シーン]、[討伐]を選ぶ。

 王妃も登場させるぞ。いずれ覇王になる以上、戦いというものを知っておかねばな」

アーチャー(GM)

「では、舞台表とアクション表でシチュエーションを決めてくれ」

アルトリア(PL)

「ふむ――(ダイスを振る音)。

 ――舞台は[静かな広場]。

 そして、王妃は――(ダイスを振る音)。

 ――[敬礼]している、だと……! これは[討伐]シーンだぞ……!」

アーチャー(GM)

「なに、大した問題ではないさ」

アルトリア(PL)

「涼しげに言ってのけるとは……貴様、汚染されていないか?」

アーチャー(GM)

「この程度のカオスはカオスと呼べんさ。

 シチュエーションは、静かな広場に突然ワイバーンが現れたこととする」

 

ワイバーン(NPC)

『ガオー』

サー・ペンドラゴン(PC)

『なんだその棒読みは! まさかワイバーンのつもりか!?』

リッカ(NPC)

『あ、あれはもしやワイバーン!?

 ですが、私はいずれ[竜の魔女]になる者! あの程度の妖魔に屈するわけにはいきません!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『無視か!? ええい、止むを得ん!

 ――卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め……!

 [約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)]――!!

 ちなみにペンドラゴンの武器は[譲り受けた][剣]だ! 何も矛盾はない!』

リッカ(NPC)

『な、なんて頼もしい……! 流石はサー・ペンドラゴンです。その強さに、敬礼!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『う、うむ。そうだな。これからは貧弱な竜を纏める魔女ではなく、強さを追い求める覇王を目指すがいい』

リッカ(NPC)

『イエッサー、ペンドラゴン!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『マムだ! いや、このゲームの場合はサーでいいのか……?』

 

ジャンヌ(PL)

「どさくさに紛れてなに教導してるのよ。ルール違反でしょうが」

アルトリア(PL)

「失敬な、これはロールプレイだ。悔しかったら貴様も無い頭を捻るがいい」

アーチャー(GM)

「判定を行うぞ。難易度は3だ」

アルトリア(PL)

「随分と低いな。これならば――(ダイスを振る)――1、3、5。達成値は2、失敗だと……!?」

ジャンヌ(PL)

「アッハッハ! なんてザマ! ファンブルの次は失敗なんて、自慢の幸運値もここに落ちたわね!」

アーチャー(GM)

「まあ、ペンドラゴンの名誉点は2と4に偏ってるからな。こういう時もある」

アルトリア(PL)

「いいや許さん。ワイバーンごときに屈する私ではない。[正義]を1点消費することで、判定を一度だけやり直す!」

 

サー・ペンドラゴン(PC)

『チッ、数が多いか……!

 何をしている! 魔力を回せ、一掃するぞリッカ!』

 

アルトリア(PL)

「――(ダイスを振る)……フッ。4、2、3。達成値は6、チェインを加算して9。そしてクリティカルだ。リッカちゃんは優秀なマスターだな」

マスター(PL)

「照れる」

アルトリア(PL)

「貴様ではない」

アーチャー(GM)

「では、ワイバーンの群れは聖剣の一撃で消滅した。街は依然と残っているが気にしない方向で行こう。

 ここで、王妃リッカの反応は――(ダイスを振る)――[ジャンクフードを食べている]」

アルトリア(PL)

「魔力補給は大切だからな。趣向も悪くない」

アーチャー(GM)

「秒単位で悪食になっていくな……なんとかしなければ。

 次、[討伐]の判定成功によるダイスロールだ。セイバー、ダイスを一個振ってくれ」

アルトリア(PL)

「ふむ――(ダイスを振る)――3だ。出目が振るわないな」

アーチャー(GM)

「では、その数値だけ戦闘フェイズで戦う敵の[血路]を減らす」

アルトリア(PL)

「? なんだ、その[血路]とは」

アーチャー(GM)

「体力のようなものだ。ここで減らしておけば後で有利になる。

 ああそれと、クリティカル報酬として[酒と歌]を1点増やしてくれ」

アルトリア(PL)

「現時点で既に6もあるのだが、上限はあるのか?」

アーチャー(GM)

「既に最高値を出していたのか……とんでもないダイス運だな。[酒と歌]に上限はないから、7にしたまえ」

アルトリア(PL)

「よし。では、此度のワイバーン退治を肴にフジマルと飲むか。アルハラはしないぞ?」

マスター(PL)

「お手柔らかに」

アーチャー(GM)

「これでペンドラゴンの[時間]は0だな。次、どちらが行く?」

ジャンヌ(PL)

「当然私です、レディーファーストよ。[番外シーン]は残り一つの[娯楽]にするわ。

 舞台表は――(ダイスを振る)――[賑わいに欠ける市場]。

 それで、王妃サマの行動は――? (ダイスを振る)――[ジャンクフードを食べている]、またか!」

アーチャー(GM)

「まさに買い食いじゃないか。[娯楽]シーンだから尚更だ」

アルトリア(PL)

「ならば私の出番だな、任せておけ!」

ジャンヌ(PL)

「はぁ!? アンタ、また私のシーン乗っ取る気!?」

マスター(PL)

「勘違いするな、オレもいるぞ!」

ジャンヌ(PL)

「アンタもか!」

アルトリア(PL)

「アーチャー。NPCは増えるが、それなりに頑張れ」

アーチャー(GM)

「期待に応えるとしよう」

 

サー・ペンドラゴン(PL)

『店主! 私はビッグバン・トライに挑戦する!

 ビッグバン・トライとは、ハンバーガー十人前を三十分で平らげる挑戦である! 完食できればタダ、失敗すれば十倍の値段だ!』

赤い店主(NPC)

『ほう? 君のようなか弱い女性が挑戦するとはな。少々無謀が過ぎるのではないかね?』

サー・ペンドラゴン(PC)

『フッ。か弱いかどうか、試してみるか?』

赤い店主(NPC)

『――フン、いい目をしている。こんな目をした女性がまだいたとはな。

 いいだろう、こちらも手加減はしない。行くぞ!

 ――完成だ! これがビッグバン・ハンバーガーに代々伝わる最重量級バーガー、ビッグバン・トライだ! 遠慮せず食らうがいい!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『ふっ、蹂躙してやろう! もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ――――!

 不味い! なんだこれは! ハンバーガーにあるまじき繊細な味だ!』

赤い店主(NPC)

『では私の勝ちだな。代金を支払ってもらおうか!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『誰が降参すると言った。この程度、完食できずして何が騎士か!

 もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ――――!!』

リッカ(NPC)

『なんという速さ……! 流石はサー・ペンドラゴン! ファイトです!』

サー・フジマル(PC)

『とんでもない勢いだなあ……流石はペンドラゴン、さすペンさすペン』

サー・オルタナティヴ(PC)

『もはや悪食の領域を超えてるわね。見てるだけで胸焼けするわ』

サー・フジマル(PC)

『ま、こっちはこっちで適当に飲ませてもらいますか。何か頼むかい、サー・オルタナティヴ』

サー・オルタナティヴ(PC)

『……じゃあ、アンタが気に入ったヤツで。あ、当然奢りね』

サー・フジマル(PC)

『へいへい』

 

ジャンヌ(PL)

「まあこんなところかしら。悪くないと思うけど?」

アルトリア(PL)

「マスターはタラシスキルを一体どこで習得してくるのか……気になるな」

ジャンヌ(PL)

「タラシ言うな。別に落ちてないっつの」

アルトリア(PL)

「時間の問題だろう。少なくとも既に[嫌悪]感は感じられん」

ジャンヌ(PL)

「ちゃんと[嫌悪]してるわよ。奢りって言ったでしょ」

アルトリア(PL)

「あんなもの照れ隠しだろう? 奢りと言いつつきちんと割り勘、フジマルの泥酔具合によっては逆に奢る流れと見た」

ジャンヌ(PL)

「しないっての! フジマルとはただの仕事仲間……というか、騎士仲間よ!」

アルトリア(PL)

「ふむ。そういうことにしておくか」

アーチャー(GM)

「そろそろいいか? ジャンヌ、[娯楽]の判定を頼む。難易度は3だ」

ジャンヌ(PL)

「ったく……(ダイスを振る)。

 ――ふぅん? 1、5、6ね。達成値は5、チェイン発生により8。で、さらにクリティカルよ」

アーチャー(GM)

「では、判定成功により[酒と歌]を2点、クリティカル報酬により[酒と歌]を1点。合計3点獲得だ」

アルトリア(PL)

「オルタナティヴの[酒と歌]は8点か。なんだ、やはり奢っているではないか」

ジャンヌ(PL)

「それとこれとは関係ないでしょうが」

アーチャー(GM)

「次は最後の[番外シーン]だな。マスター、どれにする?」

マスター(PL)

「[討伐]で。[血路]がまだよく分からないけど、減らした方がいい気がする」

アーチャー(GM)

「では舞台表を振ってくれ。王妃は出すか?」

マスター(PL)

「勿論出す。まずは舞台表――(ダイスを振る)――[賑わいに欠ける市場]。

 王妃の行動は――(ダイスを振る)――[冷たい笑み]。

 [討伐]シーンでこれってどうなるんだ……?」

アーチャー(GM)

「店を冷やかしているところで妖魔に襲われるのだろう。こんな具合に」

 

リッカ(NPC)

『ちょっと店主! 店主はいないのですか!』

172cmの女性(NPC)

『は、はい、ただいま。どうかいたしましたか、お客様』

リッカ(NPC)

『どうもこうもありません。これですよこれ。そう、値段です!』

172cmの女性(NPC)

『は、はあ……いつも勉強させて頂いてます』

リッカ(NPC)

『そうですか。本当にできているのかどうか、怪しいところですね。

 わた――ではなく、姫さ――でもなく、ええと、あの御方にこんな安物の食器を使わせるだなんて!』

172cmの女性(NPC)

『――ほう? 姫様、ですか』

リッカ(NPC)

『ええそうです、王妃たるこの私がこのような…………あ』

172cmの女性(NPC)

『ふっふっふ。

 ……宝具開放! [他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)]――!!』

リッカ(NPC)

『きゃ――――!!』

 

アーチャー(GM)

「よし、こんなところだな。マスター、助けてやってくれ」

マスター(PL)

「うちの姫様、ちょっとポンコツ過ぎません? それはそれでいいけどさ。

 確か難易度は3だったか。コロコロ、と――(ダイスを振る)。

 ――2、3、4。達成値は3。チェインを加えて6だ。そしてまたクリティカルか」

アーチャー(GM)

「では、[酒と歌]にプラス1点。次に[血路]のダイスロールだ」

マスター(PL)

「――(ダイスを振る)……3。ペンドラゴンの時と同じ数値だ」

アーチャー(GM)

「効果の程はお楽しみに。

 折角だ。ライ……ではなく、メドゥ……でもなく、172cmの女性を倒すロールプレイでも入れるかね?」

マスター(PL)

「後で石にされても知らないぞー。

 ま、それはそれとして入れますがね」

アーチャー(GM)

「了解した。我々は仲間だな」

 

サー・フジマル(PC)

『王妃! ここにおられましたか!』

リッカ(NPC)

『なっ――サー・フジマル、何をしに来たのです! 私に構わず逃げてください!』

サー・フジマル(PC)

『出来ません! 私は貴方を守る騎士、逃げるなら共に!』

172cmの女性魔人(NPC)

『逃げられると思うたか? この店は既に我が結界。貴様らはここで溶け落ちる運命なのだ』

サー・フジマル(PC)

『……フッ。運命、か。悲しい――悲しいなぁ。

 何故なら運命とは、貴様ら魔族ではなく我らが王妃にこそ味方するもの。運命を謳った瞬間、貴様の敗北は決定した。

 行くぞ、アルバイターの美女よ。ここに貴様の鎮魂歌(レクイエム)を奏でよう!』

 

アルトリア(PL)

「マスター、それはトリスタンのロールプレイのつもりか? 違和感が凄まじいのだが」

マスター(PL)

「キャパオーバーしました。侮辱するつもりはなかった、ごめん」

アルトリア(PL)

「いや、怒ってはいない。怒ってはいないが、半端に真似るのは止めてもらおう。貴様に嘆きは似合わない。[信条]も[冒険]だったしな」

マスター(PL)

「ん。次からは気をつける。

 それでGM、次はどうなるの? これで全員のシーンが終わったけど」

アーチャー(GM)

「次は円卓シーンだ。主君は騎士達にどちらの命題が正しいか今一度尋ね、決断を下す。

 まずは舞台表を振る。円卓判定を行う場所は――(ダイスを振る)――[華やかな天幕(隠れ家)]。

 よし、展開とマッチしているな。これよりロールプレイを行う」

 

リッカ(NPC)

『皆さん、集まりましたね。残された猶予はもはやありません。今こそ、どちらかの命題を選択する時です。

 まずは私の考えを伝えておきましょう。私はやはり、命題Bを選ぶべきと考えています。

 魔族に堕ちた騎士の言いなりになんかなりたくない。私はそれを踏み越えて、前へ進みます』

サー・ペンドラゴン(PC)

『その通りだ。よくぞ言った、王妃リッカ。貴様がそうある限り、私は貴様に仕えよう』

サー・フジマル(PC)

『いいえ、それはいけません。前に進むという志は共感しますが、だからといって今、ダンディを悪役にするのは間違っています。我々の現状、そして未来を見据え、どうか賢明な判断を』

リッカ(NPC)

『サー・フジマル……貴方は、そう思うのですか。

ですが、一理ありますね。思いつきで行動していては、いずれ自分の身を滅ぼします。やはり今は雌伏の時――』

サー・オルタナティヴ(PC)

『いいえ、それは違うわ王妃サマ。未来のことを考えるのなら、尚のこと踏み潰すべきよ。かつて貴方が王妃として君臨できたのは、その過激さあってこそ。どんな時も自分らしさを忘れてはならないわ』

リッカ(NPC)

『サー・オルタナティヴ……確かに、自分らしさは大切ですね。ここでダンディに従うようでは、[竜の魔女]なんて程遠い』

 

アーチャー(GM)

「さて、ここで円卓判定だ。全プレイヤーによる対決ロール。サー・ペンドラゴンは達成値に1点補正が入る」

アルトリア(PL)

「では振るか。運命を分けるダイスロールだ」

 

(ダイスを振る音×3)

 

アルトリア(PL)

「出目は1、2、5。達成値は5。チェインを加算して7。[対話シーン]の[命題]補正により、最終達成値は8だ」

マスター(PL)

「オレは3、4、5。達成値は4。チェインによる補正で7、そしてまたもやクリティカル! でも達成値は7かー」

ジャンヌ(PL)

「こっちは4、5、4。達成値は3。チェイン発生により6だけど……ファンブルね」

アーチャー(GM)

「クリティカルとファンブルの処理は後にしよう。

 命題[A]の最大点は7、命題[B]の最大点は8だな。

 それでは、王妃リッカはついに決断を下す。選ぶ道は命題[B]。

 すなわち――[ダンディの依頼を敢えて無視して、彼を悪役に仕立て上げる]!」

マスター(PL)

「あぁー暴君になるぅー……リッカなのに、リッカなのにー」

アルトリア(PL)

「違うぞマスター。リッカだからこそ暴君になるのだ」

ジャンヌ(PL)

「私達反転存在を従える主君なんだから、黒く染まるのは確定した未来でしょ」

アーチャー(GM)

「実際、暴君への道を着々と進んでいるしな。円卓判定で出した達成値は、そのまま影響点に加算される。

 現状、[覇王]の影響点が8、[凛々しい王]の影響点が7、[竜の魔女]の影響点が8だ。この時点で、一般的にイメージされる王とはかけ離れているな」

アルトリア(PL)

「[覇王]と[竜の魔女]が同点か。教育とは難しいな」

ジャンヌ(PL)

「わざわざ[教導]を選んだ私とアンタが同点とか、こっちとしては不満しかないんですケド?」

アルトリア(PL)

「ダイスが言っているのだ。王妃リッカは私にこそ相応しいとな」

ジャンヌ(PL)

「……マスター。貴方、これが終わったら新しいの買いなさい。カルデアの購買に沢山あったでしょう?」

マスター(PL)

「はいはい。皆で使い回すのは効率が悪いからね」

アーチャー(GM)

「決断を下したところで、次はクリティカルとファンブルの処理だ。まずクリティカルのマスターは、[酒と歌]を1点追加。そしてファンブルのジャンヌは、ファンブル表を振ってくれ」

ジャンヌ(PL)

「分かったわよ――(ダイスを振る)。

 ええと、なになに……[襲撃を受ける。苦もなく撃退するが命乞いされる。止めを刺して[寛容]を1点失うか、密告されて[血路]を増やす]。

 敵を見逃すとか有り得ないわね。命乞いされたなら串刺しにして返すのが流儀よ。[寛容]を1点減らすわ」

アーチャー(GM)

「これにて分岐フェイズを終了する。次回は戦闘フェイズだ」

 

 

 ◆

 

 


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