Fate/Grand Order 卓上円卓領域ロストロイヤル   作:YASUT

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一通りプレイ描写を書き終えたので、一日置きに予約投稿していきます。



乱入オルタナティヴ

 ◆

 

 

 予期せぬ闖入者を招き、約十分。

 アーチャーが冷蔵庫から冷たい飲み物を四本持ってきた後、彼女は意気揚々と自己紹介を始めたのだった。

 

 

ジャンヌ(PL)

「唐突ですが自己紹介を始めます。

 私はサー・オルタナティヴ。火炎妖精(フランベルジュ)の女性、十九歳。

 信条は[冒険]。あらゆる危険に怯まず突き進む蛮勇の騎士。でも、最近は危険を相手にすることが目に見えて少ないわ。それもこれも[主君]が我が儘だからよ。あーしろこーしろってあまりにも五月蝿いから、それに嫌々ながら応えてる感じね。

 で、まあ、後は[恋慕]……恋愛にも興味を持ち始めてるわ。

 具体的に言うと[主君]が3、[恋慕]が2、他は全部1ね。

 主君の理想像は[竜の魔王]。この私が仕えてるんだから、邪竜の一匹や二匹従えられないようじゃ駄目ね。

 それと、愛用の武具と特殊能力のおかげで、[魔力]がずば抜けて高くなっている。その[魔力]の濃さから、『暁の騎士』の称号を貰ってるわ。

 以上、紹介終わり」

アーチャー(GM)

「ご苦労。ハンドアウトはどれを選んだのかね?」

ジャンヌ(PL)

「当然B。誰かの言いなりになるようじゃ魔王になんてなれないもの」

アーチャー(GM)

「一応、魔王はこのゲームのラスボスなのだがね」

ジャンヌ(PL)

「大した問題じゃないわよ。魔王を倒して新しい魔王になる。いいじゃない、何か不満でも?」

アーチャー(GM)

「いや? ただ、王妃リッカの将来が不安なだけだ。

 フジマルの[凛々しい王]はともかく、他二人が[覇王]と[竜の魔王]だぞ? 近い将来確実に反転(オルタ化)する」

ジャンヌ(PL)

「全てはアクション表次第ね。ま、そうならないようにせいぜい祈れば?

 ……で、この次はどうするのよ。騎士は作ったけど?」

アーチャー(GM)

「とりあえず命題[B]が二人になったから、命題[A]のマスターはサー・フジマルの[主君]か[冒険]の名誉点を1増やしてくれ」

マスター(PL)

「はーい(カキカキ)」

アルトリア(PL)

「アーチャー。私には何かないのか」

アーチャー(GM)

「ないな、何も。強いて言うなら味方が増えた」

アルトリア(PL)

「足手纏いを味方に数えたくはないな」

ジャンヌ(PL)

「は? 足手纏いはアンタでしょうが、ルーキーキング。種類が違うとはいえ、TRPGを経験している私の方が実力は上なんですけど?」

アルトリア(PL)

「笑わせる。突撃しか能のない脳筋女に騎士が務まるはずなかろう」

ジャンヌ(PL)

「お生憎様、貴方は私と同じ火炎妖精(フランベルジュ)。私が突撃女ならアンタだって突撃女よ。

 冷血な上に突撃しかできないとか、もう救いようがないわね!」

アルトリア(PL)

「――ほう?」

ジャンヌ(PL)

「……なによ」

マスター(PL)

「待って待って待って! そういうのはほら、ゲームでやろう? ちょうど[決闘]っていうのもあるし! だから、ね?」

アルトリア(PL)

「…………はぁ」

ジャンヌ(PL)

「…………ま、そうね。折角整えてくれた舞台なんだし、活かさない手はないか」

アーチャー(GM)

「よし、台風は去ったな? お疲れ様だマスター、後で紅茶を淹れてあげよう。

 さて、サー・オルタナティヴ。次は[絆]の獲得だ。

 サー・ペンドラゴン、サー・フジマル、王妃リッカ、そしてダンディ。この中から一人を記入し、感情表を振ってくれ」

ジャンヌ(PL)

「ふーん、一人だけか。

 別に深い意味はないけど、選ぶならフジマルよね。別に深い意味はないけど。

それで、感情は……(ダイスの音)――[崇拝]か[嫌悪]、ですって……!?」

アルトリア(PL)

「決まりだな、[崇拝]を取るがいい。そうすることで完璧なヒエラルキーが完成する」

ジャンヌ(PL)

「誰が取るもんですか! 当然[嫌悪]よ!

 ええ、そうよ[嫌悪]よ! 正直コイツ、気持ち悪いところあるし!」

マスター(PL)

「ごはっ――――(吐血)!!

 あ、死ぬ、これは死ぬ。サー・フジマル、先に逝きます(orz)」

アルトリア(PL)

「案ずるなマスター、いや、サー・フジマル。

 私は貴様を信じているぞ。たまにアルハラするけど」

マスター(PL)

「ぺ、ペンドラゴン……これが、[崇拝]……!」

ジャンヌ(PL)

「…………」

アーチャー(GM)

「……あー、そろそろいいだろうか?」

ジャンヌ(PL)

「とっくにいいから早く進めなさい!」

アーチャー(GM)

「おお、怖い怖い。では、言われた通り進めるとしよう。

 まずは開幕フェイズ。オープニングとゲストの描写、そして命題の再確認を兼ねて、適当にロールプレイを行おう。

 えー……旅の劇団に扮した王妃リッカ一行は、軽薄なアロハシャツを着た軽薄な男『ダンディ』に、自分を主役にした演劇をしてくれと頼まれた。これを断れば王妃達の変装が露見してしまう可能性がある。王妃達は仕方なく、彼の提案に乗ることにしたのだが――」

 

リッカ(NPC)

『正直に申しますと、私は嫌です。

 我が王国は魔人によって滅ぼされました。家族も、使用人も、王国の民も、何もかもをです。今の私に残されているのは、王家に代々伝わる歌だけ……私には、もう何も残されていない!

 私から全てを奪った奴らを称える劇をするなんて、絶対に耐えられない!』

サー・ペンドラゴン(PC)

『ああ、それでいい。それでこそ我が王妃。覇王たるもの、仇敵に頭を下げてはいけない。

 顔を上げよ、とは言わん。前を見据えろとも言わん。ただ、隣を見ろ。貴様の傍には、我ら円卓の騎士がついている。

 王妃リッカ。貴様が魔人を斬れと命じるなら、私はそれに応えよう!

 ――我は[冒険]の騎士道に殉じ、命題[B]こそが正しいと宣誓する!』

リッカ(NPC)

『流石はサー・ペンドラゴン、頼もしい限りです。ですが、今魔人と戦うのはあまりにも危険です。

 実は、私は『ダンディ』を知っています。彼は性格に難がありますが、元々は凄腕の騎士でした。魔人に堕ちた彼は、言わば反転した存在。魔族と契約したことで、力も上げているはず』

サー・フジマル(PC)

『ではやはり、ここは『ダンディ』の言う通りにすべきでは?

 王妃リッカ。先程貴方は耐えられないと申したが、それは行けません。遠くない未来、魔王を倒した後、貴方は新たな王としてこの国を治めるのです。そうなった時、人間一人の考えを許容できないようでは遠からず国は滅びます。

 ――我は[寛容]の騎士道に殉じ、命題[A]こそが正しいと宣誓する』

リッカ(NPC)

『サー・フジマルはそう思いますか。確かに、言われた通りにすれば安全でしょうね。変装も露見せずに済みますし』

サー・オルタナティヴ(PC)

『アハハハハ! 何を言ってるのかしら王妃サマ? 言われた通りにする? 寝言は寝て言いなさい、小娘』

 

アルトリア(PL)

「果てしなく上から目線だな」

ジャンヌ(PL)

「アンタだってそうでしょうが! ……こほん!」

 

サー・オルタナティヴ(PC)

『誰かの言いなりになるなんて、[美しいが][過激な]主君の貴方らしくないわよ。

 大体ね、どうすればいいのか、なんてつまらないことで悩む必要はないの。いつだってそう。貴方は貴方らしい選択をすればいいのよ。

 ――我は[主君]の騎士道に殉じ、命題[A]こそが正しいと宣誓する』

 

アーチャー(GM)

「――よし。全員いい感じでロールプレイできてるじゃないか。想像以上の結果だよ。

 命題を確認し終えたところで、次はいよいよ分岐フェイズだ。騎士との触れ合いを通じて、主君が決断を下すまでを描く」

マスター(PL)

「その決断はどうやって決めるんだ?」

アーチャー(GM)

「分岐フェイズ終了時に全員で対決ロールを行い、最も高い達成値を出した騎士の命題になる。つまり、人数が少なくても命題[A]になることもある」

アルトリア(PL)

「可能性はこちらが上だがな。それで、分岐フェイズとやらでは何が出来る?」

アーチャー(GM)

「主君との対話を描く[対話シーン]と、騎士との交流を描く[番外シーン]だ。[対話シーン]は各騎士一回ずつ、[番外シーン]は[時間]を消費することで任意に行える。今回のセッションでは全員2ずつ配布されているから、一人二回までだな。勿論、全く使わなくても構わない」

アルトリア(PL)

「言われても分からんな……物は試しだ、[対話シーン]を行うぞ」

アーチャー(GM)

「では、[命題]、[日常]、[教導]のいずれかを選んでくれ。

 [命題]は主君に自分の[命題]を選ぶように勧めることができる。

 [日常]は一旦使命を忘れ、主君をリラックスさせることができる。

 [教導]は、主君を自分の理想像に近づくよう教育することができる」

アルトリア(PL)

「ふむ……とりあえず、[命題]だ」

アーチャー(GM)

「では次に、舞台表とアクション表を振ってシチュエーションを決める。

 まず、舞台表は――(ダイスを振る)――[華やかな天幕、隠れ家]。

 そして、王妃リッカは――(ダイスを振る)――[思い出している]」

アルトリア(PL)

「物思いに耽っているのか。話しかけてみるか」

 

サー・ペンドラゴン(PC)

『どうした、リッカ。考え事か?』

リッカ(NPC)

『サー・ペンドラゴンですか。ええ。少し、昔を思い出していました。

 私は何も知らなかった。王宮での退屈な日常こそが、何よりも得がたいものだったことを

 私達はまた、あの時みたいに笑い合えるのでしょうか……』

サー・ペンドラゴン(PC)

『それは難しいな。全ては過ぎたことだ。もう、あの時に戻ることは――。

 …………戻ることは、できない。(目を瞑り、静かに伝える)

 だから、先に進むしかない。何処かで何かを間違えていたとしても、我々は進むしかないのだ』

 

アーチャー(GM)

「――――(曖昧な表情で沈黙している)」

アルトリア(PL)

「? どうした、アーチャー」

アーチャー(GM)

「……いや、何でもない。

 それよりロールプレイの判定を行おう。難易度は5。成功すれば報酬を与える」

アルトリア(PL)

「いいだろう、任せておけ。――(ダイスを振る)――出目は5、5、6。達成値は3だが、数字のズレが一つずつのため3チェイン。よって、達成値は6となる。成功だ」

アーチャー(GM)

「しかしゾロ目だな。3チェインが発生し、かつゾロ目があった場合、達成値はそのままでファンブルとなる」

アルトリア(PL)

「……面倒なルールだな。悪戯に幸運値が高いと、逆にファンブルが多くなるということか」

ジャンヌ(PL)

「ハッ! 任せろとか言いながら開始早々ファンブルとか、相当ダサいわね! ご愁傷様、冷血女」

アルトリア(PL)

「……何か言ったか?」

ジャンヌ(PL)

「言いましたが?」

アルトリア(PL)

「――――(豪、と風が荒れ狂う)」

ジャンヌ(PL)

「…………(ボーボーと黒炎が立ち上る)」

アーチャー(GM)

「いかん! マスター、火消しを頼む! この二人、特にジャンヌを抑えられるのはお前だけだ!」

マスター(PL)

「畜生! はい、どうどうどうどう!」

 

 ◆

 

アーチャー(GM)

「さあ、気を取り直してファンブル表を振ってもらおうか」

アルトリア(PL)

「仕留め損なったか――こほん。

 で、ファンブル表だな? 仕方あるまい、ルールには従うとも――(ダイスを振る)。

 ――1。[言い争いで主君に無礼を働く。[主君]の[名誉点]を一点減少するが、[時間]を一点消費することで和解できる]

 名誉点は達成値そのもの、減らすのは上手くないな。仕方ない、[時間]を一点消費する」

アーチャー(GM)

「だが、それでも成功だ。[命題]に成功した場合、円卓判定――[命題]を決める対決ロールにて1点のボーナスを得る。これでサー・ペンドラゴンの[対話シーン]は終了だ。

 次はどちらが行く? [番外シーン]ならペンドラゴンでも構わないぞ」

ジャンヌ(PL)

「では私が。王妃リッカが[竜の魔王]に近づくよう[教導]するわ」

アーチャー(GM)

「了解だ。舞台表は――(ダイスを振る)――[主君の噂をする民衆]」

ジャンヌ(PL)

「いやいや、ちょっと待ちなさいよ。それ、変装バレてない?」

アーチャー(GM)

「あくまで噂だ。実は王妃は生きているんじゃないか、くらいのな。目の前にいる人物が王妃だと気づくことはまずない、おそらく。

 で、次に王妃のアクションだが――(ダイスを振る)――[ジャンクフードを食べている]」

ジャンヌ(PL)

「自分の噂が目の前でされてる時にジャンクフード!? 余裕綽々じゃない、この王妃!」

アルトリア(PL)

「温室育ちでありながらジャンクフードとはな。流石は覇王、見所がある」

ジャンヌ(PL)

「食べさせた原因は間違いなくアンタでしょ」

アルトリア(PL)

「突撃女にしてはいい考えだな。では私も登場するか」

ジャンヌ(PL)

「なんでそうなるのよ! というか、今のは私のシーンでしょう!?」

アルトリア(PL)

「気にするな、アドリブというやつだ。

 さて、アーチャー――ついてこれるか?」

アーチャー(GM)

「フッ……問題はない。君の方こそついてこい」

 

サー・ペンドラゴン(PC)

『もっきゅもっきゅもっきゅ……ふむ、流石はビッグバン・ハンバーガー。肉とソースから大量生産とブラック企業の匂いがプンプンするな。ジャンクな味付けが実に良い。貴様はどうだ、リッカ』

リッカ(NPC)

『市場の人々はこのような物を食べているのですね。王宮の食事とは比べ物になりませんが、クセになりそうです』

サー・ペンドラゴン(PC)

『だろう? 私もこの味に魅了されたクチでな。数百の魔人を斬ることはできても、料理人を斬ることだけは未だにできない。フッ、[氷の騎士]が聞いて呆れるな。もきゅもきゅ』

サー・オルタナティヴ(PC)

『ちょっと。何やってんのアンタ達』

リッカ(NPC)

『見ての通り買い食いですが?』

サー・オルタナティヴ(PC)

『呑気に買い食いしてる場合? このざわめきが聞こえないの?』

リッカ(NPC)

『問題はありません。私にはサー・ペンドラゴンがついています。彼女は[命題]の相談に乗ってくれたので、とても頼りになります』

サー・ペンドラゴン(PC)

『中々いい子だな。やはり素質がある。私の目に狂いはなかった』

サー・オルタナティヴ

『言ってる場合か! ちょうどいいわ、アンタ達には言ってやりたいことが山程あるの。さあ、天幕でたっぷりお説教と行きましょうか』

 

アーチャー(GM)

「言い忘れていたが、王妃リッカは[命題]について相談してくれたサー・ペンドラゴンに懐いている」

ジャンヌ(PL)

「少女ロールプレイしてるアンタを見てると吐き気がするわ。

 で、なんだったかしら? 達成値5で判定?」

アーチャー(GM)

「そうだ。ファンブルは出すなよ?」

ジャンヌ(PL)

「出すかっつの。――(ダイスを振る)――4、3、1。達成値は6、チェインを加算して8。ほうら、成功」

アーチャー(GM)

「では、影響点をプラス2だ。王妃リッカはサー・ペンドラゴンに懐いているが、サー・オルタナティヴの影響を受け[竜の魔王]に近づいている」

アルトリア(PL)

「何? おいGM、それをひっくり返すにはどうすればいい?」

アーチャー(GM)

「[対話シーン]を終えているため、どうしようもないな。次のセッションまでお預けだ」

アルトリア(PL)

「くっ……まあいい、懐いているのは私だ。いずれ機会もあるだろう」

アーチャー(GM)

「次はサー・フジマルだな。この流れで[対話]シーンを済ませるか?」

マスター(PL)

「そうする。さあ、やっと出番だ。

 サー・フジマルは[対話シーン]で……二人が選んでいない[日常]を取ってみよう」

アーチャー(GM)

「では、舞台表とアクション表だ。

 まず舞台表は――(ダイスを振る)――[静かな広場]。普通だな。

 次に、アクション表は――(ダイスを振る)――[高笑い(オホホ)]」

マスター(PL)

「全然静かじゃないんだが!? 王妃様笑ってるよ、しかも高笑い!」

ジャンヌ(PL)

「ついに矛盾し始めたわね。適当に決めるからこうなるのよ」

アルトリア(PL)

「いや違うな。これはPLとGMの発想力を試されているのだ。

 高笑いすることで声を響かせるのか、笑う練習をしているのか……あるいはそれ以外の何かだ」

マスター(PL)

「というか、どうして高笑いしているんだ。何がそんなにおかしいんだ。書いたのはオレだけどさ」

アーチャー(GM)

「ふむ……まあ、何とかなるだろう、きっと」

マスター(PL)

「えぇ……?」

アーチャー(GM)

「とりあえず始めるぞ。ついてきたまえ、マスター」

 

リッカ(NPC)

『(オーホッホッホッホ!)』

サー・フジマル(PC)

『(こいつ、脳内に直接語りかけて……!? しかも何故か凄い海老反りになってる……!?)』

リッカ(NPC)

『(おや、サー・フジマル。何をしているのですか? もう夜も遅いです、早く戻りなさい)』

サー・フジマル(PC)

『(……いいえ、それはできません。戻るなら王妃も一緒に。夜道は危険です)』

リッカ(NPC)

『(……今は一人になりたいのです。立場も悩みも全部忘れて、一人に)』

サー・フジマル(PC)

『(王妃……ではいっそ、夜の街へ繰り出しましょう。ご安心を、私がエスコートします)』

リッカ(NPC)

『(まあ。ふふっ、夜の道は危ないのではなくて?)』

サー・フジマル(PC)

『(その通りにございます。しかし、万が一王妃に危機が迫った時は、私が身を呈して守りましょう。私は王室を守る円卓の騎士。ですが、今宵限りは貴方だけの騎士となりましょう)』

リッカ(NPC)

『(ありがとう。よろしくお願いしますね、サー・フジマル。私だけのおサムライさん)』

 

アーチャー(GM)

「よくついてきたな。やるじゃないかマスター」

マスター(PL)

「かなりぎりぎりだったけどね。でも、我ながら上手くできたと思うんだ。どうだろう、オルタ諸君」

オルタ×2(PL)

「三点」

男二人(PL・GM)

「辛口!?」

ジャンヌ(PL)

「心の会話がキツイわ。あと、言葉にしなくても通じ合ってる雰囲気が腹立つ」

アルトリア(PL)

「貴様が紳士プレイなど十年早い。人生経験を積んでから出直すがいい。

 それとアーチャー。今更かもしれんが、少女のロールプレイが気持ち悪い」

アーチャー(GM)

「今までスルーしていたのに、ここでそれを言及するのか。仕方なかろう、私しかいないのだから」

マスター(PL)

「はぁ……紳士プレイ、頑張ったのに……(がっくり項垂れる)」

アーチャー(GM)

「女性陣は放っておいて、判定だマスター。達成値5、よろしく頼む」

マスター(PL)

「――(無言でダイスを振る)……おお、1、5、6。達成値は7。チェイン発生により10。そして5、6、1と繋がっているためクリティカル」

アーチャー(GM)

「では、[酒と歌]にプラス1点。さらに成功報酬として、主君との[絆]を得る。騎士が主君に対してか、主君が騎士に対してか。どちらでもいいぞ」

マスター(PL)

「じゃあ、主君が騎士に対して。今のやり取りは王妃的にどうだったのだろう?」

アーチャー(GM)

「やってみるか。感情表ロール。――(ダイスを振る)

 ――[守護]か[欲情]だな。

 喜べマスター。先程の紳士プレイ、王妃的には大好評だったらしい。

 折角だからお前が選べ。王妃からサー・フジマルに向けられる感情を。

 守ってあげたいと思われるか、性的な意味で興奮されるか、二つに一つだ」

マスター(PL)

「その前に一つ確認を。王妃って何歳?」

アーチャー(GM)

「十三。年齢なら気にするな。この世界の成人年齢は十六、十三歳など女子高生のようなものだろう」

マスター(PL)

「うーむ……[欲情]するんじゃなくてされるのか。するのはともかく、されるのは抵抗があるなあ。かと言って[守護]はロールプレイ的におかしいし……。

 ……よし、[欲情]で行こ――(床に剣が刺さる音)」

ジャンヌ(PL)

「…………(床をチリチリ焦がしながら、ゴミを見る目)」

マスター(PL)

「――決めたぞアーチャー。[守護]だ。王妃リッカはサー・フジマルを守りたいと思っている」

アーチャー(GM)

「承知した。ドンマイ、気にするなマスター」

マスター(PL)

「誤解を招くから止めて! 違うよ! これはロールプレイ的な理由だから!」

ジャンヌ(PL)

「フン。やっぱり嫌悪で正解だったかもね」

 

 

 ◆

 




騎士まとめ続、特徴のみ抽出

PL:ジャンヌ・オルタ
PC名:オルタナティヴ
種族:火炎妖精(フランベルジュ)
性別:女
年齢:19
主君の理想像:竜の魔王(後に[竜の魔女]に変更)
愛用の武具:[名工の][槌]――[魔力]+1
戦闘スタイル:攻撃型
特殊能力:地獄車(意訳:[紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)]的な自爆)
絆:フジマル[嫌悪]
判定表:
①:[主君]:3
②:[冒険]:1
③:[恋慕]:2
④:[庇護]:1
⑤:[寛容]:1
⑥:[戦友]:1

[魔力]、[武力]重視のArtsタイプ。[速力]は知らん。

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