朝、目を覚ましたら子ギルはいなくなっておりルイズが横に寝ていた。
ルイズなら今、俺の横で寝ているぜなんて誤解を招く状態である。
それにしても、仕様だからってまさかプリヤになってるとは思わなかった。
これじゃあ、FGOじゃないよプリズマイリヤだよ。
まぁ、ガンダールヴってルーンを生かすなら宝具を使う感じのプリヤ仕様が良いのかもしれないけどさ。
ルイズを起こす仕事は言われてないのでやらずに朝食を取ることにした。
ギーシュの件で一目置く的な状況なのか、俺が普通に食堂に入ると白い目で見られるだけで普通には入れた。
そのまま、席に座って食事を取る。
朝食は全て肉と肉と肉である。
すっげぇなぁ、朝からヘビーな食事内容だわ。
「おい、そこの席は僕のだぞ」
「脂っこいなぁ、いやでもバイキング形式だと思えば納得の種類だし悪くはないか。そういえば、ハリポタもこんな感じの食事風景だったなぁ」
「聞いてるのか平民!」
うるせぇなと思いながら振り向くとデブがいた。
なんだコイツ、風邪ひきのなんたらとかいう二つ名の奴だっけか?あんま覚えてねぇからわかんねー。
まぁ、食事は終わっているので席を立ってやる。
その様子を見て満足そうなマル……マルなんたら。
風邪ひきのマルコポーロだっけ?マジで覚えてないんだが、譲ってやった時のドヤ顔がムカついたので頭を叩いておく。
「痛っ、何するんだ!」
「虫がいたんだ、マルコポーロ」
「マリコルヌだ!」
そうかそうかと適当に返事をして、そのまま俺は食堂から出て行った。
食堂から出た俺は廊下をウロウロする。
俺の予想では、チョロインなキュルケがコンタクトを取ってくると思っている。
『ますたぁ……』
「ゴフッ……遂に問答無用で焼くようになったか」
やめてください死んでしまいます。
体の中に鞘とか入ってないんでキツイんですけどね。
『なんだか、親近感を覚えます』
『ベディヴィエールさんは苦労してそうですもんね』
『活躍がなくて正直つまらんワン。キャットは暇だぞ~』
やんのやんの頭の中で声が反響する。
斬魄刀とか持ってるとこんな感じなのだろうか、正直うるさい。
もう一人のボクどころじゃないレベルである。
「キュルルルル」
「正直辛い……おぉ、フラグ回収か」
頭を押さえていたら、ようやくという感じで火トカゲが現れた。
俺のターン捕獲してみる。
やった、火トカゲゲットだぜ。
「お前は尻尾が燃えてないのか」
「キュー?」
取りあえず要件は分かっているので捕獲したままキュルケの部屋に向かう。
ここ?違うのか、じゃあこっちか?もっと向こうか、ここはどうだ?
そんなこんなでようやく辿り着いた、やったぜ。
「失礼します」
「扉を……閉めてるわね」
「ルイズの使い魔、フランシスコザビエルです。今日はよろしくお願いします」
「どういうことなの」
俺の言動に戦慄を覚えるキュルケを無視して部屋に進んでいく。
おっと、ここでも原作と乖離があるのか昼間だぞ。
どうやら原作はエヌマエリシュされたようだ。
「待って待って、呼ぶ前になんでこっち来るの」
「悪いなキュルケ、俺はお前の気持ちに答えられない」
「ちょっと待ちなさいよ!私達初対面よね、なのに何でフラれてるの!?まだ、何も言ってないわよ」
「いやあれだろ、二つ名の微熱のように私のハートが真っ赤に燃える!とか震えるぞハート、燃え尽きるほどヒートとかでしょ」
「どういうことなの!?ねぇ、貴方の中で私ってどういうイメージなの!」
すまない、原作を覚えてないんだ、すまない。
さて、目的を果たすとするか。
「話は変わるんだが」
「私の質問はスルー!?」
「君の知り合いのトリステイン貴族で変な奴とか優秀な奴とかいないか?」
「この流れでそういうこと聞く!?というかスルーなの!?」
うるさいなぁ、俺はマシュにゾッコンだからお前の気持ちには答えられないんだ。
というか、ビッチとかノーサンキューです。
最終的に、エロで世界がヤバイみたいなラスボスになるんだから。
あのビッチは強かった、苦労した思い出が蘇る。
「さぁ、言え」
「なんだか思ったのと違う……」
「言え」
「あんまりトリステインの貴族には詳しくないわ。用は済んだでしょ、こっちが呼んだのだけれど冷めてしまったわ」
スネーク式尋問術で情報は得られなかった。
なるほどなぁ、外から邪魔が入らなくてもいい感じにはならないと、把握した。
いや、俺は何も落ち度ないはずだからきっと抑止が働いたに違いない。
キュルケと別れた俺は、この後の事を予想する。
まず買い物、そこで手に入れた剣を装備したらゴーレムが出てくる。
アレは確かマチルダさんが犯人なんだろ、ドムに体当たりしそうな名前だな。
取りあえず犯人はヤス……じゃなくて、秘書のマチルダって訳だ。
「あっ」
「あっ」
「どこをほっつき歩いてると思ったら、よりにもよってツェルプストーの部屋から出てくるなんて!こここの馬鹿犬ぅぅぅ!」
『何だとテメェ、もういっぺん言ってみろ!』
違う違う、兄貴に言ったわけじゃないからステイステイ。
俺は荒ぶる兄貴に対応しながらばったりあったルイズに謝る。
これは誤解なんだ、うわなにをする。
結局問答無用で鞭で叩かれた。
それ馬用だから普通に痛いです、やめてください。
夜、座禅しながらみんなと喋っているとルイズがムスッとした顔で街に行くことを提案してきた。
「今度の休みに、街に行くわ」
「どうした急に」
「アンタの連れが宝石を置いてったから換金ついでに、その武器とか買ってあげるわ」
ブ、ブルジョア!?いつの間にかいないと思ったら置き土産に宝石ですか。
さすギルである。金には困らないなぁ……
そんなギル様は体の中にもいないんだけど、単独行動スキルですか?
「あと、あのガキんちょはケティって子の所にいたわ。ギーシュの元カノ」
「何してるん、っていうか誰なの?」
モブの誰かだろうか、お淑やかで優しい女性がタイプな子ギルのお眼鏡に叶うとは……。
まぁ、問題なく原作に忠実に進んでいた。
やはり同じ人物だし考えることとかは一緒なのだろう。
正直、行かなくてもいいかなとは思うんだけどな。
インテリジェンスソード、欲しいかといえばいらないし。
『知性のある武器ですよね、気になります』
「パラケルススェ……」
『私、気になります』
「それはなんか違う」
まぁ、おねだりされたので行くことにした。
虚無のなんたら、要するに日曜日。
俺はルイズと街に行くことにした。
移動は、アレキサンダーの協力によりブケファラスをレンタルである。
「アンタ、何よその恰好」
「仕様だ」
「ちょっと待って、どこの馬よ?こんないい馬、いたかしら?」
おうおう、嬢ちゃん分かってるじゃねぇか。
と、言わんばかりにブケファラスが鼻を鳴らす。
馬の表情とか分かるのはアレキサンダーの効果なのだろうか、行くぜ相棒!
街に着いた俺達は宝石店によって金に換えることにした。
「ちょっと待って、馬は!?」
「帰った」
「どこに!?」
「細かいことは気にするな」
あれだ、たぶん座に帰ったんだよ。
納得いかなさそうなルイズだったが、俺に慣れて来たのか細かい追及はせずに注意だけして歩き出す。
「この町はスリが多いから気をつけてね」
「しょーなの?」
「馬鹿にしてるかしら?」
「ぶつかってくる奴は危険だから、殴ればいいんだろ」
「アンタの方が危険だわ!」
何かおかしなことを言っただろうか、と思ったけどちょっとおかしいかもしれなかった。
割合的にバーサーカーが多いから思考がバーサーカーよりなのだろうか。
いや、前からこんな感じだったわ。
まるで海外に来た外国人旅行者のごとく警戒しながら狭い道を進んでいく。
進軍されないためとからしいけど、入り組んでて狭いから人とぶつかりまくる。
中世なのにウンコが道端に落ちてないのはファンタジーだからだろう。
実際の中世は窓からウンコ投げてたらしいからな。
「あっ、秘薬屋あるじゃん。こっちに行こうぜ」
「武器屋はすぐそこよ」
「魔術師としては武器より触媒が欲しい」
深いため息のあと、ピエモンさんの秘薬屋ってところで買い物をし、そして武器屋に向かうのだった。
武器屋に入ったら、まずはナイフをいくつか物色する。投げるのが一番手っ取り早いからな、護身用には丁度いい。
正直、戦闘は宝具使うので武器はいらない、護身用だけでいい。
「おや、貴族のだん――」
「これください」
「ちょ、決めるの早っ!?」
ルイズは驚くが、俺の中でチャートは出来上がっているので当然である。
「あん――」
「この喋る剣もください」
「おでぇれ――」
「そうだよ使い手だよ。このボロいのがいい」
「そんなボロボロなの……ちょっと、言う前に返答しないで!っていうか、言われると思ってるならそんなボロボロなのやめなさいよ」
「お前は金貨一〇〇枚って言う」
「お客さん。それが欲しいならエキュー金貨100枚くらいで……ハッ!?」
原作知識を使って、滅茶苦茶遊ぶのだった。