迷子の私に…… 作:やわらか戦艦
正直驚き過ぎてやばい。でもありがとうございます!
今後も気が向いたら書くと思います。
注意事項として、私は葉山以外のキャラクターは好きなので、対立はあっても叩き潰す事は無いと思います。多分……
やわらか戦艦(黒):(まあ、仮に叩き潰す事になっても救済処置は取るつもり出しな……ただし葉山てめえは駄目だ!)
後、今回は前回より少し短いです。
そんな私の鎖を解いたのは
差し伸べた手の先にいたのは
あなたでした
あなた何です
誰にも見つけられ無かった迷子の私を
見つけて
連れ出して
名前を読んでくれた
それが私の……
「平塚先生、何やってるんですか?」
私は恋人の肘関節を極めている人物をジト目で睨みつける。
「んっあぁこいつが部活に行こうとせず、そのまま帰ろうとするからな」
平塚先生は平然とそう言う、そして関節を極められてる比企谷さんは、先生の胸にある二つのそれに当たってる事もあり満更でも無さそうな顔に思わず先生のそれに殺意が湧いた。
思わずそれを鷲掴んで揉みしだきたい衝動にかられたが、この人の余りのジャイアニズムに、彼氏が出来ない理由が少し分かったような気がして、何か先生が可哀想な人に見えてしまったので見逃してやるとしよう。
まあこれが友人のお団子頭のあの子とかあざとい同級生のあの子なら、容赦はしませんでしたが。
「そう言えば君にも聞いて見ようと思っていたのだが、君に取って雪ノ下雪乃はどう映る?」
「急に何ですか? まあ孤高で救いようの無い哀れな人でしょうか?」
私は笑顔で吐き捨てるようにそう答えると、平塚先生は優しげで何処か悲しげな目で私を見る。
「そうか……私は彼女は彼女なりに苦労や悩みを抱えてると思うのだがな」
私は先生のその言葉を無視する。
実際問題、彼女がいくら苦労や悩みを抱えてようと私や比企谷さんには関係ないのだから。
そして私と比企谷さんは特別棟の部室についた。
本音を言うと私も比企谷さんと一緒でボイコットしたいのですが、恋人の比企谷さんが強制連行されている以上私も行かざるをえない訳で……くっ人質とは卑怯です。
特別棟の一角はとても静かで、何故か気温が下がっている気がした。
他にも部活は活動してるだろうにも関わらず、ここはやけに静かでした。
それが彼女によるものか立地条件かはわかりませんが。
私は扉を開ける為に手を掛けます。
正直乗り気はしないしむしろ入りたくは無いのですが、比企谷さんとは出来るだけ一緒にいたい事もあり、ひとまず深く息を吸い吐き出すとそのまま扉を開きました。
「……こんにちは雪ノ下さん出来れば会いたくはありませんでしたが」
私は扉を開けると笑顔で彼女にそう言う。
「えぇこんにちは葉山さん私はもう来ないのかと思ったわ」
そして私と彼女は火花を散らして睨み合う。
「……はぁ雛も雪ノ下もあれか? 会えば喧嘩しないと気が済まないのか?」
「八幡さんそれは心外です。私としては、嫌いな人といちいち顔合わせがしたく無いだけです」
「あら……比企谷君もいたのね。余りにも存在感が無いから気付かなかったわ」
雪ノ下さんは皮肉を八幡さんに言う、何でこの人はこうも挑発的なんでしょう……だから私は彼女が嫌いなのですが。
「あれだけ言われたら普通は来ないと思うけど……マゾヒスト?」
「ちげえよ……」
「じゃあストーカー?」
「それも違う。ねえ何でお前に好意抱いてる前提で話してるの?」
「違うの?」
流石のこの自信過剰ぶりに私は先程までの怒りも分散してしまうほどに呆れてしまう。
そしてとうの本人は小首を捻ってきょとんとしてますし、呆れてものも言えません。
「ちげえよ! その自信過剰ぶりには俺も引くぞ」
「そう、てっきり私の事が好きなのかと思ったわ」
彼女は平然とした態度でそうさらりと言う。
恋人のそばでよく言いますね……まあ確かに彼女持ちの男子も雪ノ下さんに好意を向けてた事がありますから何も言いませんが……
「まあ雪ノ下さんは昔から、女子に敵を作る位モテてましたからね……」
「えぇそうよ……私昔から可愛かったから、近づいてくる男子はたいてい好意を寄せて来たの」
「だけど小学校高学年位かしら……」
まあそこからは小学校での事をダムが決壊したかのように雪ノ下さんは吐き出しました。
だけど私は同情などしない。
「そうですね雪ノ下さん、でもそれだけじゃあ無いでしょう」
「あら? 何が言いたいのかしら」
「別に。ただ私などの女性を拒絶しといてよく言いますねと、思っただけです」
雪ノ下さんが私を冷ややかな目で睨む中、私は満面の笑顔でそう言う。
「それはあなたが私と彼の仲を取り繕うと画策したからでしょう」
「誰が画策したのでしょうか? 第一私を存在しない者として扱う家に誰が義理立てすると? 被害妄想もいい加減にして欲しいですね」
私は彼女を睨みつけながらそう言う。彼女は私に驚いたように目を見開いた。
「ーーっ! なら何故」
「言った所で当時のあなたは信じましたか?」
そう当時の彼女に言った所で、私の事情など信じる訳が無いのだ。
私の家、葉山家で私は両親に存在しない者として扱われた。
何故か? 答えは単純だ葉山家が求めてるのは雪ノ下家と繋がりを深く出来る男子であり、雪ノ下家との繋がりを薄める可能性のある女子は、望ましく無かったからだ。
だがそれでも私は葉山家の娘だ。だから人前では葉山家に汚点にならないように振る舞う事を強要された。
それは私に取って苦痛だった。
存在を否定され自由すら束縛されるのだ、苦痛以外の何になる。
そしてあの人は両親に甘やかされ、その事を未だに知らないし、言った所で信じもしないだろう。
つまり当時もそれは変わりはしない。
さらに私を見る女子はみんなあの人が目当てだったり、男子も私の外見しか見ないしまつ。
だからこそ私は学校内で複数の自分を作り出し、複数のグループの取り巻きに紛れ込む、何処にでもいて何処にもいない私を作り出した。
その事で悲鳴をあげる私の心から目を逸らしながら。
だからこそ、当時の私は雪ノ下雪乃に憧れたのだ。
そして彼女がイジメを受ける中、私は彼女の味方でいようと彼女を守る為に色々と画策した。
彼女なら葉山家の私でなく、本当の私を見てくれるかもしれないと思ったから。
『あなたは私と彼の仲を仲裁が目的なのでしょう、残念だけれども私はそんな考えで接触されるのは嫌、だから私はあなたは嫌い、私にもう関わらないで』
そして彼女が私に告げたその言葉は私に失望と落胆を与えるのに充分だった。
なんの事はない、彼女の目にも私は見えていなかったのだ。
単に私が彼女ならと勝手に勘違いして勝手に期待してしまっただけの事だ。
それ以来私は、誰も信じず無関心に何処にでもいて何処にでもいない私として振る舞い続けている。
今でこそ八幡さんにあってその在り方は多少変わりはしたが、それでも未だにあの人のグループ以外では何処にでもいて何処にもいない私として振舞っている。
まあ中学のような事にならない為に、弱みなどを握っていざと言う時に備えて地盤を固めつつではありますが……
そしてその日はお互いに何も言わず沈黙の時間が流れる中、私達は解散したのだった。
「なあ雛……」
その夜、八幡さんの家で皿を洗っている中、比企谷さんが私に話しかけて来ました。
何で八幡さんの家で皿を洗っているのかと言いますと、私が八幡さんの家で居候しているからです。
私は葉山家に愛想を尽かし出て行きました。
まあ小町さんの事例を見て、私も確かめたくなったのが理由ですが……
結果は未だにあの人は私を探す事無く、今もみんなのあの人だ。
その事について落胆と失望は隠せないが、今は比企谷さんが私を見てくれる。
それに私も八幡さんと約束したから。
「なあ雛……」
「どうしましたか?」
「俺はお前とあいつの間で何があったかは知らないし知る気もない」
比企谷さんはそう切り出すと頭をかく。その姿がますます愛しく感じられる。
「だけどなたまには俺にも頼って欲しい、お前は何時も何かしら1人で抱え込むからな」
そう言うのはずるいと思う、だが同時に嬉しくもある。
「……それは八幡さんも同じでしょう」
私はそう言いながら台所をでて比企谷さんの隣に座るとそのまま彼に寄りかかる。
「ですから私は比企谷さんも頼って下さい、どうせなら2人で共用したいですから」
「……考えとく」
「ふふっわかりました……今はその言葉で満足しといてあげましょう」
私は目を細めてそう言う、何時もの作り笑いと違い今は自然と頬が緩む。
「八幡さん……」
「雛……」
「ねぇ2人の世界に入るのはいいけど……小町がいるそばでは控えてくれない?」
八幡さんの妹である小町さんの一言で私と八幡は我に帰った。恥ずかしいです。
〜オマケ〜
進路指導アンケート
総武高校1年
あなたの信条を教えて下さい。
心から信頼出来る人以外は遠すぎず近すぎない距離感で接する事を心がける。
卒業アルバムで将来の夢は何で書きました?
適当にそれらしい事を書いてたので覚えてません。
将来のために今努力してることは?
私の1番嫌いな人の様な人間にならない事です。
先生からのコメント
その考えは社交性として社会で、それなりに役立つと思いますので、今後もはげんで下さい。
ただ余計な心配かも知れませんが将来の夢については今は考えていますか? 出来るこならしっかりと将来については考えるべきでしょう。
それと嫌いな人とは誰の事でしょうか? この内容だと誰かについてなのかわからないので、コメントがしづらいです。
最近は嫌われ者の唄を聞いています。
これもなかなか俺ガイルと会いますね。