PERSONA4 THE LOVELIVE 〜番長と歌の女神達〜   作:ぺるクマ!

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閲覧ありがとうございます。ぺるクマ!です。

テストが終わってから色んな意味で憂鬱になることばっかりだったのですが、やっと友人とFate/stay night[HF]観に行くことができました!面白かったのですが、しばらく飴玉を食べたくなくなりました……飴玉が欲しくなるとか言ってたやつマジで許さん……。

改めてお気に入り登録して下さった方・感想を書いてくれた方・誤字脱字報告をして下さった方々、本当にありがとうございます!皆さんの応援が自分の励みになっています。

皆さんが楽しめる作品になるように精進していくつもりなので、これからも応援よろしくお願いします。

それでは本編をどうぞ!


#67「What you want to do in the future.」

………………………

 

 

 

 

 

「それではこれでオーディションは終了します」

 

 

「今日は遅くまでありがとうございました」

 

 

「「「お疲れ様でした」」」

 

 

 

 

 

 

 オーディションが終わった。

 

 

 

 やり切ったと思ってふと外を見ていると既に暗くなっていた。

 

 

「きゃっ!」

 

 

 早く帰ろうと思って速足で出ようとしたが、思わず誰かにぶつかって躓いてしまった。勢いよく転んでだせいか鞄の中身が暗い廊下の一面に散乱してしまう。

 

 

 

 またやってしまった。

 

 

 

 両親からもよく言われるが、こういう鈍臭いところは自分でも嫌になってしまう。そんな自分だから友達がいないのかもしれない。慌てて散らばった荷物を回収しようとするが、ふと廊下の奥のほうを見ると荷物を拾う手を止めてしまった。

 

 

 

 

 

「ほわあ……」

 

 

 

 

 

 憧れのあの人が近くの部屋に入っていくのが目に入ったのだ。

 

 

 孤独から自分を救ってくれた人。

 この世界に興味を持たせてくれた人。

 あの人のようにキラキラ輝きたいと思った人。

 あの人のようになりたくて、いつもお守りのようにあの人のCDを持ち歩いていた。

 

 

 これは絶好のチャンスだと急いで散らばった荷物をまとめる。そして、図々しいお願いだと思うがこのお守りのCDにサインを書いてもらおうと胸に期待を込めて、あの人が入ったであろう部屋に足を一歩踏み入れた。

 

 

 

「失礼しまーす……」

 

 

 

 暗い場所だった。

 

 

 

 電気もついていなく人の気配もしなかった。おかしい、確かにあの人はここに入ったはずなのに。この部屋のどこかで何かしているのかとあきらめきれなった自分はもう少し辺りを見渡して探してみた。その時、

 

 

 

 

ガタッ!

 

 

 

 

 すると、何処かから音がした。何かが倒れたような音だった。気になってその音がした方に視線を向ける。そこにあったのは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………夢か……」

 

 

 悠が目が覚めて視界に入ったのは案の定自室の天井だった。起き上がってさっき見た夢を思い出す。

 何と言うか妙にリアルな夢だった。それに一番気になるところで終わってしまったが、一体全体あれは何だったのだろうか。前にも己の未来や過去などを夢として見たことがあるが、あんな自分のものではなく誰のものか分からないものは初めてだ。

 

「一体…何だったんだ?」

 

 もしやまた自分の中にある"女神の加護"が見せているのだろうか。それともあのベルベットルームの奇怪な老人か。もしくは……

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

 思わず思考の海に入ろうとした時、そんな声と共に突如自室の扉が勢いよく開かれた。見ると、練習着に着替えていることりが焦った表情でこちらを見ていた。

 

「ことり……入るときはちゃんとノックを」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないよ!早く行かないと海未ちゃんに怒られちゃうよ!練習倍にされちゃうよ!」

 

「あっ……」

 

 ことりの言葉に時計の方をチラッと見ると時刻は既に6時を回ろうとしていた。それに悠はやばいと感じながら瞬時にランニングウェアに着替えると、ことりを連れて家を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――絆フェス出演が決まってから一週間。特捜隊&μ‘sの朝は早い

 

 

「はっ……はっ………ぜえ…」

 

「結構キツイ……」

 

「うへぇ……やっぱ朝からこれはキツイぜ………」

 

「ほらほら、しっかりしなさい。まだ2㎞しか走ってないわよ」

 

 久慈川りせのバックダンサーとして絆フェスに出演することになった悠たちの朝はランニングから始まる。練習の前にまずは体力作りからだと、海未の発案で朝早くから辰姫神社に集まってラニングをしていた。

 

「体力向上は基本中の基本ですからね。昼間はダンスの練習や勉強などたくさんありますから、時間が惜しいんです。ランニングは10㎞は走らないと」

 

 この発案時での海未のその言葉を聞いた時は皆言葉を失った。流石に毎朝10㎞は普段運動していない人にはしんどいし、その後の練習に支障が出るかもしれないので今は半分の5㎞程度にしてもらっている。海未は不満たらたらな様子だったがここは倒れる者が出さないようにするためにも我慢してもらうしかなかった。

 

「ま…待ってください………少し休憩を……」

 

「み、みんな早いよ~………」

 

「へ、ヘル……プ………」

 

 だが、運動能力という者は個人差がある。このランニングは体力に自信のある千枝や完二、悠などは難なくついてきているが他のメンバーは走り終えたころには息切れして倒れこむ者もいる。その上、雪子や花陽、直斗など運動が苦手な者に至っては走っている最中に既にグロッキーになっており、筋肉痛が激しくなる数日後辺りには散歩中のおばあちゃんに追い抜かされたりしていたので、皆を唖然とさせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな地獄のランニングを終えて各々の家や旅館で朝食を食べた後はいつもの河川敷でダンスの練習だ。

 

 

1(ワン)2(ツー)3(スリー)4(フォー)2(ツー)2(ツー)3(スリー)4(フォー)!」

 

 

 練習はμ‘sが東京でもやってたときと同じくステップやストレッチなど基礎錬を最初に行う。特捜隊メンバーのほとんどはダンス初体験者なのでついていくのに精一杯。穂乃果たちはいつものようにこなしているので問題ないと思われたが、そんなことはなかった。

 

「ほら直斗くん、遅れてるよ!もっとテンポ上げて!」

 

「雪子ちゃん、そこのフリ間違ってるわよ!周りをもっと見て!」

 

「にこセンパイ!そこ違う!」

 

「穂乃果!ぼおっとしない!」

 

 それもそのはず。ダンスの練習に厳しい絵里とプロ意識を持って指導するりせがタッグを組んでいるのだから練習もそれなりに厳しいものとなっている。だが、それに食らいつこうと悠たちはめげずに必死に食らいついていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、じゃあここで休憩を入れましょう」

 

「ハァ…ハァ……助かった……」

 

 頃合いを見て絵里が休憩を入れてくれた。りせにしごかれて体力切れ寸前だった直斗たちは思わず安堵の息を吐いた。最も疲れていたのは意外にも直斗だった。

 

「それにしても直斗くんがこんなにへばるなんて意外だよね。悠センパイみたいに何でもそつなくこなせそうなイメージあったんだけど」

 

「ま、まあ……社交ダンスをやっていたので自信はあったんですが、これほど難しいものとは思ってもみませんでした……頭では理解しているつもりなのに………身体が中々動いてくれなくて」

 

「私も……もうくったくた………ダンスって日舞と違って…難しいね………」

 

 息を整えながら申し訳なさそうに落ち込む直斗と雪子。どうやら思っていた以上に上手くできないことに戸惑っていると言った様子だ。日本舞踊を嗜んだことがあるという雪子も同じくジャンルが違うものに手間取っている。

 

「う~ん……雪子ちゃんはともかく直斗くんは社交ダンスって全く違うジャンルの基礎があるから、逆にそのクセが抜け出せなくて手間取ってる感じね。その反面、千枝ちゃんや完二くんとか陽介くんはよくできてたわよね」

 

「千枝ちゃんと完二くんは運動神経ええし、陽介くんっていつも音楽を聴いてるイメージあるからこういうの得意そうって思ってたんやけど、案の定やったね」

 

「あはは、何か考えるより体動かしたら自然とそうなっててさ。考えるな、感じるんだ!ってね」

 

「俺も里中先輩と大体同じっすね。頭で考えるより身体で覚えた方が性に合ってるんで」

 

「まあ、俺は素人が真似してみたってくらいはあったくらいだけどな」

 

 手間取ってる直斗たちとは対照的に陽介たちは持ち前の運動神経と身軽さを生かした動きで難なく練習をこなしていた。千枝や完二はともかく陽介は普段ガッカリなところが目立ちすぎて見えていなかったが、こういう類のものは器用にこなせるの男なのだ。そして、希から褒められて嬉しかったのか、この男の悪い癖が出る。

 

「それでどうよ?俺の超絶テクは。惚れちゃったりしちゃった?」

 

「ああ、それは全然」

 

「悠くんに比べたら全く」

 

「お兄ちゃんの方がカッコイイ」

 

「がふっ!………いや、分かってたけど、お前ら本当に容赦ねえな!俺だって傷つくんだぞ……てか、俺と悠を比べんじゃねえよ!」

 

 こんなところさえなければモテることだろうに。まあそれが口を開けばガッカリ王子、もとい花村陽介という男なのだろう。当分彼に春は来そうにない。そんないつも通りの特捜隊の光景に苦笑いしながらもりせがアドバイスとしてこんなことを言った。

 

「直斗くんも雪子センパイもやっぱり頭で考えちゃうから身体がついてこないんだよ。ある程度までは技術も必要だし、振りを入れるのも大事だけど。そこから先は、音に気持ちを乗せて感じるままに動いちゃえばいいんだよ」

 

「そ、そういうものですか……?でしたら、穂乃果さんたちはステージで踊ってる時はどんな事を考えるんですか?」

 

 りせの言っていることがあまり理解できなかったのか、直斗は穂乃果たちにそう質問した。

 

「う~ん、今までそんなこと考えたことないなあ。ただ歌ったり踊ったりするのが楽しいなぁって感じで」

 

「私は…まあ普通よ。でも、穂乃果みたいに不意に楽しいなって思ったりしたときはあるけど」

 

「私もそんな感じですかね。今でもステージに立つと緊張してしまいますが、踊ってしまったら逆に楽しくなると言いますか……」

 

 今コメントした穂乃果と真姫、海未のみならず、他のμ‘sメンバーも似たような答えだった。そんな穂乃果たちの答えが自身の求めていたものと合致したのか、りせは嬉しそうに指をパチンと鳴らした。

 

「そうそう!穂乃果ちゃんたちの言う通り!これは2人だけじゃなくてみんなに言えることだけど、ダンスってただリズムを刻むとかじゃなくて、自分の気持ちや感じることを表現して、見てる人たちに伝える為のものだもん。“楽しいよ”って言いたいなら、まずは踊ってる私たちが一番楽しまなきゃ!」

 

 りせのアドバイスに悠はなるほどと思った。実際悠もオープンキャンパスで一回人前で踊ったことはあるが、やはりダンスというものは"表現"ということを身を持って知った。振り付けを間違いなく踊るということも確かに必要だが、それ以上にそういうこともステージで人を感動させるのに大事なことなのだ。

 

「なるほど。古来、ダンスとは"信仰"や"自己表現"において言葉を使わずにそれを表現し、伝達する為の手段として発達した文化ですし。上手い下手の問題でなく、僕が学ぶべきなのは恐れずに自分を表現することかもしれませんね」

 

「う~ん…言ってることは間違ってないけど、やっぱり難しく考えすぎてるわね。これは先が長そうだわ……」

 

「さっき千枝センパイが言ってたみたい"考えるな、感じるんだ"って思えればいいんだけどなぁ……」

 

 相変わらず理屈で考える直斗に戸惑いを見せながらも何とかしようと思う絵里。そんな休憩時間の後も厳しい練習は続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「丼、おいといて~」

 

「ありがとうな。あいか」

 

「毎度あり~。練習、がんばって」

 

 お昼の時間になって、愛屋に注文した人数分の肉丼が届いた。あいかから各々肉丼を受け取って見送った後、それを食す。絆フェスの出演が決まって以降、練習漬けだった日々だったせいか、唯一の楽しみがご飯の時だけになっていた。

 

「はう~肉丼美味しい~~~!ここの肉丼は何度食べても最高だよ~~!」

 

「でしょ!やっぱ愛屋の肉丼は最強っしょ!あたし3食肉丼でも生きていける気がする!もちろん特盛で!」

 

「千枝さん、それは……」

 

「流石、里中先輩は女を捨てた肉食………」

 

「何か言いましたか?巽完二くん?」

 

「な、何も言ってないっすよ!!」

 

 と、いつもの肉発言をする千枝にシバかれる完二の一幕もあったりする。そして別の方を見てみると、

 

「みんなお疲れさんやねえ」

 

「うん……練習はきついけど、本番で恥ずかしくないパフォーマンスをしたいから」

 

「頑張ってね。当日は私も桐条さんたちと観に行くから」

 

「そ、それだと余計プレッシャーが……」

 

 練習の手伝いに来てくれたラビリスと風花が雪子たちと談笑しているところだった。

 最初は2人も一緒に出演してみないかと誘ったが速攻で断られた。風花はあまりテレビに出たくないというのもあるが、ラビリスはご存知の通り対シャドウ兵器という桐条の機密事項なのでそれがテレビに映るのは如何なものかとのこと。一応責任者である美鶴にも連絡してみたのだが、有無を言わさずに却下された。その際に"君がシャドウワーカーに入って責任を取ってくれるのなら考えないこともない"と言われたのだが、それこそこっちから丁重にお断りした。

 天気予報の中継に行っているマリーも悠たちがテレビに出ると聞いて"仲間外れにされた"と言って拗ねていたが、マリーはとある事情でこの町から出られない訳だし、その上お天気お姉さんとしての仕事もあるから無理だろう。

 

「そう言えば、ウチもみんなが出る絆フェスっていうものをそれなりに調べたんやけど、このかなみんキッチンっていう人らがりせちゃんたちのライバルなんよね?」

 

 すると、ラビリスは携帯を取り出して、動画投稿サイト"メガチューブ"にアップされているかなみんキッチンの動画を指さしながら皆にそう聞いてきた。

 

「い、いや…ライバルというか……正直どうなんだろう……ぶっちゃけ私が復帰したとしても、今のかなみたちの人気に勝てない気がするんだよね」

 

 携帯の画面を見てそう呟くりせに悠は少し驚いた。いつもポジティブなりせがこんな風にネガティブなことをいうのは珍しい。ちなみに、このポジティブとネガティブという言葉は映画のフェルムのポジとネガから来ているらしい。

 

「ああ、確かにこの人たちって最近テレビでよく見るね。ネットでも"食肉系アイドルユニット"って売り文句で話題みたい」

 

 最近穂乃果たちを応援している影響か、ネットで他のアイドルについてもリサーチしている風花がそう言うと話を聞いていた直斗は首を傾げた。

 

「食肉系……?もしかして、食べられる側なんですか?」

 

「まあ今はアイドルなんていっぱいいるからね。その位個性的じゃないとやっていけないよ。スクールアイドルでもね」

 

「りせちゃんが言うと冗談に聞こえないわね。私たちも今後スクールアイドルをやっていくなら、インパクトのあるキャッチコピーを考えた方がいいかしら?」

 

「まあいうて俺たちもキャッチコピーあるよな。P-1Grand Prixのやつが」

 

「陽介、それはやめておけ」

 

 陽介の失言に皆は一斉に陽介を睨みつける。それは触れてはいけないパンドラの箱だ。あのP-1Grand Prixのキャッチコピーなど使ったらそれこそ問題である。

 想像してみよう。【鋼のシスコン番長】・【女を捨てた肉食獣】・【純情ラブアローシューター】・【シャイな巨乳お米っ娘】など聞く人が聞けばドン引きするようなキャッチコピーを大真面目に言っているアイドルなど見たらどうなるかなどに決まっている。

 

「まあかなみたちの場合はそれだけじゃなくて、"無茶な要求をする悪徳プロデューサーVSそれでも頑張る若手アイドル"っていう構図のお陰で今の人気を掴んでるんだけどね」

 

「あ、悪徳プロデューサーって……そんな人本当にいるん?」

 

 "悪徳プロデューサー"と聞いてラビリスは思わず強張ってそう聞き返してしまった。だが、りせは慌ててそれを否定する。

 

「ううん、それも"売る"ための戦略なの。まあ……あの人の場合、それが戦略だけかどうかも怪しい感じだけどね……」

 

「ああ、落水さんだろ?あの人テレビでも平気でタレント泣かすとこあるから、そう思っちまうよなぁ」

 

「実際ファンの間では"鬼"とか"悪魔"とか"金の亡者"とか言われてますし……りせさんも休業前は……」

 

 かなみんキッチンのファンである陽介と花陽は知っているのか、りせの言葉にそう返した。どうやらアイドル界、もとい芸能界にも色々あるらしい。それがちょっと垣間見た気がして若干引いてしまったが、そこにはその現場にいる人達のたゆまぬ努力があるのだろう。まあ、流石に今の落水という人の話は全て作り話であると信じたいが。

 

「まあ他のアイドルたちよりも今は自分たちのことを考えましょう。これから個人練習になるけど、みんな課題の方は大丈夫なの?」

 

 ここでいう課題とは先日絵里とりせが悠たち各々に出した練習曲のことだ。

 せっかくダンスを教えるのだから、本番踊る振りだけでなく各々に合ったダンスを教えてみるのもいいかもしれないというりせからの発案で、りせと絵里で各々に合うと思った曲を課題として出しているのだ。ちなみに悠はオープンキャンパスで即興で踊った【Dance!】やりせが絶対悠に合うとチョイスしてくれた【Time To Make History】などをもらっている。

 

「それなりに」

 

「ボチボチかな?」

 

「ぼ、僕はまだ本番で踊る振り付けを覚えるのに精一杯なので……まだ手を付けてません……」

 

 このように進捗状況は個人差がある。余裕がある者は課題曲も踊れているようだが、そうでない者は本番の振り付けで手一杯と言った様子だ。

 

「じゃあ、直斗くんはもうちょっと基礎がなってからね。他の皆は……」

 

 皆の近況を聞いた絵里とりせは瞬時に各々のやることを的確に伝えて練習を再開させる。この2人の手腕を見て改めて頼りになるなと悠は思った。絵里がいなかったらどう練習したらいいのかと分からない。今度何か感謝の気持ちを伝える上何かしようかと悠は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<堂島家>

 

 練習が終わってからは家に帰って夕飯。その後は自室に籠って今日の練習の復習と予習、そして受験勉強をする。正直あの練習の後に勉強するのは少しキツイところはあるが、それでもやるしかない。もし成績を落としてしまったら、雛乃に絆フェスの出演を止められるかもしれないからだ。

 そう思ったのだが、

 

 

「お兄ちゃん…今日もお勉強?」

 

 

 自室に上がろうとした時、服の裾を掴んだ菜々子にそう止められてしまった。どうやら絆フェスの出演が決まってから、あまり構ってくれないことに不満を抱いているらしい。

 

「ああ。俺も受験だから」

 

「そうなんだ………」

 

「菜々子ちゃん、今日もことりお姉ちゃんと遊ぼう。今日はトランプでもしようか?それともお裁縫の勉強する?」

 

「……………………」

 

 落ち込む菜々子にことりが一緒に遊ぼうとフォローしてくれたが、菜々子は寂しそうな表情のままその場を動こうとはしなかった。こうやって悠が勉強に勤しむ時は菜々子の相手はことりがしてくれていて、菜々子もことりと一緒に遊んでいる時は楽しそうなのだが、やっぱり一番遊びたいのは大好きな悠なのだ。

 そんな菜々子の様子を察した悠は流石にバツが悪くなり、どうしたもんかと頭を悩ませる。すると、あることを思いついた悠は菜々子に目線を合わせてこう言った。

 

「菜々子、これから庭でダンスの練習するところだったから一緒にやろうか?」

 

「えっ?………いいの?」

 

「ああ、もちろんだ」

 

「やったー!菜々子、お兄ちゃんとダンスのれんしゅうやるー!ことりお姉ちゃんも一緒にしよー!」

 

 悠からそんな提案を受けて菜々子は先ほどの表情とは打って変わって笑顔になった。ことりも悠と菜々子と一緒に練習するのはこの上ないことなのでもちろんやる。だが、

 

「……お兄ちゃん、よかったの?受験勉強が」

 

「最近菜々子に構ってやれなかったしこれくらいは。それに、今日の練習の復習にもなるし菜々子にもダンス教えられるから一石二鳥だろ?」

 

「…やっぱりお兄ちゃんも菜々子ちゃん大好きなんだね」

 

「ことりもな」

 

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!早くおにわでダンスしよう!」

 

 こうして悠はその日、菜々子とことりと一緒にダンスの練習をした。りせと絵里からの課題曲を踊ったり、海未からのステップを教えたりして、菜々子はもちろん悠とことりもとても楽しい時間を過ごした。そんな3人の様子を雛乃は温かい目でほっこりと見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこともあってしばらくしてから数時間後。

 菜々子とことりとの楽しい時間の余韻を噛みしめながら自室で勉強に集中して、ふと時間を見てみると時計はすでに夜11時を回ろうとしていた。夕飯を食べてからずっと集中していたらしい。ちょうどいい頃合いかと思った悠は水を飲みに行こうと部屋を出てリビングに向かった。

 

 

「悠くん、まだ起きてたの?」

 

「叔母さん」

 

 

 リビングに降りてみると、テーブルにパソコンを広げていた雛乃がいた。どうやら雛乃もまだ学校仕事が終わっていなかったのか、起きていたらしい。菜々子とことりはもう寝たのかリビングにはいなかった。堂島はまだ署での仕事をしているらしい。

 

「ちょっと勉強が進まなくて……もう少ししたら寝ますから」

 

 雛乃の仕事の邪魔しないようにと悠はコップに水を注いで立ち去ろうとする。すると、

 

「悠くん、ちょっと付き合ってくれないかしら?」

 

「えっ?」

 

「少しの息抜きはいいでしょ?最近部屋に籠ってばっかりだし、偶にはこんなおばさんとのおしゃべりに付き合ってくれないかしら?」

 

 優しく差し伸べるように雛乃からそう誘われた。そう言われては仕方ないし、最近雛乃とコミュニケーションを取れていなかったこともあって、悠は雛乃の言う通りに悠は雛乃との雑談に付き合うことにした。自分の誘いに乗ってテーブルに座ってくれた悠に雛乃は微笑んで戸棚からインスタントコーヒーを取り出して悠のコップに淹れてくれた。

 

「コーヒー…ですか?」

 

「まあね、おしゃべりする時に良いかと思って。これも堂島さんの影響かしら。私はさっき飲んだからこの水にするけどね」

 

 冷蔵庫から取り出した水の入った瓶を片手に雛乃はそうコメントする。どうやら最近雛乃がコーヒーを好き好んで飲むようになったのは堂島の影響らしい。そんな雛乃のコーヒーを嗜みながら、悠は雛乃と他愛ない話をした。今日の練習であったこと。勉強の進捗状況などといったことだ。すると、雛乃がこんな話を振ってきた。

 

「悠くんは将来どうしたいか決めてるの?」

 

「えっ………?」

 

「何かやりたいこととかないのかしら?」

 

「そ…それは………」

 

 雛乃から将来の話を振られて、悠は痛いところを突かれたようにしどろもどろになってしまった。P-1Grand Prixやラブライブ、音ノ木坂の神隠し事件や絆フェスなどいったと目先の出来事に夢中になりすぎて、悠は将来どうしたいかをまだ決めていなかった。

 雪子や完二、真姫のように店や病院を継ぐといったこともないし、ことりや千枝のようにデザイナーや警察官などになりたいといった目標がある訳でもない。正直言って自分がどのような道を歩んで行けばいいのかがまだ分からない状況にあった。

 

「やっぱり決まってないのね」

 

「……はい」

 

 そんな悠の焦りを察したのかバッサリと斬る雛乃。図星を突かれたように落ち込む悠を見て雛乃は思わず溜息を吐いてしまった。

 

「兄さんと同じね……どうしてここまで似てるんだか」

 

「えっ?父さんも?」

 

「そうよ。兄さんも悠くんと一緒。目先のこと……ほとんど他人のことばっかり考えてたから自分の将来のことなんて何も考えてなかったのよ」

 

「はあ……」

 

 父の意外な過去を聞いて悠は思わず呆けてしまった。あまり両親からそんな過去の話を聞かされたことはなかったので知らなかったが、あの父親も自分と同じだったとは思わなかった。

 

「それに、天然ジゴロなところも一緒よね。よく音子さんとか大河さんと一緒にいたし……まさかきーちゃんたちにまでフラグを立てるとは思わなかったわ……

 

 突然妙なことを呟いた雛乃に悠は思わず麦茶を零しそうになった。見ると、雛乃はまるで仇を思い出したかのように憎々し気な表情でコップを握り締めていた。一体父たちの学生時代に何があったのだろう。一度聞いてみたいと思ってはいたが、何故か触れてはいけない気がする。

 

「まあ……私も人のこと言えた立場じゃないけど…………」

 

「えっ?」

 

「何でもないわ………悠くん、今は後悔のないように進みなさい。例え貴方がきーちゃんの和菓子屋や西木野さんの病院に就職するのを選んでも私は止めはしないわ。私は悠くんの親じゃないし、悠くんの人生は悠くんのものだもの…………(バタンッ)」

 

「叔母さん!?」

 

 そう言って雛乃はグラスに入った水を上品に飲み干したかと思うと、何か疲れが出たのかそのまま流れるようにテーブルに寄りかかって寝てしまった。あまりに突然だったのでびっくりしてしまったが、どうやら本当に疲れが出て寝てしまったらしい。何事もなく良かったと安堵していると、寝言なのか雛乃がボソッとこう呟いた。

 

本当は…悠くんには学校の先生になって、一緒に仕事してほしかったりするんだけどね……………

 

 雛乃の静かな呟きを聞いた悠はどこか心に引っかかるものを感じた。

 

「……俺が先生か…」

 

 今まで出会った人たちの悩みを聞いたり家庭教師のアルバイトをしたりした時からこの道もありかもしれないと思ったことはあった。陽介からお前は教師に向いてるんじゃないかと言われたこともあれば、最近だと雪穂や亜里沙からも自分が先生だったらいいのにと言われたこともあった。それに、仮に教師になって雛乃と一緒に仕事できたらどんなに楽しいことだろう。

 そう思うと何か自分の中で新たな道が開けた気がした。

 

「ありがとうございます。叔母さん……」

 

 そう雛乃にお礼を言って雛乃を寝床に運ぼうとする。ここで寝かすのも忍びないし、ちゃんと姿勢で寝かせないといけないだろう。そう思って雛乃を運ぼうと肩に手を掛けたその時、

 

 

 

ーガシッ!ー

 

 

 

 突如何かに腕を掴まれた。何だろうと見て盛ると、寝ていたはずの雛乃が顔を赤くして自分の手を掴んでいた。そして何故か顔が赤い上に目がトロンとなっている。その急変した雛乃の様子に悠はどこか冷や汗が出た。

 

「あの……叔母さん?」

 

「……………ゆうくん、おかわり」

 

「えっ?」

 

「あれお~か~わ~り~!」

 

 突然先ほどの大人な雰囲気が嘘のように駄々っ子のように喚き始めた雛乃。まさかと思うが、見る限り雛乃は酔っている。そして、雛乃が指さしたものを見てみると、それは先ほど雛乃が冷蔵庫から取り出した瓶だった。よくよく見てみると、その瓶のラベルには"芋男爵"と書いてあった。

 

「あれって……まさか水じゃなくて……」

 

「お~か~わ~り~!」

 

 すると、再び駄々をこねる雛乃を見ると何故か服がはだけていた。そのせいで下着がもろ見えである。どこかデジャブを感じたが、このまま言うことを聞かなかったら全部脱ぎかねないので、悠は仕方なく雛乃のグラスにそれを注いだ。そして、雛乃はそれをゆっくりと飲み干して

 

「おかわり、みずわりで」

 

「えっ!?いや、叔母さんこれ以上」

 

「おーかーわーり~~~~!!」

 

 飲み干した途端、すかさずおかわりを要求。そしてコップに注文された通りのものを入れるが、またも雛乃はそれをゆっくりと飲み干した後におかわりを要求した。

 この状況に今まで経験故か悠の脳内に警報が鳴り響く。このままではまずい。雛乃が酒を飲んでいる間にすぐにこの場を立ち去ろうと試みるが、

 

 

 

ーガシッ!ー

「ゆ~うくん、おかわり!」

 

 

 

 逃がしてはくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでゆうくんは兄さんとおなじでモテるのよ~~!ほのかちゃんやにしきのさんの娘さんとかはともかく、このあいだまでけんかしてたあやせさんまで~……そのうえ、きーちゃんとかさーちゃんとかにむこにこいとか目を付けられて~~~」

 

「いや、菊花さんも早紀さんも別にそう言う意味で言ってる訳じゃ……」

 

「しかもあいどるのりせちゃんまでべたぼれってど~いうことなのよ~」

 

 あれから雛乃はどんどん芋男爵を飲んでいき、完全な酔っぱらいになってしまった。肩を組んで絡んでくる辺り雛乃は絡み上戸なのだろう。しかもスキンシップも激しいので身体に感じる柔らかい感じが悩ましい。我が叔母ながら恐ろしいのだが何故だろう、この酔い方はどこかで見たことがある気がするのだが、気のせいだろうか?

 何はともあれ、これで雛乃に酒を飲ませたらまずいことは把握できた。となると、やることは一つ。

 

「ほら、そろそろ寝ますよ。もう遅いしこれ以上騒いだらことり達が起きますから」

 

「ええ~~?ねたくない~~!ねたらゆうくんがどこかにいっちゃう~~~!」

 

「俺はどこにも行きませんよ……それとちゃんと服着て」

 

 しかし、この酔っぱらいをどこに寝かせたらいいものか。いつもはことりと菜々子と3人で寝ているらしいが、この状態では2人を起こしてしまう。仕方がないので、自分の部屋の布団にでも寝かせて自分はリビングのソファで寝よう。そう考えた悠は酔っぱらいを自室にまで連れて行くことにした。

 

「じゃあ……ぎゅっとして」

 

「はっ?」

 

「それと~……おやすみのチュー」

 

「やらないから!!」

 

 変な世迷言を言いだした雛乃にツッコミを入れながら悠は何とか寝かせようと寝床に連行すようとするがこの出来上がった酔っぱらいは動こうとはしない。

 

「やだ~~!ゆうくんがぎゅっとしてくれるまでここにいる~~~!」

 

「だから……うわっ!」

 

 どうにかしようともみ合っている間に悠はバランスを崩して床に倒れてしまった。すると、必然として悠の腕を掴んだままの雛乃も倒れる訳で、そのまま悠に覆いかぶさるような体勢で床に手を突いた。

 

「「………………」」

 

 目の前に雛乃の顔がある。逆床ドンのような形になった故か、瞳が潤んでいることや顔が更に紅潮しているのがハッキリ分かる。心なしかそんな雛乃の様子を見てドキドキしてしまう。

 何だろう……今までの色んな災難に遭ってきた悠の直感がこの状況は色んな意味でマズイ気がする。試しに雛乃の様子を見てみると、その直感が正しいことを示すかのように雛乃は硬直していながらもゆっくりと顔を近づけていった。その時、

 

 

 

「お兄ちゃん、どうしたの?大きな音がしたけど………」

 

 

 

「「あっ」」

 

 

「…………………」

 

 

 大きな音がして何かあったと思ったのかことりが起きてしまったらしい。そして、ことりの目に映っているのは酔った様子の着崩れた雛乃と押し倒されて硬直している悠の姿。マズイと思って弁解しようとする悠だったがもう遅かった。

 

 

 

 

 

 すでにことりの目からはハイライトが消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま、帰ったぞ」

 

 日付が変わった深夜、遅くまで仕事をしていた堂島が帰ってきた。みんなが寝静まっていると思ったのか、音を立てないように歩いてリビングへと向かう。だが、そこで堂島が目にした光景は………

 

 

「お兄ちゃん、お母さん、ちゃんと反省しているのかな?ねえ

 

「「はい………」」

 

 

 黒いオーラを発しながら腕を組んで怒りを見せていることりと、正座させられて沈んだ表情でいる悠と雛乃だった。

 

「……何してんだお前ら?」

 

「あっ!叔父さん聞いてください!お母さんとお兄ちゃんが……(かくかくしかじか)」

 

「なんだと……?」

 

 その後、悠と雛乃はハイライトの消えたままのことりと怒り顔になった堂島に夜が明けるまで説教された。

 

 

 

 

 

 

 そして翌朝、

 

 

 

 

 

 

「……………(チーン)」

 

「せ、センセイ?大丈夫クマ?」

 

「う、海未ちゃん…流石にやりすぎだよ……」

 

「すみません……あのことりの圧に耐えられなかったもので」

 

「いいんだよ海未ちゃん。最近のお兄ちゃんにはこれくらいのお仕置きは必要だしね」

 

 

 事情を知った海未から練習3倍の刑に処されて、悠はとことんしごかれて疲れ果てたのであった。ハイライトの消えたことりからの圧に逆らえなかったとはいえ、それはもう他人の目から見てもやり過ぎなのではないかと同情してしまうくらいに。

 

「ハァ…ここでペルソナが使えたらすぐに悠さんを治療してあげられるのに」

 

「無理に決まってるでしょ。ここはテレビの世界じゃないんだから」

 

 流石に目も当てられなくなった花陽がボソッと呟いた言葉に真姫は平然とそう返した。

 確かにここがテレビの世界ならすぐにペルソナを召喚して治癒魔法を悠にかけてあげられただろうが、残念ながらここは現実だ。そんな花陽の呟きを耳にしたりせはふと何か思い出したかのように顎に手を当てた。

 

「ペルソナ………あっ、そう言えば前にダンスの先生が言ってたなぁ。"ダンスっていうのは伝えたい心を力に変えて、場の空気を作ってお客さんのわし掴むもの"って。そう考えたらさ、それって私たちが手に入れたペルソナみたいな感じがしない?」

 

 りせのその言葉に皆はハッとなった。言われてみれば自分たちがテレビの世界で使役しているペルソナはもう一人の自分と向き合ったことで手に入れた心の力だ。そのダンスの先生の言う通りなら、確かに似ているかもしれない。

 

「なるほど、そう考えてみると面白いかもしれませんね。今回のケースに当てはめてみると今までの"向き合う心"とは違う、誰かに気持ちを"伝える心"を身につけなければいけないってところですかね」

 

「直斗くんが言うとそれっぽいわね。伝える心かあ……」

 

 直斗の探偵らしい解説に絵里は何か考えるように黙り込んだ。今後の練習に何か生かせないのかと考えているかもしれない。すると、その話を聞いていたクマが何か良いことを思いついたかのような明るい表情でこんなことを言った。

 

「そうだ!クマたちペルソナ出して、一緒にダンスしたら楽しそうじゃない?」

 

「あのな…絆フェスはこっちの世界でやるんだぞ。風花さんや桐条さんとかはともかく、俺らはここじゃペルソナだせねえっつの」

 

 クマの唐突な提案に陽介は即座に一蹴した。

 自分たちとはルーツが違う美鶴や風花たちは現実でも召喚器というものを使えば現実でもペルソナが出せるらしいが、自分たちはあのテレビの世界でしか出せない。先ほども言ったように、残念ながらクマの願望は現実的に難しい。

 

「まあクマくんの言ってた通り楽しそうではあるけど現実ではペルソナは出せませんし、それに絆フェスでそんな()()()()()使()()()()()()()()()()()()なんて起こる訳ありませんよ」

 

「だよな。それこそ、こっちの世界にあの霧が出てくるようなもんだろ?」

 

「あはは、まっさか~~」

 

 倒れている悠をよそに冗談めかしにありえないことを言って笑いあう一同。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、この時は誰も想像しなかった。その()()()()()()があの時に起ころうことになろうとは………

 

 

 

 

 

 

 

ーto be continuded




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「王様ゲーム!!」






「「「「Yeahhhhhhhhhhhhhhhhh!!」」」」



「王様の言うことは絶対よ!!」

「おかわり、ストレートで」

「お前ばっかりずりいぞ!!」



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