暗殺者のお兄さん   作:飛翔するシカバネ

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お久しぶりです

あの後私は直ぐに飛行船へと飛び乗り、ある場所へと向かっています。

 

懐かしの天空闘技場です。

 

私、フロアマスターなのですがこの度挑戦されまして、しかも2回。

 

連続はキツいし、フェアではないので期間を開けますが、その為にまずは一戦戦うのですよ。

 

 

私の念能力も新規一転しましたし、ここで見せていきたいものです。

 

まあ、3つほど残ってますが。

一転って訳では無いです。

 

 

『さあ!始まります。フロアマスターの座をかけた戦い!!ミルキ選手VSラバル選手です!』

 

『ミルキ選手は子供のときに天空闘技場にやって来てから無敗の選手。そのうちに挑戦者がいなくなってしまった幻の男!!!』

 

『変わってラバル選手は見事連続で10勝を果たし、その時の戦勝は同じくミルキ選手に挑戦したイトモ選手との引き分けのみ!ラバル選手は今回の戦いでミルキ選手を倒し、イトモ選手の挑戦を受けると既に勝ったあとの話をしています。その自信はどこからくるのか!!たんなる油断かそれとも実力か!?見どころの勝負です!』

 

 

「好き勝手いってくれるな」

 

ラバルさんがこちらに話してきます。

まあ、そう思いますよ。

 

「弱いやつに勝ってフロアマスターになった奴なんか俺の敵じゃねぇ。俺は強いアンタに勝ち、アイツの挑戦を受けにゃならん」

 

「美しい友情ですね。正に友と書いてライバルと読むような…」

 

 

「それでは試合開始!!!!!」

 

やれやれ、少しは談笑の時間もくださいな。

観客もラバル選手VSイトモ選手が見たいのは分かりますが。

 

それ故に残念です。

 

私を敵に回したことが。

 

 

知られざる英雄(ミスターアンノウン)

 

私の念能力の発動とともに会場がざわつく。

 

『…!?どういうことでしょう!!試合開始から数秒の間にミルキ選手の姿が消えてしまいました!彼は超スピードで動いているのでしょうか!?それとも透明になり、暗殺の機会を伺っているのでしょうか!?』

 

「何言ってやがる?アイツは1歩も動いてねーし、透明にもなってねぇ。ちゃんと俺の前にいる!」

 

「ほう、見えますか。貴方はキチンと実力を持っているようだ」

 

この念能力は自身を認識させなくするというものです。

強すぎて認識できなくなるというやつです。

 

直に試合が終われば私を覚えている人もいなくなるでしょう。

 

一定の強さがあれば見えますが。

有象無象に私の戦いは見られたくないのでね。

 

 

「一応は合格判定か。次はこっちから行くぜ!」

 

ボクシングのような構えをしたままこちらに向かってきます。

 

彼はバリバリの強化系の様ですし、これは一撃貰えば終わりですかね。

 

とりあえず避けます。

 

左に避けようとしたのですが危ない気が後ろに避けます。

 

「貴方の能力は反射神経の強化ですか」

 

「一発で見破られるとは……イトモでも5発かかったてのに。マジでバケモンかよ。……そうだ、俺の1つ目の念能力【自動神経(オートパイロット)】避ける時も攻撃する時も自身の意思とは別にオートで追撃、回避してくれる。左に避けたら当たってたんだがな…」

 

1つ目ですか。

まあ、複数持ちですよね。

 

単純な肉体の強化ですし、単純なぶん、使う容量が少ないのでしょう。

後は左に避けようとしたの何故バレたのでしょうか。

 

心を読むなど特質系で無ければ無理でしょうに。

 

いや、アレなら……

 

少しカマをかけますか。

 

「随分と目がいいですね」

 

「!?っつ!!!マジでバケモンじゃねーか」

 

やはり。

私の視界を見ましたか。

それも目の強化系の延長線上。

出来ないことは無いでしょう。

 

しかし、なかなかの強者。

 

フロアマスターになった時では味わえなかったスリルを感じています。

 

 

とりあえずこの念能力を使いますか。

 

乱雑な玉手箱(スキルボックス)

 

私の頭上に3つの箱と数字の0が書かれたスロットマシンの様なものが出てきます。

箱の上には10面のダイスが2つ、それがひとつの箱に一組ずつ。

 

当然念能力者には見えているでしょう。

 

ちなにみ能力詳細はカイトさんに近いでしょう。

 

 

では、発動。

 

数字の0が1〜6の数字に連続で切り替わる。

 

そしてストップすると2の数字が。

 

更にダイスが回っていきます。

 

玄人肌視(ワンエイティディフェンス)

無意味な激励(ロックダウン)

痛い系(パッチテスト)

 

そんな文字が箱から出てくる。

これですか……まあ、いいでしょう。

 

ダイスの女神がこういったんです。

従いますとも。

 

文字は光となって私に吸収されます。

 

 

さて、反撃開始といきますか。

 

まあ、反撃というほど食らってはいませんが。

 

 

相手からボクシングのように連続でパンチを繰り出します。

 

右右右左後ろ下フェイントで上

 

肌で感じている俺は危機も殺気も感じている。

 

 

そして隠し持つ刀剣で切り裂く。

 

まるで、手刀で肌を切り裂くかのように。

 

 

ラバルさんは痛みで腕を抑える。

そこからは一切血は流れない。

 

私の念能力のせいでダメージは入らないので私はそこから更に切りつけていきます。

 

肉は切れない、血は出ない、しかしラバルの顔は苦悶に歪んでいく。

 

防御の姿勢をとるがそんなのお構い無しに切りつける。

 

膝が震え、肩で息をし、今にも倒れてしまいそうだ。

 

 

しかし、ダウンにはならない。

 

そういう能力だ。

 

 

天空闘技場のルール敵にも見えない何からかの攻撃では審判もヒットとは言えない。

 

口を開き、ギブアップすればいいが今開いてでるのは絶叫だけだろう。

それに彼には約束を誓う親友がいるんだ。

降参などしないだろう。

 

それを分かっているのか観客席にいるイトモも何も言わない。

 

 

あ、隙が。

 

脳天に突き刺し、戻す。

 

 

そしてそのままラバルは倒れてしまう。

 

 

それに合わせて知られざる英雄(ミスターアンノウン)を解除する。

 

 

会場は騒然。

 

しかし、直にざわざわと観客は喋り出す。

黙っていた実況も喋り出す。

 

『し、試合終了ーーー!!!ラバル選手倒れたーー!!そしてフロアマスターミルキ選手、見事防衛!!そしてラバル選手は約束果たせず、完敗!ラバル選手の様態も気になります。ここで実況は終了いたします!!!』

 

 

「君は強かった。強化系で私とも相性は最悪だ。経験もある。こんな私みたいな異質なものでなければ勝てただろう。私は願っている、君が目を覚ますことを。そして今度は普通に生きなさい。裏の中にいる私とは関わらず、表で生きていなさい。それが君のためだ」

 

私はそう言い残し、会場を去った。

 

 




毎日投稿にギリギリ間に合ったわー
予約投稿してないのに友人に言われるまで気づいてませんでした。

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