ゲーム・ア・ライブ   作:ダンイ

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一話

4月10日、春休みが昨日で終わり今日からは学校が始まり……午後からネプテューヌとの約束でイベントに行くことになっている。

そんな日の寝起きは一言でいえば最悪だった。

 

昨日の事を未だに根に持っていたのか、俺の妹である琴理にストレートアームバーから流れるようにフェイスロックを決められ、とどめとしてキャメルクラッチと言う技を決められ、起こされる事となった。

一体どこでそんなプロレス技を教わったかは知らないが、人を起こすためにやる行為では決してない。むしろ人を(永遠に)眠らせるためにやる行為だ。

 

そのおかげで、俺は未だに痛む腰に手を当てながら料理をしていた。

その姿を見ている琴理は無邪気に笑いながら「おじいさんみたいなのだ」と言っているが、誰のせいでこうなっているのかを思い出して欲しい。

俺が今度のハンバーグに刻んだピーマンを入れてやろうかと、小さな復讐を考えていると、フライパンで焼いていた卵が丁度いい感じに焼けてきた。

俺は目玉焼きを皿に移してテーブルの方へ持っていくと、テレビのニュースが耳に入った。

 

『……っと言うことで、空間震の専門家の佐柳さんに今日はお越しいただきました。早速なんですが空間震の原因は一切分かっていないんですよね』

 

『はい、世界中の研究者たちが日夜原因を調べていますが、今日に至るまで一切原因が分かっていないのが現状です。しかし、空間震を事前に……』

 

「空間震の解説か……確かここ最近は天宮市内で多いらしいな」

 

「ほんと、どうしてだろうね」

 

テレビを見つめながら首を傾げて返事をする琴理を横目に、俺は朝食の準備を続ける。

空間震……十香達、精霊がこの世界に出る際に引き起こしてしまう、中心から球状に全ての物を消し飛ばす災害だ。

規模の大きいものは三十年前の最初に確認された中国とモンゴル、そしてロシアの一部を消し飛ばし死者一億五千万人を出したものと、その六か月後に起きた東京南部から神奈川県北部を消し飛ばした南関東大空災が知られている。

 

ただし、南関東大空災を最後として二十五年間は一切起こらなかったのだが、五年前にここ天宮市で起こったのを皮切りに日本で多く空間震が起こっている。

日本に精霊を集める何かがあるのだろうか……

俺が首を傾げつつ、朝食の盛り付けを終えると琴理に声を掛ける。

 

「琴理、朝食の準備が終わったぞ」

 

「おおっ!ありがとうなのだ、おにーちゃん!」

 

笑みを浮かべてテーブルの方に向かってくる琴理。

俺はそれを見ながら、彼女に真実を言えない事にほんの少しだけ罪悪感をおぼえる。

琴理には空間震の本当の原因の事や、俺が異世界に飛ばされた事、そしてネプテューヌ達の事を一切話していない。言っても彼女が信じてくれなさそうなのもあるし、なによりも危険な事に巻き込みたくはないからだ。

 

「おにーちゃん?ご飯食べないのか?」

 

「あ……ちょっと考え事をしていただけだよ」

 

琴理にこのことを悟られないように、笑みを作りながら悩みを振り払うように別の事を考える。

 

そういえば、今日は琴理が通っている中学校も始業式だけで午前中で終わるはずだ。となると昼食を作る必要がある。

午後からプラネテューヌに行かないといけない事を考えるとあまり手間の掛かる料理は作れないしな……

一応、希望を聞いておくか。

 

「琴理、確か今日は午前中で学校が終わるよな。何か食べたいものはあるか?」

 

「デラックスキッズプレート!!」

 

どうやら、琴理は近所のファミレスのお子様ランチをご所望らしい。

これなら料理する必要はないので丁度いい、今日の昼食は外食にすることにしよう。

今日は始業式だから、少しぐらいは奮発しても問題はないだろう……まあ、そこまで高いものでもないが……

 

「分かったよ。じゃあ、学校が終わったら近所のファミレスで待ち合わせな」

 

「了解なのだ!地震が起きても雷が落ちても、テロリストに占拠されても来るのだぞ!!」

 

「いや……それはさすがに店が閉まるんじゃないのか……それと、今日の午後からは友達と遊びに行くから夜遅くまで帰らないけど大丈夫か?」

 

「おにーちゃん、私は子供じゃないんだからお留守番くらい朝飯前なのだ!」

 

子供かどうかは、ファミレスのお子様ランチを頼んでいる時点で怪しいものだが、今は琴理の事を信じることにしよう。

今まで何回かあったけど、その際には問題なく一人で留守番をしてたからな。

これで朝のうちにやることはひと段落ついたと思い、俺は自分で作った朝食を口に入れ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「二年四組か……」

 

あの後、朝食を食べ終え後片付けを終えた俺は自分が通っている来禅高校へと向かい、廊下に貼られている表を見て自分がどのクラスなのか確認をしていた。

どうやら俺のクラスは四組のようだが、軽く見たところ知り合いの名前は書かれていなかった。

まあ、知り合いがいないのなら新しい友達を作ればいいだけだろう。

 

そう、気楽に考えると俺はこれから一年間過ごす事となる教室へと向かった。

そこには、一緒のクラスになれて喜んでいるグループや一人椅子に座って携帯をいじっている者など様々な光景を見ることが出来た。だがやはりと言うか見知った顔は見られない……

一人ぐらいは居てほしかったな……と考えながらも黒板に書かれた座席表を見ようとして……

 

「五河士道……」

 

後ろから声を掛けられた。

聞き覚えのない声に戸惑いつつも後ろに振り返ると、そこには一人の少女がいた。

肩まで切りそろえられた真っ白な髪に、人形のような感情の全く入っていない顔をしているのだが……一体誰なんだろう?

一度でも見れば忘れられない程綺麗な女性なんだが、全く見覚えがない。

 

「えっと、俺に何か用か?」

 

「……覚えてないの?」

 

「その……悪い……」

 

「別に構わない」

 

俺が頭を下げて謝ると少女は落胆した様子など見せずにそう言った後、窓際の席に向かってしまった。

どうやら、あちらの方は俺の事を知っているみたいなんだが……

もしかして、幼い頃の知り合いか?……でもあんな特徴的な色の髪を忘れるなんてあるのか?

俺が頭を抱えて悩んでいた時だった……

 

「この裏切り者め!天誅じゃ!!」

 

「なぁ!?」

 

後ろから殺気の入った叫び声を掛けられた。

俺はとっさに後ろを振り返って……そこからは無意識下の行動だった。

 

まず俺は目の前に迫ってくる拳を右手で掴んだ。その後は拳に乗せられた勢いを利用して自分に右側に拳が抜けるように引っ張る。すると引っ張られたことで体勢を崩し、前のめりになった相手の肩に自分の左足をのせる。最後に左手で腕をつかんで関節を……

 

「いたたたたた!!ちょ、待ってくれ士道!俺だ!殿町だ!!」

 

「あ……悪い。いきなり後ろから襲われたからとっさに……大丈夫か?」

 

「大丈夫なわけがあるか……ったく、とっさにであんな技が出るなんて、お前はどんな世界で生きてるんだ」

 

いや、異世界では危険なモンスターが大量にいたし、人とも何かと戦闘になることが多くて、戦っていくうちに自然とついた癖なんだよな。この癖のおかげで命を拾った場面も多いのだが、日常生活では多少の支障が出てしまうのが難点だ。

まあ、こんな事を正直に話すわけにはいかないので、目の前にいる俺の親友……殿町宏人に手を合わせて謝るが、元を正すとこいつが俺を殴ろうとしてきたのが原因だ。

 

「そんな事よりも、いきなり裏切り者って何の話だよ」

 

「何をしらばっくれてるんだ、お前は!ついさっきまで鳶一と仲良さげに会話をしていたじゃねぇか!!」

 

「鳶一?……さっき話してた人のことか?」

 

「……お前、まさか鳶一折紙の事を知らないのか?ほら、有名だろ。この学校にいる文句なしの天才で、模試では全国トップ、スポーツはアスリートなみ、おまけにあの容姿ときた……この前に行われた『恋人にしたい彼女ランキング・ベスト13』では第三位に輝いてるんだぜ。この学校で鳶一を知らない奴なんてほとんど存在しないぞ」

 

「まじかよ……そんなに有名人だったのか?全く知らなかった。それとベスト13って微妙だな。ベスト20とかにはしなかったのか?」

 

「主催者が13位だったそうだ……」

 

「あっ……」

 

なんというか少し気まずい雰囲気が流れた……

なんて言えばいいのか……とりあえず、ベスト20とか30にした方が良かったんじゃないか。そんな中途半端な数字にすると何としてもランキングに入りたいって言う本心が丸見えだろ。

 

「ちなみに『恋人にしたい男子ランキング』はベスト356まで発表された」

 

「もうそれ苦行だろ……主催者の人はおとなしくランキング入り諦めた方が良かったんじゃないのか」

 

「ちなみ俺は356位だ……理由は「にやけてる姿が気持ち悪い」や「一時間置きに電話を掛けてきそう」、他には「かっこいいと思ってオールバックにしているところがきしょい」だったり……」

 

「もういい!もうそれ以上は言わなくていいから!!」

 

何だか聞いてるこっちが悲しくなってきた。

っと言うか最下位の方はマイナスの投票の少なさで決めるのか?……ってことは殿町よりも下の順位の奴はこれ以上のダメ出しを……

女って怖えぇ……

 

「ったく、そこまでしてランキング入りして得られたものはあったのか?素直にプラスの投票をされた人だけをランキングにすれば良かったんじゃないのか?」

 

「ふっふっふ、甘いな士道よ……俺はこのランキングの結果、確固たるものを一つ得たぞ」

 

嘘だろ……

こんな苦行の果てに一体何があるっていうんだよ……まさか女に嫌気がさして男の方に目覚めたとかじゃないよな、未知の領域へ足を踏み込んだんじゃないよな……

俺が不安を抱いていると、殿町は携帯をポケットから出すと電源をつけて画面を俺に見せて来た、そこには金髪の美女が映っている。まさか殿町……

 

 

「俺は気づいたんだ……三次元の世界には苦しみしかないことに、だから俺は苦しみのない二次元の世界へと……」

 

「それは、ただの現実逃避だろうが!この馬鹿野郎が!!」

 

「うるせぇ!!美少女二人とつるんでるお前になんて、俺の気持ちが分かるか!俺には出会いすらもないんだぞ!!」

 

「鳶一はただ話しかけられただけ……二人?一人は鳶一でいいとして、もう一人はだれなんだ?まさか琴理とか言わないよな」

 

「まさかお前、俺が何も知らないとでも思ったのか?昨日の午後、それはそれは楽しそうに二人で遊んでたじゃねぇか」

 

昨日の午後、その言葉に俺は嫌な汗を流している中、殿町は笑みを浮かべながら、ポケットの中から一枚の写真を取り出した。

そしてその写真を見せびらかすように、俺の眼前へと持ってきた。そして、その写真は俺が想像していた通りの写真で……俺と十香の二人の姿が映った写真だった。

やばい言い逃れが出来そうにない……

 

「お前……その写真をどこで……」

 

「いや~、丁度商店街の前を通りがかった時にお前の姿を見つけたんだよ。そしたら、こんなに可愛い美少女と二人っきりで歩いてるじゃないか……うらやましいね。一体どこで知り合ったんだよ」

 

「いや……その、彼女とは昔旅行に行った際に知り合ってな……親の都合で暫くの間、天宮市に居るって聞いたから街の案内をしてたんだよ」

 

「本当か……」

 

殿町は未だに俺を疑いの眼差しで見つめている。

その場の思いつきにしては結構いい言い訳だと思ったんだが……完全に誤魔化しきれてはいないな。でも真実をいうわけにはいかないし……と言うかそれだと事態が悪化しかねない。

一体どうしたものか、俺が悩んでいると丁度良く予鈴が聞こえてきた。これを聞いた殿町はこの場での追及は諦めたようで、捨て台詞を吐いた後、自分の席の方に向かっていった。

た、助かった。

 

そう思いながら、まだ自分の席を確認していなかったのを思い出した俺は、黒板を見て自分の席を確認した後に素早く自分の席に座った。まだホームルームまでは時間が……っ!!

な、なんだ?今誰かからの視線を感じた気がするんだが……

その方向に振り向けば、鳶一折紙が俺の事を見つめていた。どうやら彼女は俺の隣の席のようだが、そんなに俺の事を見つめて何がしたいんだ?

俺が彼女に声を掛けようとした時だった……

 

「皆さんおはよぉございます。これから一年、皆さんの担任を務めさせていただきます。岡峰珠恵です」

 

扉を開いて岡峰先生……通称たまちゃんが入って来た。今からホームルームが始まるようだ。

結局あの後は鳶一に話しかける機会はなく、ホームルームの時間中はずっと見つめられる事となった。休み時間になって聞いてみたが「気にしなくていい」の一言だった。

なんと言うか……その一言で俺を見つめるのを止めさせるのは無理だと悟ってしまった。新学期そうそう、なんでこんな目に合うんだろうか……

これからの一年間に少しだけだが不安を抱いた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームルームから三時間後、始業式を無事に終えた俺が帰宅の準備をしていると殿町に声を掛けられた。俺は殿町の話す内容に大体想像がついてしまい、思わずため息をついてしまう。

 

「五河君……それでは写真の美少女について根掘り葉掘り話を聞かせてもらおうじゃないか……時間ならたっぷりとあるからな」

 

「何回も説明しただろ……彼女とは旅行の際に知り合っただけで、お前の想像するような関係じゃねぇよ。昨日だって久しぶりにあったんだぞ」

 

「いや、絶対に違うな。この顔をよく見ろ、物凄い笑顔を浮かべてるじゃないか。その程度の知り合いにこんな笑顔を見せるのか?正直に話した方が身のためだぜ」

 

「はぁ……本当にただの知り合いなんだって……」

 

「ほう……あくまでもしらばっくれると言うのか。いいだろう、だったらお前が真実を話すまではこの教室からは出られないぞ!さあ、此処を通りたければ真実を話すがいい!!」

 

殿町は不気味な笑みを浮かべると、教室の扉の方に駆け寄るとそこで両手足を開いて立ち尽くし、通行止めのような事をし始めた。確かにこれならその扉からは教室を出ることは出来ない。

あいつ、そこまでして俺と十香の関係を聞いて何がしたいんだ?仮に俺と十香が付き合っていたとして、殿町本人に何かが起こるわけじゃないんだぞ。

せいぜい話のネタになる……ってそれが狙いか。

 

何も用事がなければもう少し殿町に付き合ってもいいのだが、今日は琴理との約束があるので早めに学校から帰りたい。

なので俺はカバンを持って教室から出る事にした…………殿町がふさいでいない方の扉を使って。

いや、だって教室から出るための扉は二つあるからな、一つだけふさいだところで意味はないだろう?

 

「あ、ちょ!待て、五河!それはずるいぞ!!」

 

俺が教室から出たことに気づいた殿町は慌てて俺を追いかけるが、俺は追いつかれまいと廊下をそれなりの速さで走り抜ける。

異世界でモンスターを倒すためにかなりきつい特訓を積んだ俺は、同年代とは比較にならないほどの身体能力を獲得している。そのため、全力を出していないのにも関わらず殿町との距離は広がる一方だ。

まさか、特訓がこんなところにも役に立つとは……体育の時間では目立ち過ぎないように力を抑えるのに苦労していたんだがな。

ともかく、あとは玄関で靴を履き替えれば俺の勝ちだ。

そう思った瞬間だった。

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

「っ!?」

 

サイレンの音が響いてきた。

その音を聞いた俺はその場に立ち止まって辺りを見渡すと、目を丸くして会話をやめている者や靴を履きかけたまま止まっている者など様々な人がいた。

皆、いきなり鳴ったサイレンの音に驚いているようだ。そして、サイレンが鳴り終わると機械越しの声が聞こえてきた。

 

『……これは、訓練ではありません。これは、訓練ではありません。前震が、確認されました。空間震の発生が、予想されます。近隣の住民は……』

 

空間震……その言葉を聞いた生徒は多少の不安に襲われているみたいで、顔を若干だが歪めている。ただし正気を失って取り乱したりする者は誰一人としていない。

 

それも当たり前の話だ。ここ天宮市は空間震で廃墟となった場所を再開発した都市だ。そのためか空間震対策は世界でもかなり進んでいる都市で、街の至る所にシェルターが存在する。

ここ、来禅高校も例外ではなく学校の地下には全校生徒を入れられるだけの大きさを持つシェルターが完備されているし、何よりも幼い頃から何度も避難訓練を繰り返しやらされている。

一般の人の感覚では地震とかと……いや、シェルターに避難すれば何も知らないまま終わるのでそれ以下の感覚かもしれない。

 

でも、空間震の本当の原因を知っている俺は少しだけ違う……空間震が起こる、それは十香のような精霊がこちらの世界に現れる事を意味している。

そして現れた精霊がその後に自衛隊と思われる部隊から攻撃を受けている事も知っている。

 

俺は周りに気づかれないようにこっそりと玄関から校舎の外に出ると、携帯のアプリを起動させた。そのアプリは空間震における避難区域を示すものだ。

避難区域は空間震が発生する場所を中心として設定されるので、区域の中心に向かえばおおよそだが空間震が起こる場所に向かうことがことが出来る。

まあ、このアプリをこんな目的で使う人なんて俺か自殺志願者くらいなものだろう。普通は近寄ろうなんて考えないからな。

 

勿論俺は自殺をしに向かっているわけでない……精霊を救いたいと言うと少し語弊があるかもしれないが、俺は精霊達の助けになればとその現場に向かっている。

精霊を救う……言葉にすると簡単だが現実にするには難しい。

俺が仮に精霊を攻撃する部隊を蹴散らしたとしても別な部隊が攻撃を始めるだけで、彼らは決して武器を収めることはないだろう。話し合いにしたってこちらでは普通の高校生である俺が言ったところで精霊はともかく、国は話を聞いてくれない……最悪の場合は俺を消そうと動く可能性もある。

ならなんで精霊に会いに行っているのかと言うと……十香が初めて俺とあった際に見せた表情、世界の全てに絶望したような顔を見たくないからだ。

だから精霊がそんな顔をしているのなら、世界はそんな残酷な面ばかりでないことを知って欲しい……そう思って動いている。

 

と言っても、空間震が近くで起こるなんてことは早々なく、ほとんど場合は精霊がいなくなった後につくか、珍しく精霊に会うことが出来たと思ったら十香だったという結果に終わっている。

ちなみに十香にあった際には「こんな危険な所で何をしている」ともの凄く怒られた。理由を伝えたら伝えたで微妙な表情をされたが……たぶん、精霊を絶望から救いたいという意見には賛同しているのだが、それで俺が危険な目に合うのが納得できないのだろう。

そんなに無茶をするつもりはないんだけどな……

 

ともかく、俺は精霊と会うべく空間震が起こるであろう場所に向かって走っていた。


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