そらのおとしもの 人と天使達の非日常   作:龍姫の琴音

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第六十三話エロとは

ミーノスの命令で地上へと降り立つとハーピーの二人がミーノスのもとにやってきた

 

「あのマスター」

 

「今回はどのようなエンジェロイドなんですか?」

 

「名前はリリス。戦闘能力は全くない」

 

「えぇ!」

 

「ないって・・・じゃあどうやって倒すんですか」

 

「簡単だ。人間には三大欲求がある。食欲、睡眠欲。そして性欲だ。その中でも人間は性欲にはブレーキが利かない

今回の第二世代エンジェロイドは人間の夢に侵入し人の性欲を具現化させそれを全て吸収すると人間は死に至り死んだ人間の精神を乗っ取る事が出来る。この能力でまずはサクライ=トモキを抹殺してその後にヒムラ=シュウを抹殺する」

 

※※※※※

 

リリスが地上に降りると地上波既に夜になっている

サクライ=トモキの家に到着すると家主は既に寝ていた。リリスは胸からカードを取り出すとテレポートを使い部屋の中に侵入するとサクライ=トモキの額に自分の額を当てるとサクライ=トモキの精神世界へとダイブしていった

 

景色が変わると目の前にはピンク色のエロい夢が広がっていた

 

「これがこいつの夢。マスターに聞いた通り本当にどうしょうもない奴のようね」

 

夢の主を探していると遠くで女の子と遊んでいるこの夢の主であるサクライ=トモキを見つけた

 

「ねぇ、君」

 

「誰だね君は?」

 

「私はリリス。ねぇ、私と楽しい事しない?」

 

腕で胸を挟み自分の胸を更に大きく見せて誘惑する

 

「わ~いお姉さん!」

 

智樹はすぐに色仕掛けにひっかかりリリスの元に行ってしまった

 

「なぁ、何をしてくれるんだ?」

 

「そ・れ・は・・・気持ちい事よ」

 

そう言ってリリスは智樹の額に指を当てると智樹の頭から泡のようなものが外に出てきた

 

「おぉ~なんかいい気持ち~・・・」

 

泡を取られるといい気持ちになるがこれがリリスの技だ。この泡は本人の心の中にある欲求だ。夢の中は自分に正直になれる。だからこそ何の抵抗もせずに言われるがままに行動してしまう

 

「ふふふ、さぁ、全て吸収してあげるわ」

 

取り出された泡をリリスは自分の身体に取り込むとリリスの力が上がりそれに比例して智樹の中から次々と泡が吸い出されていった

 

泡を吸い出されていくうちに智樹は自分の身体の変化に気付いた。なんだが力が入らなくなり体が寒くなって来たのだ

 

「どうやら死が近いようね」

 

「死・・・だと」

 

「そうよ。この泡はあなたの性的欲求。私はこの性的欲求を吸収吸うことによって力を高めそしてそれとお同時に貴方から精気を吸っている。貴方の性欲を全て吸収する時、それはあなたが死ぬときよ」

 

「やめろ!今すぐやめろ!」

 

「残念だけどここまで来たら全て吸い取ってあげるわ」

 

吸い取る力が強くなっていきとうとう智樹は立っていられることが出来ず倒れ意識が掠れ始めやがて眼を閉じてしまった

 

「サクライ=トモキ。抹殺完了」

 

リリスが勝利を確信する中、ともきはあの世へと続く道を歩いていた

しばらく歩くと川が流れておりその先の川岸には智樹の祖父が立っていた

 

「じいちゃん・・・俺もそっちに・・・」

 

川に足を一歩踏み入れたその時だ

 

「バカモン!!!」

 

祖父の一喝で足が止まった

 

「トモ坊。お前の女の子に対する欲求はその程度か」

 

「!」

 

「お前はこの先にも色々な女に出会う。それなのにこんな所で死んでよいのか」

 

「でも・・・じいちゃん。もう、俺には性欲がないんだ。女の子見ても、パンツを見ても興奮しないんだ」

 

「それが辛いのはよぉ分かっておる。じゃがなトモ坊。エロとは無限なんじゃ。エロに終わりはない。この世に女が存在する限りエロは存在する。興奮しないなら新たな興奮を見つければよい

 

儂にはもうそれが出来ん。じゃからお前の儂の全てを託そう。儂の分まで世界中の女を追求しエロを追求するのじゃ我が孫よ!

 

それが我らが桜井家の人間じゃ。エロに背を向けるな!そこに女がおる限り桜井の名を持つものとして命を懸けて前へと進むのじゃ!」

 

「じいちゃん・・・分かったよ!俺、こんな所じゃ終わらないよ。頑張るから見ていてよ!じいちゃん!」

 

智樹は決意を固め祖父に背を向けて走り出す

 

「それでいいんじゃトモ坊。達者でな。儂はいつまでもお前の事を見守っておる」

 

祖父の姿が煙になると智樹の体に憑依するかのように身体を包み込むと体から力が湧いてくる

祖父の気持ちを胸に秘め智樹は夢の世界に帰還する

 

※※※※※

 

「!」

 

何かに気付いたリリスは死んだはずの智樹の身体を見ると心音が聞こえ始めゆっくりと立ち上がった

 

「どうして・・・何故、立ち上がれる。私は全ての性的欲求を吸収したはずだぞ」

 

「我がエロに終わりはない。お前のおかげでそれが知れた。だから俺もお前に礼をしよう。我が全てのエロを喰らうがいい」

 

両手を前に出し胸の前で手を合わせると智樹の体から凄まじい量のエロパワーが放出され智樹の着ていた服はそのパワーに耐えられるずにはじけ飛び全裸になる

 

「これが俺の・・・いや、エロの真髄の辿り着いた者が至れる真の姿だ」

 

智樹の背中から十・・・百・・・千本もの手が出現しその一つ一つの手に先程の様に智樹の性欲の塊である泡がのっている

 

「喰らえ!煩悩千手観音!」

 

千本もの手がリリスに向かって放たれた

 

「私は第二世代型エンジョロイドリリス全部食い尽くすてくれる!」

 

真正面から全ての性欲を受けて体中ボロボロになりながらもリリスは立っていた

 

「私の・・・か・・・!」

 

その時リリスの目の前には腕を組みこちらを見ている智樹の姿があった

股間にある男の紋章には強大なエネルギーが収束されておりそのエネルギーはミーノスのゼウスやイカロスのアポロンの出力を遥かに上回る量のエネルギーだ

 

「止めだ・・・トモキ砲!」

 

股間からビームが放たれるとリリスを直撃しリリスは跡形もなく消えてしまった

 

「ありがとう。俺に新たなエロを教えてくれて」

 

感謝の気持ちを述べ現実の智樹は目を覚ました

 

「あれ?」

 

目が覚めると先程までの記憶はなくなぜか自分の布団の横にカードが落ちているのに気づいた

 

「これはシュウの持っているカード・・・?」

 

なぜこんな所にあるのかと思ったがそれよりも先にこのカードを使えば何でもできると考えた智樹は不敵な笑みを浮かべるのであった


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