そらのおとしもの 人と天使達の非日常   作:龍姫の琴音

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第四十一話襲撃

緋村家の襲撃でダイダロスの家の警報装置が鳴り響く

 

「な、何!?」

 

モニターを見るとそこには全壊した緋村家がありそこには一体のエンジェロイドが立っていた

 

「黒い・・・空の女王(ウラヌス・クイーン)・・・」

 

ダイダロス同様ニンフ達もと突然の敵の襲来に驚いている

 

「そんな可変ウィング、Artemis(アルテミス)aegis(イージス)何もかも一緒だなんて」

 

ニンフが敵をスキャンし搭載されているのがイカロスと同じなのに驚いているがアストレアはニンフの言葉が耳に入ってこないでいた。目の前に傷だらけになっているシュウの姿が目から離れず次第に怒りが込み上げてきた

 

「な・・・何するんだこのやろう!」

 

怒り任せアストレアは突っ込み左手でメランの首に手を掛け空に上がる

 

「駄目よデルタ!そいつはアルファーと同じあの空の女王(ウラヌス・クイーン)なのよ」

 

しかしアストレアは怒りに囚われニンフの言葉に耳を傾けずに怒りに任せて動いている

 

「よくも・・・よくもよくもよくも!」

 

空いている右手でシュウを掴んでいるメランの手を掴む

 

「お前なんかが・・・お前なんかが・・・!」

 

メキッ!とメランの腕を潰しシュウの体が宙に放り投げられるとニンフがシュウを受け止める

 

「シュウ!大丈夫!?」

 

怪我はしているが気絶しているだけのようだ。良かったと安心するのも束の間メランはArtemis(アルテミス)を発射する

 

「そんなもの・・・効くか!」

 

アストレアの超加速型の翼で加速し一気に距離を取りArtemis(アルテミス)が一か所に集まるるとアストレアはaegis(イージス)=Lを展開し全てのArtemis(アルテミス)を防ぐと爆風の中からアストレアが飛び出す

 

aegis(イージス)展開」

 

全方位のaegis(イージス)が展開され防御を取る

 

「そんなの張ったって無駄だよ」

 

アストレアはクリュサオルを取り出し出力を最大まで引き上げる

 

「私のクリュサオルはイージスをも切り裂く。お前なんか真っ二つにしてやる!」

 

怒りに身を任せていても戦闘時は冷静のようでただ攻撃するのでなくイージスを斬り裂いたその先にメランおりイージスごとメランを斬れるようにしている

 

「捉えた!」

 

ニンフとダイダロスが勝利を確信した

 

 

ガキィン!振り下ろされたクリュサオルはイージスを壊す事は出来ずに逆にクリュサオルが折れた

 

「え・・・?」

 

最強の矛であるはずのクリュサオルが折れた事に驚く

 

皆が驚いている様子をみてミーノスは笑う

 

『クククク・・・言ったはずだ。問題なのは外殻だと』

 

メランはイージスを解除し拳を握りしめ反撃に転じる

 

aegis(イージス)=L」

 

盾でaegis(イージス)=Lを展開するがメランの拳はアストレアのaegis(イージス)=Lを打ち砕き盾が壊れた

 

『メランの外殻は第二世代のもの。第一世代の外殻とは強度がまるで違う。それはつまり空の女王(ウラヌス・クイーン)でさえ出せない出力を出せるという事だ』

 

アストレアが空から地上に落ちニンフはこの光景に絶望する

 

『お前らが相手にしているのは空の女王(ウラヌス・クイーン)を遥かに凌ぐ最強のエンジェロイドだ』

 

メランは弓矢を取り出しニンフ達に狙いを定める

 

「そんな・・・まさかアポロンまで・・・」

 

『やれ、メラン』

 

アポロンがニンフ達に狙いを定めて放たれた

 

「あぁぁぁぁぁ!」

 

もう駄目だと思ったその時だ。イカロスが前に飛び出しアポロンの矢の前に立ち塞がった

 

「アルファー!」

 

「イージス展開」

 

イージスでイカロスとメランを閉じ込めた

 

「ニン・・・フ・・・マスターを、お願い・・・」

 

イージス内でアポロンが爆発しイカロスとメランが地上に落ちてきた

 

「敵エンジェロイド撃墜」

 

ニンフが敵の反応が完全に消滅した事を確認し次にイカロスを見る

 

「可変ウィング全壊。システム損傷97%・・・自己修復機能全壊。タイプα(アルファ)Ikaros(イカロス)・・・修復・・・不能・・・」

 

それはイカロスが完全に壊れた事を示す

 

「うそだ・・・うそだうそだ。うそだ!」

 

現実を受け入れずにアストレアはなきじゃぐりニンフを涙を流す

 

しかし二人には悲しみに浸る暇もなく二人の前にイカロスのようにニンフとアストレアに似た黒いエンジェロイドが何体も現れた

 

「嘘・・・でしょ」

 

二人共メラン達に取り押さえられてしまった

黒いニンフはニンフの頭を掴みニンフにハッキングを開始する

 

「あぁぁぁぁぁ!」

 

『いい様だなβ(ベータ)シナプスにいた頃を思い出すだろう。なんならもう一度俺のエンジェロイドにしてやってもいいぞ』

 

「ふざけ・・・ないで・・・」

 

『そうか。だがこの状況はお前も望んでいたのではないか』

 

「何ですって・・・?」

 

ニンフの前に映像が浮かび上がる。それはイカロスとシュウがいる光景だ

 

『欲しいだろう?ヒムラ=シュウが。だがヒムラ=シュウは空の女王(ウラヌス・クイーン)のマスター

いつも空の女王(ウラヌス・クイーン)がヒムラ=シュウを独り占めする

奪いたくても相手はシナプス最強のエンジェロイド。出来損ないの自分ではかなわない

だが、もしお前が私の元に戻ればヒムラ=シュウを生かしてやる。そうすればヒムラ=シュウはお前のもになるぞ』

 

「つまらない男ね」

 

「なに?」

 

「こんな事をしてシュウの心が手に入るなんて本気で思っているの?」

 

ニンフは手を上げてハッキングしている黒いニンフの顔を掴む

 

「おい、いつまで人の頭をいじくってる」

 

逆にニンフがハッキングを開始する

 

「マスター!大変です。β(ベータ)がハッキングを脱出!逆にハッキングされています」

 

「なんだと!?」

 

「誰が出来損ないですって・・・誰がアルファーには敵わないですって・・・」

 

ニンフ・・・マスターをお願い。その言葉を思い出し歯をくしばる

 

「何よ・・それで私に譲ったつもり・・・?ふざけないで!私は・・・私の力でシュウを、手に入れる!」

 

 

ニンフの羽が日和を助けた時と同じように大きくなった

 

「素粒子ジャミングシステムAphrodite(アフロディーテ)展開」

 

ハッキングシステムが展開されメラン達が苦しみだした

 

『なんだ・・・これは。まるでカオスのように進化しているようではないか』

 

『そうよ』

 

『ダイダロス!どういう事だ!?』

 

『第一世代はみんなPandora(パンドラ)を積んでいるの・・・』

 

『嘘をつくな!お前はパンドラを造ったが使ってはいないじゃないか!』

 

『私は彼女達を造った時に迷っていた。心まで籠の鳥にしてもいいのかと。だからせめて心だけはと私はPandora(パンドラ)を積んだ

感情制御以外では作用しないように何重にもプロテクトを厳重にかけて・・・

そしてβ(ベータ)はそれを打ち破った・・・カオスのように間違った進化をする事もなく・・・』

 

『おのれ・・・おのれおのれおのれ!・・いやまだだ!まだだ!見ろ!』

 

先程まで優勢だったニンフは苦しみ始めた

 

「ニンフ先輩!」

 

『オーバーヒートだ!いくらPandora(パンドラ)で進化しようともβ(ベータ)にはそれを支えるだけの動力がない。可変ウィングの(コア)のような強力な動力が・・・いや、待て』

 

何かに気付きミーノスはイカロスを映すとそこには倒れているイカロスが映っている

 

『いや大丈夫だ。空の女王(ウラヌス・クイーン)は破壊したはず・・・』

 

だがもう一つの画面にはさきほどまでいたあいつがいなくなっている

 

『おのれ・・・どこに行った!ヒムラ=シュウは!』

 

シュウはイカロスの元に駆け寄っていた

 

「イカロス、死ぬな!そして、みんなを・・・守って、く、れ・・・」

 

それだけ言ってシュウは再び気絶し倒れるとドクンッ!とイカロスの体が動いた

 

『再起動・・・システム確認・・・オールレッド。危険と判断しPandora(パンドラ)起動タイプα(アルファ)Ikaros(イカロス)ヴァージョンⅡ起動します』

 

イカロスから膨大な出力が出るとイカロスはみるみるうちに修復されていき傷は完全に治った

 

翼が二枚から四枚になりイカロスが新たな力をもって完全に復活した


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