ここはシナプスにあるミーノスの研究所
ミーノスが作業をしていると部屋の扉が開きハーピーの二人が入って来た
「失礼しますマスター」
「何の用だ?」
「お食事をお持ちしました」
部屋の中に入るとハーピーが何かに気付いた
「マスター!これは・・・!」
そこにあったのはイカロスに搭載されているのと同じ可変ウィングの
「流石ですマスター!遂に可変ウィングの
「いや、残念ながらこれは未完成だ」
「え?」
「ダイダロスが
「そう、ですか・・・」
残念そうな顔をするハーピーと違いミーノスは口元に笑みを浮かべる
「だが、これで十分だ。どうせこれ以上の出力を出せても『外殻』が耐えられない。そう、問題なのは外殻なのだからな」
そう呟きながらミーノスは次の作業に移った
※※※※※
ミーノスが新たな企みを進めている頃、シュウh自分の部屋で寝ていた
「ZZZ~」
気持ちよさそうに寝ていると部屋の扉が開きカオスが入って来た。部屋に入室してシュウが寝ているのを確認すると椅子に登りシュウを見下ろす
「とぉ!」
椅子から飛び降りてシュウの腹部へとダイブする
「ゴフッ!」
「あはは~おはよう。おにぃちゃん」
「お、おう・・・その起こし方はやめてくれカオス」
「だっておにいちゃん全然起きないんだもん」
「はい。すいません・・・」
とりあえずシュウは寝巻から普段着に着替えてカオスと一緒に居間へと向かう
「おはよう」
「おはようシュウ君」
居間では日和とアストレアがおりイカロスは台所で朝食の準備をしている
「今日も朝から変な悲鳴が出てましたねシュウ」
アストレアがニヤニヤと笑いながらシュウをからかいにきた
「カオス、アストレアにもやってあげたら?」
「うん!いくよアストレアおねぇさま」
「え、ちょ、まっ!」
「とぉ~!」
待ったの声も聞かずにカオスはアストレアに全力でタックルしアストレアはカオスのタックルをもろに受けて家の壁に大穴を開けて庭まで吹き飛んだ
「容赦ないねシュウ君」
「アストレアだから仕方ない」
謎の理論を展開しながら席に座り日和は困ったように笑う
「あ、起きたんだシュウ」
ニンフが居間にやって来るとニンフはいつもの服ではなくお出かけ用の洋服に着替えていた
「おはよう。どこか行くのかニンフ?」
「その前にシュウって今日空いている?」
「まぁ、特に予定はない」
「じゃあ私とデートしない?」
その言葉に台所で朝食の準備していたイカロスが反応した
「はいは~い!デートって何ですか?」
ボロボロになったアストレアがカオスを連れて穴から家の中に入って来た
「でーとってなに?それは愛なの?」
「あ!二人で美味しい物を食べに行くんですね。私も行く!」
「うっさい!ついてくんじゃないわよ!」
台所で話しを聞いていたイカロスも話に加わろうとしたら鍋が泡を吹いたので一度火を止めてエプロンを外し再び居間に戻る
「あの、私もデートに・・・」
しかし居間には既に誰もいなかった
「あ・・・」
イカロスは諦めて台所に戻り朝食の準備を再開するとズキンッ!と動力炉が痛んだ
(また動力炉が痛い。マスター、どうしてこんなにも辛いんでしょうか)
翼を広げ答えの出ない問題を自分に投げかけ続けた
一方でシュウを強制的に連れ出したニンフとアストレアは空見町の駅の前で喧嘩していた
「動物園!動物園に行くのよ」
「しめさば!しめさばの食べ放題がいいです!」
かれこれ十分もこの喧嘩を繰り広げており二人から離れてシュウと日和、カオスが二人の喧嘩を見ていた
「ねぇねぇ、日和おねえちゃん。でーとって何?」
「う~んとデートっていうのは男性と女性が二人っきりで遊びに行く事よ」
「それは愛なの?」
「そうですね。愛ですね」
「でーとって愛なんだ」
「まぁ、こいつらは俺の意見を無視でデートしたいっていうけどな。おかげで朝食を食いそびれた・・・」
「何か食べますか?」
「いいや、一度帰ってイカロスも誘ってくる」
「じゃあ私とカオスちゃんはここで待ってますね」
「分かった。お~いアストレア、ニンフ。両方行けばいいから一度俺を家まで運んでくれ」
「シュウがそう言うならいいわよ」
「しめさば食べ放題!」
アストレアに捕まりニンフと共にシュウは一度家に戻った
「お~いイカロス」
家の中に入りイカロスに声をかけるが返事が返ってこない。不審に思いながらもシュウは台所に向かう
「これから動物園とすし屋に行くけどお前も一緒にどう・・・だ」
台所に入るとそこには血だらけになって倒れているイカロスとそれを見下ろすもう一人のイカロスがいた
「イカロス!」
反射的にわかった。倒れているのが本物のイカロスだ
駆け寄ろうとしたがそれより早く偽物のイカロスがシュウの顔面を掴みそのまま床に叩きつけた
手の平から電気が放出されそれがガスに引火し家が爆発した
「何!」
外で待っていたニンフとアストレアが突然の爆発に驚き爆発元に行くとそこにはシュウの髪を掴み立っているイカロスとその後ろにもう一人のイカロスが倒れている
「イカロス先輩が・・・二人?」
「いえ、違うわ」
ニンフの言う通り立っているイカロスの羽が次第に黒く染まっていった
その様子をミーノスはモニターを通じて見ていた
「いくら可変ウィングの
「戦略型エンジェロイドタイプ