「カオスの片翼撃破!やりましたねマスター」
ハーピーの報告を聞いてミーノスは不服そうな顔をする
「脆いな。私の造った第二世代は」
「マスター・・・?」
「
「・・・」
「マスター・・・」
「だが・・・所詮はエンジェロイドだ。この私が作ったシナプス最強の防空システム
カオスの周囲に何十枚ものカードが展開されるとカードから電流が放出されカード同士の電流が繋がりカオスが逃げられないように電流の結界を作ると
「ますたー・・・私、おうちに・・・」
だがエネルギーの収束を終えるとエネルギー砲を発射した。カオスに直撃するが第二世代の装甲は硬く一撃では倒せない
ハーピー達も加わりカオスに攻撃を与えるがカオスは反撃もすることなくただただ攻撃を受けているだけだ
「おうちにいれ・・・ますたー。私、愛がほしいの・・・」
しかしミーノスはカオスの言葉を無視して再び
「ちがうよますたー。痛いのは愛じゃない。おうちにいれて・・・おうちに・・・」
「黙れ!この私に、シナプスに刃向かって何を言う。お前のような出来損ないのエンジェロイドに帰る場所などこの世界のどこにもない!」
「いや・・・」
カオスはミーノスの言葉を否定しマッハのスピードでその場から離脱し再び空見町に降り立ち道をおぼつかない足取りで歩く
「なかなか・・・なおらない。イカロスおねぇさまのようには・・・いかないな・・・」
歩くたびに体からギシギシと音が出てイカロスと同じ自己修復機能が付いており作動させているがそれでもイカロスよりは修復が遅い
「きゃっ!ちょっとあなたどうしたの!?」
顔をあげるとカオスの前に同じエンジェロイドの風音日和が慌てた顔をしていた
「ひどいケガ!お母さんは!?おうちはどこ!?」
「おう・・・ち・・・私のおうち?」
「そうよ。あなたのおうちはどこ!?」
「おうち・・・」
おうちなんてない。だって、さっきますたーに居場所はないっていわれた・・・
「おうち・・・私のおうちは・・・おにぃちゃんの、のところ・・・」
最後の力を振り絞りカオスは羽を広げシュウの元に向かった
レーダーでシュウの位置を特定し家の前に降りると家の中からシュウの声が聞こえる
「いいよね。おにいちゃん・・・帰ってきても、いいよね・・・」
戸に手をかけた時、ますたーの言葉を思い出した『出来損ないのエンジェロイドに帰る場所などない!』
その言葉がカオスの動きを止めた。あと少しで戸が開くのに力が入らない
「そう・・・だよね。出来損ないじゃ・・・ダメ・・・だよね。頭が、よくないと・・・帰れない・・・よね」
戸に掛けた手を離した
「さようなら、おにぃちゃん」
目に涙を浮かべながらカオスはシュウにお別れを告げて飛び立っていった
カオスが居なくなってから十分後に日和が帰って来た
「ただいま」
「おかえり日和」
丁度シュウが廊下に出た時に日和が帰って来たのでシュウが日和を出迎えた
「シュウ君、誰か来なかった?」
「いや、誰も来ていないが何かあったのか?」
「はい。さっきシスター服をきたエンジェロイドの女の子を見たので」
日和の言った特徴にシュウはある人物が頭に浮かんだ
「日和!それって金色の髪をした小学生ぐらいの小っちゃい女の子か!?」
「え!う、うん。そうだけど・・・ひどいケガをしていたので手当てしようとしたらどっかに行ってしまって・・・」
「くそっ!」
シュウは自分に毒づき靴を履き外に飛び出した
(くそ!俺のバカ!どうしてあいつがエンジェロイドだって気づけなかった。どうしてあの時もっと一緒に居てやろうとしなかったんだ!)
カオスを探しながら自分のした事を後悔していた。おうちに帰れっていった。あいつにとっての家はシナプス。つまりニンフの元マスターの元に帰れと言ってしまったんだ
それで怪我をしていたという事は空の王に何かされたに違いない
「間に合ってくれよ!」
そう思いながらカオスを探しに空見町を探し始めた