カオスとアストレアが激突し二人の戦いが始まるのをダイタロスと守形はその光景をモニター越しに見ている
「始まったな。第二世代エンジェロイドタイプ
「デルタは一言で言えばバカ」
「・・・」
自分で造っておいてバカ呼ばわりするのに守形はちょっと理解が出来なかった
「感情制御と戦闘能力を積めるだけ積んだおかげで電算能力は皆無」
「いや、ま・・・そうれはそうなんだが・・・」
「アルファーのように弾道計算もできなければベータのような高性能レーダーを積んでいる訳でもない。でも・・・私は
カオスは黒い炎の塊を作り出しアストレアに撃ち込むがアストレアはそれをすべてかわしカオスが攻撃しようとしてもアストレアは高速で動いてカオスをかく乱させる
「デルタの翼が超加速型。その加速性能はエンジェロイドで一番」
カオスがアストレアの行動を先読みして攻撃を放つが明アストレアは左手に装備している盾を前に出すとイカロスが使うイージスのようなバリアが展開された
「加えてデルタの持つ盾
攻撃を防ぎ切ったアストレアは剣から光の粒子が収束されていき巨大な剣に変わる
そしてデルタの持つ剣は超振動光子剣
剣を思いっきり振り下ろしアストレアの斬撃はカオスを一刀両断し爆発した
「驚いた。まさか、これほどまでの戦闘能力を持っていたとは・・・」
「でも、弱点があるの」
爆発酔って生じた煙の中からカオスが飛び出してアストレアから距離を取る
「くそ!気づかれた!」
ダイタロスが苦虫を嚙み潰したように苦い顔をする
「どういう事だ!」
「デルタは遠距離兵器を一切積めなかったの!しかも
「馬鹿な、それでは・・・一度でも離されてしまったら嬲り殺しだ」
アストレアと十二分な距離を開けるとカオスは黒い炎を収束させていく
「ちょっと・・・驚いちゃった。でも、もう近寄らせない!」
黒炎の砲撃を放ちアストレアは
「負けるもんか!だってこれは自分が決めた事・・・自分が決めた事なんだから!」
「さよなアストレアおねぇさま」
「いいえ、さよならは貴女の方
止めを刺そうとした時カオスの背後にイカロスが姿を現した
「イカロス先輩!」
「どうして・・・?あんなに壊したはずなのに・・・まさか、自己修復したの?アストレアおねぇさまと遊んでいたこんな短時間で?」
イカロスは何も答えずに顔祖の顔面を掴みそのままマッハのスピードを出して飛んだ
「なにを、するつもりなの?」
「私達エンジェロイドは泳げない・・・あなたは泳げるの?カオス!」
「!」
既に海まで来ておりカオスはもう無理だと諦めたのか抵抗をしない
「このまま海に沈めたらイカロスおねぇさまも深海で壊れちゃうよ。ねぇ、それより愛が何なのか教えてよ・・・ねぇ、私m愛が知りたいの!愛が愛が愛が愛が!」
「わから・・・ない。私も愛が何なのか分からない・・・でも、マスターの事を考えると動力炉が痛い・・・どうして!?私、マスターの事を考えると動力炉が痛い!これが愛なの!?分からない!でも、あなたを放っておいたらきっとマスターに危害がおよぶ。そう考えたら私、壊れてしまいそうなの」
海の上に急停止してそのまま急上昇しそして急降下する
「だから!私は大好きなマスターを守る!」
海に突っ込み大きな水柱が上がるとそこからイカロスを抱えたアストレアが出てきた
「何やっているんですかイカロス先輩!?私が助けなきゃイカロス先輩も沈んでましたよ!」
水面には空気の泡がボコボコと浮かんできてカオスが沈んでいったのだと理解した
「これでマスターは安全です」
「イカロス先輩・・・帰りましょうイカロス先輩のマスターの所に」
「うん」
戦闘が終わったのを確認しダイタロスと守形はようやく一息つけた
「これで第二世代はいなくなったと考えて良いのか?」
「えぇ、いくら第二世代が強くても長い間水の中に居ればやがて活動限界を迎える。大丈夫よ。もう心配ないわ」
「そうか」
「それじゃああなたを地上に返すわね。緋村君の家でいいのよね」
「あぁ、頼む」
コンソールに文字を打ち込むとダイブ・ゲームのゲートは開いた
「帰る前に一つ聞きたい。シナプス奴らは何故、夢を見ている」
「・・・それあは聞かない方がいいわ」
それだけ答えると守形は地上へと転送された
シュウの家に戻ると何故かイカロスとアストレアが正座をさせられている
「何があったシュウ?」
「ニンフの治療をしていたらこいつらが空から降って帰って来たから家がめちゃくちゃになったから説教していたんです」
上を見上げると天井が抜け落ち空が見える
「イカロス!帰ってくる時は玄関からだろう!」
「はい。申し訳御座いませんマスター」
「まったく・・・まぁ、今回は無事に帰って来たからいいけどよ」
「はい、マスター」
「それからニンフ!」
「は、はい!」
「いつまで羽がない事を気にしているんだ!」
「だって、私はエンジェロイドよ。マスターの命令を遂行する事が存在意義なのに私には羽もマスターも」
「だったら!」
シュウが腕をニンフの前に差し出す
「俺がお前のマスターになってやる」
「え?」
「俺がお前のマスターになってやるって言っているんだよ。俺は羽があるとかないとか関係なくお前のマスターになってやるって」
「いいの・・・羽もない出来損ないの私でもいいの?」
顔を上げるとシュウが驚いたような顔をしておりシュウガニンフ指さす
「ニンフ、お前・・・羽が生えているぞ」
「え?」
後ろを見ると確かに羽が生えていた
「いきなりどうして・・・?」
シュウが驚いているとニンフはそのまま空を飛んだ
「シュウ!私、羽が生えて飛んでいるよ」
嬉しそうに飛んでいるのを見て良かったと思えた
「こうしてみると天使ってより妖精だな」
ニンフが飛んでいる姿をシュウはいつまでも見続けた
その頃イカロスによって深海に沈められたカオスは自分にかかる水圧で動けないでいた
「あ~あ、愛を教えて欲しかったのにな・・・痛い・・・痛い・・・」
その時、カオスの頭にイカロスの言葉がふと甦った『動力炉が痛い!これが愛なの!?』
その言葉を思い出しカオスは笑みを浮かべる
「そうか・・・
カオスは翼を動かし深海魚を串刺しにする
「おさかなさん痛い?これが愛なんだよ。もっともっとたくさん食べて早く大きくなって今度は私がみんなに愛を教えてあげるの。みんなに、みんなに。ふふふ・・・」
不気味に笑いながらカオスは深海の魚の殺戮を始めた