そらのおとしもの 人と天使達の非日常   作:龍姫の琴音

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第二十七話第二世代エンジェロイド

スイカ畑の修復を完了した頃にイカロス達が買い物から戻ってきてイカロスはさ早速スイカを植えてカードを起動し防衛システムをスイカ畑の周りに展開する

 

「これでもう手を出すなよ。ニンフ、アストレア」

 

「わかったわよ」

 

「わっかりました!」

 

「・・・ニンフ、ジャミングシステム使うなよ」

 

「使わないわよ!それに羽がないから前ほどの力もないしね」

 

「あ、そう・・・」

 

(ヤバ、地雷踏んだかも・・・)

 

顔には出ていないが声のトーンが落ちたのは分かった。やっぱり羽がないのを気にしているようだ

 

「シュウ!お客さんだぞ!」

 

庭に入って来たのは部長だった

 

「ニンフに用があるんだが大丈夫か?」

 

「私?」

 

ニンフと部長は居間でダイブ・ゲームの装置を使っておりイカロスは庭でスイカの世話をして日和は外の畑に出て畑仕事をしておりシュウとアストレアは特にやる事がないので散歩に出た

 

「なぁ、アストレア」

 

「なに?」

 

「お前ってさ、なんか他のエンジェロイドと違うよな」

 

「なんですかいきなり?」

 

「いや、イカロスとニンフを見ているとさ。二人共命令して欲しいという感じなんだがお前はそういうの無いよな。自由って感じがする」

 

「・・・それって褒めてる?」

 

「う~ん・・・多分褒めてるんじゃん」

 

「多分って・・・あんたって変な人間だよね」

 

「俺が変ならお前はバカだよ」

 

「むっ!バカって言う方が馬鹿なんだぞ!バーカ、バーカ!」

 

「行ってる傍からバカと言うとはやっぱりお前バカだろう」

 

「もう知らない!」

 

怒ってそっぽをむいてアストレアは空に飛んで行ってしまった

 

「行っちまった。さてと、俺はどこに行こうかな」

 

あともなく散歩を始めている時ニンフは部長とダイブ・ゲームを使ってシナプスへの調査を行っていた

 

「ニンフ、次は40秒だ。行けるか?」

 

「え~まだやるの」

 

「そういうな。シナプスを調査しないとな」

 

「まぁ、いいけど。じゃあ次は40秒ね」

 

「よろしく」

 

再びダイブ・ゲームのゲートを開き部長はシナプスへと向かった

ゲートを閉じるとニンフは置時計の針を見て数字を数えていく

 

「ニンフ」

 

「あら、シュウ。お帰り」

 

「来いよ。デートしようぜ」

 

「え?」

 

突然の申し出に戸惑いながらもシュウはニンフの手を引っ張る

 

「ちょっと待って。今スガタが・・・」

 

しかしシュウは聞く耳持たずにニンフを連れ出した

 

シュウはニンフと共に大桜の木の下に行くとシュウは足を止めてニンフに向かい合う

 

「今日、ここに連れ出したのはお前にどうしても伝えたい事があったからだ」

 

「え?」

 

「俺はお前のマスターになりたいんだ」

 

「あはは・・・いきなりなにい出すのよ。冗談キツイわよシュウ」

 

「冗談じゃない」

 

「・・・でも私には羽がないし」

 

「いいんだ」

 

「ずっと出来損ないだって言われて役立たずだって」

 

「それでも俺はお前がいいんだ。ニンフ」

 

「ほんと・・・」

 

嬉しくて涙があふれてくるとシュウはそっとニンフの涙を拭った

 

「ありがとうシュウ。じゃあ早速刷り込み(インプリンティング)するね」

 

「あ、その前に一つだけ命令を聞いてくれない?」

 

「なに?なんでもするよ」

 

「自爆してくれ」

 

その言葉にニンフは驚きシュウの顔をまっすぐ見つめる

 

「何、言っているのよ・・・」

 

「愛って凄いんだろうシナプス(・・・・)を裏切るほどに」

 

この時、ニンフは悟った

 

「そうよね。シュウのはず・・・ないよね。お前は誰だ!」

 

シュウから距離を取り戦闘用の服に切り替える

 

「あーあ、ばれちゃった。もっと・・・愛を教えて欲しかったのに・・・」

 

シュウの姿が歪んでいき現れたのは金色の髪をし修道女の格好をした小さな女の子だった

 

「初めましてお姉様。私は第二世代エンジェロイドタイプε(イプシロン)Chaos(カオス)。ねぇ、愛ってなぁに?」

 

「ふざけるな!」

 

渾身の力を込めたニンフのパラダイス・ソングがカオスに直撃した

 

「はは・・・ざまぁ見ろ」

 

 

マスターになってくれると言われて嬉しかったのに騙されていたと考えると悲しくて悔しくてそれでいて・・・

 

「なにがざまぁみろなの?」

 

「なぁ!?」

 

直撃したはずなのにカオスは傷一つつくことなくニンフの後ろに回り込んでいた。ニンフが振り替えるがカオスはニンフん首を掴み持ち上げる

 

「ますたーからイカロスおねぇさまの可変ウィングの(コア)を取ってこいって言われた。でも、私はそんなものには興味ないの。だからヒムラ=シュウに化けておねぇ様に教えてもらおうと思ったんだ」

 

「教えてもらう?・・・何を?」

 

「言ったじゃない。愛ってなぁに?」

 

「あ・・・い?」

 

「だってそうでしょう。エンジェロイドはますたーの命令を遂行するのが存在意義なのにおねぇさまたちはシナプスを裏切った。マスターはおねぇさまたちが愛に狂ったって言っていたけどエンジェロイドには愛なんてプログラムされていない。だから知りたいんだ私・愛ってなぁに?ニンフおおねえさまはヒムラ=シュウと愛し合っているの?」

 

「私は・・・」

 

「あーあやっぱりニンフお姉様じゃだめか」

 

カオスの姿が変わっていき会長の姿に変わった

 

「そうよね。羽もない出来損ない(・・・・・)じゃね」

 

「!」

 

これはカオスの幻覚だとすぐに理解するがニンフはこの幻覚を解くことが出来ない。次々と姿が変わっていきやがてシュウがニンフの前に出た

 

「ニンフ、お前は廃棄処分だ」

 

自分が好きな人にもっとも言われたくない台詞を言われニンフの心は完全に壊れてしまった


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