ダイブ・ゲームを行ってから数日が経過して中学校は文化祭の準備に取り掛かっていた
「今年も文化祭の季節が来ましたねシュウ君」
「そうだな・・・特にやる事は無いがな。日和はなにかするのか?」
「ううん。私も特には何も。シュウ君は?」
「俺も。部活では部長が智樹を使ってペットボトルロケットで大気圏突破するんだってさ」
「それって大丈夫なの?」
「普通に考えてあり得ないから大丈夫だよ。それにもし成功したら空気が薄くなって死ぬけどね」
「あはは・・・相変わらず考える事が凄いね部長さんは」
「と、いうわけで今年もブラブラと回るつもりだ。それに今年はイカロスとニンフもいるし目を離す訳にもいかないからな」
二人共色々なところを物珍しそうに見ており目を離すとどこかに行ってしまいそうだ
「ねぇ、シュウ。文化祭って何?」
「文化祭っていうのは・・・」
「シュウ!」
突然呼ばれて振り返ると智樹と部長、そはらに会長が走りながらこっちに接近してきた
「え?ちょ、止まれ!」
「ちょっと来い!」
シュウの腕を掴みそのまま攫われ音楽室に連行された
「で、どういう事だ?」
シュウだけでなくイカロスとニンフまで拉致って来た
「私立の奴らと音楽対決するぞ!」
「・・・部長。どういう事ですか?」
「簡単に言うとだな。私立に喧嘩売られたから買っただけだ」
「それで音楽対決ですか」
「あの、マスター。私立の奴らとは?」
「あぁ、お前達は知らなかったな。空見町には二つの中学校があるんだ。一つはここの県立空見中学校。そしてもう一つが空見町の中心にある富裕層が通うお坊ちゃん、お嬢様向けの私立空見学園の二つ
二つの学校はとも人が少ないから毎年文化祭は合同で行っているが仲がめちゃくちゃ悪いんだ」
「へぇ~面白そうね。私も混ぜてよ」
「私も、お役に立てるならなんでもします」
「あぁ、その時は頼む。それで智樹達は演奏できるのか?」
実際に演奏させてみると部長はホラ貝を吹きイカロスはタンバリンを叩いているはずなのにペニョ~ンという妙な音が出る。会長は完全にヘビメタ演奏だし智樹とそはらは付け焼刃程度にしかならない
「これ、マジでヤバいな」
「シュウは出来ないのか?」
「智樹、確かに俺はアニメや漫画で楽器の演奏方法は知っている。だが知識があるだけで演奏は全くできない!」
「威張る事かよ・・・」
「俺は他の所で頑張るから演奏は任せる。なぁ、ニンフは何かできないのか?」
「う~んと、これなら」
キーボードに指を走らせるとそこからとても綺麗な伴奏が流れた
「私、こういった機械系は得意だから」
「よし、ニンフは智樹達の付け焼刃なところを誤魔化してもらおう。後はイカロスだけだな。イカロス、とりあえず一通りやってみるか」
「はい」
色々な楽器を演奏させそして・・・
「これだ!イカロス、いけるか」
「はい。マスター」
「よし、俺もやる気が出てきた。ニンフ、ちょっと手伝ってくれ。一晩で明日の文化祭を大いに盛り上げてなおかつ私立に勝てる最高の舞台を用意してやる」
その日の夜にシュウは部屋にニンフと一緒に閉じこもりパソコンに向かい合って何やら作業をしている
「よし、ニンフここをもう少しアップにできないか?」
「えぇ~これ以上したら画質が悪くなるのよ」
「だったら画質の情報処理をして鮮明にしてくれ。お前の電算能力なら出来るだろう」
「出来るけど大変なのよ」
「やるからには全力で取り組む。後でなんでも奢ってやるから頼む!」
「もう仕方ないわね。じゃあリンゴ飴が食べたい」
「任せろ!」
二人の様子を扉の前でイカロスが二人の様子を見ている
「心配ですかイカロスさん」
「日和さん」
「マスターであるシュウ君がニンフさんに取られちゃったみたいで」
「わかりません。ですが、ニンフが頼られているのがなんだか羨ましく思えて」
「大丈夫よ。イカロスさんは明日がんばるんですから。だったらイカロスさんは明日いっぱい頑張ればシュウ君だって褒めてくれるわよ」
「そうしたら・・・手を、繋いでくれるでしょうか?」
「手を?う~んと・・・あ!大丈夫です。明日になればきってシュウ君はイカロスさんの手を繋いでくれるます。絶対に」
「絶対に?」
「はい!絶対にです」
日和は楽しそうに笑いイカロスは何が何か分からないでした