1時間目 社会
今日はオーストラリアについての授業だがイカロスはまるで教科書の絵を写したかのように綺麗なオーストラリアの地形を書いていた
2時間目 家庭科
先生が脱帽するほどの魚を丸ごと一匹使って豪華な魚の造りなどを作り美味いとクラス中で評判になった
3時間目 数学
東大クラスの問題を竹原が出すがイカロス、ニンフが共にすべて答えて竹原は惨敗した
4時間目 英語
イカロスが完璧な発音で英単語を読み上げ先生は自信を無くし自習になった
お昼になるとうわさが広がり学校中で二人は有名人となり二人を見ようと男子が食堂に詰めかけていた
一方二人は食堂にあるテレビの前のテーブルに座りニンフは昼ドラを鑑賞しイカロスは昼食のお弁当を食べていた
「う~む、これは良い傾向、なのか?」
「でも心配していたほど大きな問題は起きていませんからいいんじゃないですか?」
「いや、既に起きているだろう。見ろよ、男連中がこぞって集まってきている状況だぞ」
「まぁ、いいじゃないかシュウ」
シュウの隣で部長が昼食を食べながら話に加わって来た
「でも、緋村君も大変よね~」
「大変?何が大変なんですか会長」
「二人共す~ごく人気でしょう。そんな二人に加えて風音さんとも一緒に住んでいるって知ったらどうなと思う?」
「・・・ヤバい」
それはつまりこの学校の全ての男子生徒を敵に回すという事だ。既に智樹はこの学校の全ての女子を敵に回せているというのにこのままでは自分の身が危ない
「いや、待て!ニンフは口が悪いから人気が減るはずだ!」
そう思いニンフの方を見ると男子の騒がしい声に怒り立ち上がる
「ちょっとそこの男共!うるさくて昼ドラが見れないでしょう!どっか行きなさいよ!」
「こ、これで・・・」
「い、いい~!」
ニンフに罵声を浴びせられて逆に男子は全員が興奮している。大丈夫かこの学校は・・・
「まぁ、二人共ちゃんと学校に馴染んでいるから大丈夫だろう」
シュウが言ったようにそれから二人は学校に馴染みクラスの女子とも話す程度になったある日の事だ
イカロスとニンフ、日和と一緒に帰るために下駄箱に行きイカロスとニンフが下駄箱を開けると中から大量の手紙が出てきた
「これはまた凄い量のラブレターだな」
「くっだらない」
ニンフはそう言って手紙を全部ゴミ箱に捨てた
「ちょっと待て!」
「何よ。捨てるのに文句あるの?」
「あるよ。お前な、相手が気持ちを込めて書いた手紙を読まずに捨てるのは失礼だろう」
「シュウ、一つだけ言うわ。気持ちを伝えるなら直接口で言いなさいよ!」
「た、確かにそうだ!」
「昼ドラで言っていたわ。男なら自分の口で言えと」
「そうだな。ニンフの言う通りだ。男なら口で伝えないといけないよな」
「そうよ、じゃあ帰りましょう」
「そうだな。帰りにお菓子でも買ってくか」
「じゃあ私はポテチがいいな」
「あの~シュウ君。それでいいの?」
「問題ない」
親指を立てて問題ないと主張する
「あの、マスター、私は読んでから帰ります」
「そうか。どこで読むんだ?」
「図書室で」
「そうですか」
図書室で読むとは差出人に同情するな
シュウ達が家に帰りイカロスは一人で図書室で一通一通丁寧に読み始める
全部の手紙には好き、愛しているなどの言葉が使われておりイカロスはその言葉に疑問を持った
「愛・・・意味は知っている。でも、どういう事なのか私には理解できない。どうしてだろう。この言葉はすっごく気になる」
愛について考えるとイカロスの頭から煙が上がって来た
「やっぱりこうなるのね・・・」
図書室の扉を開けるとそこには先に帰ったはずのニンフが居た
「先に帰ったんじゃなかったの?」
「あんたが心配で戻って来たのよ。どうせ理解出来なくてオーバーヒート起こしているんじゃないかと思ってね」
「うん。愛って何だろう・・・」
「誰かを好きという事よ」
「好き?ニンフはいるの好きな人」
「え・・・い、いるわけないでしょう!」
「そう・・・」
突然イカロスに好きな人がいるかと聞かれて慌てて否定するがイカロスに質問された時ニンフの頭にシュウの顔が浮かんでいた
(ちょっと、どうしてそこでシュウの顔が出てくるのよ。あいつは人間で私はエンジェロイドなのよ)
だけどそう思えば思う程にシュウの事が頭から離れなくなり異常があるわけでもないのに動力炉が痛くなる
(どうしよう。私、もしかしてエンジェロイドなのにシュウの事が・・・)
自分の気持ちに戸惑うニンフと愛の事が分からないイカロス
二人の心は何処に行くのだろう