イカロスとハーピー達が上空で戦闘を行っている間にシュウ達に駆け寄る
「今の内にニンフの鎖を切るぞ」
皆がニンフに繋がっている鎖を掴む
「駄目!そんなことをしたら・・・!」
皆が鎖を引っ張ると鎖から電流のようなものが流れ弾かれた
「なんだよこの鎖」
「この首輪は爆弾になっていてタイムリミットになったら起爆コードが鎖から送られて爆発するの。下手に刺激したら誤爆するかもしれないのよ」
「ん~、部長。なんかいいアイディアないですか?」
「ふむ、鎖とは引っ張る力には強いがねじられる力には極端に弱いからな。極力にじったところからこの斧で叩ききればいけるんじゃないか?」
「よし、それでいこう」
「人の話を聞きなさいよ!この辺り一帯もあんた達も吹き飛んじゃうかもしれないのよ」
「だからどうした?」
「え?」
「私、もっとニンフさんと一緒にお話ししたいの」
「私もだよニンフさん。今度、女の子達だけでショッピングに行きましょう」
「日和・・・そはら・・・」
「お前は俺達を巻き込まないように一人になった。だけど俺達はお前を助けたいんだ。それにイカロスが一人で頑張っているんだ。イカロスが体張って頑張っているのにマスターである俺が逃げるわけにはいけないだろう」
シュウ達が下で頑張っている時に上空ではイカロスは二人を相手に戦っている
ハーピーは二人の連携攻撃でイカロスに攻撃を仕掛けるがイカロスはその攻撃を防ぎ反撃して相手に着実に攻撃を当てていく
「くそ、こうなったら
二人は片腕を銃火器に変えイカロスに狙いを定めて発射する。着弾し爆発したが煙が晴れるとイカロスは
「構わず撃ち続けろ!」
絶え間のない連射を行うがその全てが防がれる
「コネクト」
イカロスの羽が電子に変わり空中に接続されるとイカロスの後方から巨大なロボが出現した
「あれは・・・」
「ウラヌス・システム」
「ケルベロス」
イカロスの言葉でロボの中から大量のビットがハーピー目掛けて発射された
「くっ!」
ケルベロスには追尾性能もありどこに逃げても追いかけてくる
「この!」
ハーピーが無理な態勢で
「何!」
跳ね返った攻撃をかわすとかわした先にケルベロスが直撃しPrometheus《プロメテウス》を破壊した
「こうなったら接近して肉弾戦だ」
「おう!」
ビットの雨の中を潜り抜けイカロスに接近するとイカロスの後方からウラヌス・システムから巨大な二本のアームがステルス機能を解除してハーピーに迫る
「しまっ!」
回避する事も出来ずアームから形成された重力の結界に閉じこまれそのまま後方へと押されていった
イカロスは後方のロボにエネルギーを収束していき巨大なエネルギー砲を放つ準備を整える
シュウ達も電流の痛みを我慢しながら鎖をねじっていく
「シュウ!最後はお前が決めろ!」
「了解!部長」
部長から斧を受け取り思いっきり振り上げる
「砲撃!」
「いっけぇぇぇぇ!」
イカロスの砲撃がハーピーの間を通り過ぎていきシュウが振り下ろした斧はニンフの鎖を断ち切った
イカロスの砲撃でハーピー達は空へと逃げて行った
「敵勢力の撤退を確認。通常モードに移行します」
瞳の色がいつもの緑に戻りゆっくりと下に降りる
「マスター、鎖の方はどうですか?」
「断ち切ってやったぜ!」
自慢げにイカロスに切れた鎖を見せる
「良かった」
イカロスはホッとした様子でニンフの傍に行く
「ニンフ」
「何よ?」
イカロスは空を指さしニンフは空を見上げると前にイカロスの言った言葉を思い出す
「あぁ・・・
この日、初めて自由を手に入れたニンフはきっと初めて笑う事が出来た