召喚現代兵器は深海棲艦を打倒できるか   作:天城土佐

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戦闘回です。
登場艦娘は最後まで悩みました。
航空機の塗装は趣味で変えました。


第四話 蒼い幻影は海原に何を見るか

side鎮守府

五十鈴「3時方向艦爆来るわよ!」

陽炎「8時方向魚雷反れたわ!」

不知火「戦闘機から銃撃受けるも損害軽微です。」

黒潮「後方よりさらに敵機接近やわー。」

四人の艦娘達が深海棲艦の軽空母艦載機に襲撃を受けていた。

五十鈴「皆もう少し頑張って、この先に島があるからそこまで行けば凌げるわ。」

四方八方からくる敵航空機からの攻撃を避けながら駆逐艦娘達が返事をする。

駆逐艦ズ「了解!」

それを頼もしく見ながら指揮を取る軽巡五十鈴は迂闊にも射線に入った敵機を撃ち落としながら前方を見る。

五十鈴「前方の島でやり過ごすわよ、あそこは入り江もあるし森も濃いわ!」

黒潮「了解やわ~、でも五十鈴はんなんでそんなこと知っとりはるん?」

陽炎「前に五十鈴さんと遠征に出た時にあそこで休憩したのよ。」

不知火「それならば納得ですが、なぜ五十鈴さんは少し落ち込んでいるのですか?」

すこししょげた五十鈴が答える。

五十鈴「なんでも無いわ、気にしないで。(セリフ取られたわー)」

不知火「それならば良いのですが。」

陽炎「島まで後15キロ!」

黒潮「島から何か来るでー。」

敵機を牽制しながら各人が島を見ると聞いたこともない轟音を響かせながら何か高速の物が飛んでくる。

不知火「所属不明機、接近!」

黒潮「なんやあの速さわ~。」

陽炎「不明機、敵機と交戦!すごい、一発も撃っていないのに蹴散らしていく。」

不知火「不明機、藍色、プロペラ見えず、低翼大きな三角、水平尾翼は斜め下。」

敵機が不明機に掛かりきりになり、余裕の出来た不知火が不明機を観測し特長を記録していく。

こちらに向かってわずかに翼を振る不明機。

五十鈴「翼を振った?味方へのバンク?こちらとは敵対しないということ?」

まるでこちらを援護するような不明機の行動にに疑問を浮かべながらも五十鈴は損は無いと割り切る。

陽炎「島より更に航空機?いえ、飛翔体が複数接近!」

黒潮「こっちやのうて敵の方に向かうなー、あれはろーちゃんが持ってきたぼるふげれ~とってやつに似てるな~。」

不知火「飛翔体が敵機を追い回してます、むしろ明石さんが実験していた対空噴進砲という物なのでは?」

島から飛んで来た謎の飛行物体にあれこれ騒ぐ駆逐艦達。

五十鈴「島にいるやつは私達を援護してくれるみたいたからこの隙に急ぐわよ。」

不知火「敵機こちらより離れていきます、罠なのでは?」

陽炎「それなら深海棲艦と一緒にこっちを叩いてるわよ。」

黒潮「せやなー、敵の敵は味方っちゅー言葉もあるけどどないやろか?」

五十鈴「たとえ鬼が出るか蛇が出るか、たとえ罠でも食い破るだけよ。」

飛翔体に追い回され数を減らした敵機が業を煮やしたのか、目標を艦娘達から島に変え進んでいく。

陽炎「敵機島に向かいます、飛翔体さらに複数敵機に向かっています。」

不知火「飛翔体、敵機に体当たりしました。というより無人誘導奮進弾でしょうか?」

五十鈴「対空訓練用の無線誘導(ラジコン)九三式中間練習機(赤とんぼ)のような物かしらね。」

黒潮「今度は対空機銃撃ち始めたでー、敵機がどんどん墜ちよるわー」

不知火「曳光弾がまるで一つの線の様に見えます。」

五十鈴「敵機が殆ど居なくなって残りは撤退するみたいね。」

黒潮「島から更にでっかいやつが飛んでったでー」

陽炎「敵機全滅、島から飛翔体・対空砲火止みました、残りは不明機一機だけです。」

五十鈴「じゃあ助けてくれたお礼を言いにあの島に行くわよ、だけどあの見たことのない機体といい最低限の用心だけはしておいてね。」

駆逐艦ズ「了解。」

程なくして五十鈴達が島に到着すると森の中から一人の男が装甲車と共に歩いて来た。

鞍馬「(本当に女の子が海の上に立ってるわー)っと失礼、この暮瀬島へようこそ、私は鞍馬冬馬(くらまとうま)といいます。」

小銃は肩に掛けているが携えることもせずに装甲車の砲口も上空へ向け敬礼をする男を見ながら、取り合えず敵対はしなさそうだと五十鈴達は男に敬礼返す。

五十鈴「海軍海上歩兵パラオ鎮守府所属 軽巡五十鈴です。」

陽炎「同所属駆逐艦陽炎です。」

不知火「同所属駆逐艦不知火です。」

黒潮「同所属駆逐艦黒潮です。」

艦娘達が答礼を返すと男の顔が名前を告げたあたりから次第に困惑していった。

鞍馬「済まない、海・・・軍のことは詳しく無いのだが、ここは休息と交流を兼ねて当基地に招待をしたいのだが如何かな?」

今度は五十鈴が困惑する版であった。

五十鈴「(こんなところに基地なんて無かった筈だけど)・・・それではお言葉に甘えて、休んで行きたいと思います。」

五十鈴の発言にホッとした表情を見せる鞍馬。

鞍馬「ではこちらにどうぞ、途中洞窟を通りますがご容赦を。」

鞍馬が五十鈴達を森の中の洞窟へ案内すると、五十鈴の後ろで駆逐艦達が小声で雑談をする。

不知火「陽炎、以前はこんな洞窟があったのですか?」

陽炎「前は南の水道から入ったし洞窟も気づかなかったわ、それに基地なんて聞いたこともないわよ。」

黒潮「せやなー、あんなもんあるなら噂にならんほうがおかしいからなー。」

五十鈴「貴女達、もうすぐ洞窟を抜けるから止めときなさい。」

駆逐艦ズ「(こくこく)」

駆逐艦達が頷いたところで洞窟を抜け目の前に光景が広がった。

鞍馬「お嬢様方、暮瀬基地にようこそ、当基地は貴女達を歓迎いたします。」

島に囲まれながらも飛行場やクレーン付き港にコンクリート製の頑丈そうな建物と、予想以上に立派な基地に驚きを隠せない艦娘達であった。




黒潮がいちばん書きやすかった。
(作者は大阪の人です。)
軽巡は由良も考えたのですが紅茶副官だったり観測機だったり突然歌い出したりする動画を見ててあそこまで動かせないなと思い、頼れる五十鈴さんを起用しました。
駆逐艦に関しては陽炎型の日常シリーズ、とてもいいと思います。

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