数時間経ち先程の場所に小柄なシミター偵察車がやってくる。
「これで一周か、周囲に何も見えない見事な絶海の孤島だったなー。」
【偵察出来た範囲をマップに表示しますか?】
「・・・自動マッピングとは本気で便利だな。マップ表示。」
【マップ表示します】
目前に今まで探索した島の地形が表示された
南が欠けたドーナッツまたは三日月やクロワッサンといった形で、森に覆われており北の山より東にかけて小川が流れている。
南の水路は船舶が通行出来そうな位には広く、中央部の湾は南以外では見えづらく内側と東西北を繋ぐ車両通行出来そうな洞窟、島西側と内側東に小さいが拠点が作れそうな平野があった。
「賞金稼ぎの飛行艇乗りの島か潜水艦用秘密基地ぽい島だな、湾内に基地作って潜水艦で周囲探索しようかな。」
【新基地のための基地部隊は収入規模800以上で生産可能になります。資金5000生産力400収入規模400を消費し生産、基地設置場所にて建設してください。】
【現在収入300工業力100ですので最短8ターン後に生産可能です。収入を優先してから工業力を拡大した場合8ターン後までの収入合計は4900です。】
「今資金2600の収入合計4900だから7500か、基地設置のための5000と食事のための補給車除いて2200、対空ミサイル設置で防空強化からヘリで周辺捜索も有りか」
シミター偵察車を進ませながら思案する。
「対潜は対潜魚雷積んだシーリンクス一択だな、対空も中距離のホーク防空ミサイルに短距離のレイピアとM163対空機関砲があるか。」
海岸から洞窟に潜る。
「問題は対艦だな、陸軍はゲーム上攻撃不可で精々無理してM109自走砲かM107大型自走砲を撃つ位、海軍はO.H.ペリー級フリゲートか209型潜水艦しか戦闘艦がないし金が2900と3200で高い、空軍は対艦ミサイル積んでるのがJAS39グリペン戦闘機だけで金が4700とこちらもたかいよな、敵がどんなものかわからないけど、ペリー級が現実的かなー」
洞窟を抜け湾に面した開けた所に止まる。
「待てよ小国は空母生産国じゃないのに艦載機があったな」
【A-4スカイホーク艦載攻撃機金900工業力50を消費して生産しますか?艦載航空機は運用に空港又は空母が必要です。】
【空港建設には空港部隊を収入規模600に資金3000生産力200が必要です】
「さすがに空港が要るか、空港部隊はゲームに無かったけど便利になるな、スカイホークの武装はー」
【小型爆弾(250キロ爆弾)、短対空ミサイル(AIM-9Pサイドワインダー)、航空機関砲(20ミリ航空機関砲)があります、小型爆弾は対艦攻撃可能です。】
「基地建設を最優先にするか、艦船整備や自動補給もしたいからなー、対空ミサイルや航空機関砲に対戦車ミサイルや対潜魚雷って対艦に使えるの?」
【使用可能ですが本来の用途では無いため命中率や威力が低下するか軽微な効果しか与えられないことがあります。これは陸上部隊の自走砲、戦車砲、各種対空、対地ミサイル等の目的外目標も同様です。】
「一様155ミリ(M109)や175ミリ榴弾砲(M107)もいけるけど、当たるかどうか、あっても効果は保証しないってことか、まあ不発対艦ミサイルで沈んだ軍艦や機銃で誘爆した軍艦も居たはずだしいざって時はやるか。」
シミター偵察車から降りてきて、目を輝かせて満面の笑みで両手を広げた
「日も落ちてきたし、本日の晩飯の為に補給車生産!」
【補給車金300工業力50を消費して生産します。】
目の前が光り、OD色のトラックとその後ろに野外炊具一型改が現れた。
「ヒャッハー晩御飯だ~?なぜ一型改が?」
【必要設備ということでまとめられています。野外炊具一型改だけなら金100工業力50で生産出来ます。】
「なんて至れり尽くせり、さあ補給車は何が入ってるかなー、一型改の燃料のガソリン缶に灯油缶に、水缶にレーションの段ボール箱だー、この見覚えある工具箱はまさか俺が使ってた茶器セット?」
【レーションは陸自戦闘糧食一型各種混合、同二型改各種混合、トレーニングレーション各種混合、乾パン等を用意してます。】
「缶飯にOD色レトルトセットに民生品のレトルトセットに相変わらすの金平糖入り乾パンとオレンジスプレッドとウインナー缶にSDFヌードルもあるー」
段ボール箱をごそごそして晩御飯を物色する。
「ここは演習で暖かいまま食えなかった缶飯かなー、とり飯と牛肉野菜とたくわん漬~、一型改は流石にでかいし自前のやつでやるか。」
茶器セットが入った工具箱と缶詰と水缶をシミターの上まで運び茶器セットの中身を確かめる。
「小型片手鍋に、組み立てフライパンにガスポンベ3本と組み立てコンロと防水ターボライターに、包丁まな板中性洗剤とスポンジに鍋敷と断熱アルミ鍋置きに、調味量にミル付胡椒と岩塩と塩胡椒と七味と、飲み物に粉茶と紅茶パックとスティック砂糖と粉末ミルクにステンレスコップとスプーンと割箸一杯と紙コップ一杯か、現役の時のフルセットで入ってるな。」
手慣れた様子でコンロを組み立ててボンベを接続し、片手鍋に缶飯を入れてから水を入れて火を着ける。
「45分かかるんだったなー、たしか飯ごうあったしスープの素とかあれば作れるな」
【民生品の味噌汁、スープ類、粉末コーヒー、紅茶パック、緑茶パック、粉末ココア等は増加食として積載されています】
「有るんだ、まあ牛丼屋の牛丼の素もあったしなー。なら探すか」
また補給車に戻り目的の物を持って戻ってくる。
「味噌汁の素も付けて割と豪華な晩飯になるなー」
温まった缶飯を取り出し、湯を捨て濯いでから水を入れ温め直す。
「缶切りでとり飯開けるぞ、熱いー。」
付属の小さな折り畳み缶切りでとり飯缶と牛肉野菜缶とたくわん漬缶を開けていく。
「湯気が出てる缶飯食べるの何年ぶりかなー。」
暖まった湯を味噌汁の素を入れた飯ごうに注ぎ、余った湯をコップに注ぎパックを入れて火をお茶を作る。
こうして湯煎して開封したとり飯缶と牛肉野菜缶にたくわん漬かんと味噌汁入り飯ごうと熱い緑茶(パック)が揃った。
「いただきます。」
すっかり日が落ちたが月明かりと補給車にあったオイルランタンで灯りを取りながら、食事を取っていく。
「教育隊の時は缶飯が冷めてて、食えないことは無かったけど箸が折れるやつがいっぱいいたなー」
昔をしみじみ思いながら食べ進めていく。
「たくわんええわー、現役の時使っていた折り畳みベッドと折り畳みマットに寝具巻きと毛布とシーツの寝ぶくろ有ったからゆっくり寝れるな。今日は暗くなったからシミターの中で寝るか」
寝る算段もつけ、食事を終わらし片づけをしてから偵察車の中で眠っていった。
説明回後編でした。
これでようやく初日が終わります。
作中の茶器セットというのは自衛隊の演習中に士気高揚用にお茶や間食用のお湯を用意するための湯沸しセットと食器類のことで各人様々な物を用意しています。
今回は一杯入っていますが概ね作者が現役中使ってた内容です。
次回は周辺探索と待望の艦娘の登場を予定しています。