sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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読者の皆様、メリークリスマス、ですm(_ _)m

今年も大好きなアニメに囲まれた幸せなクリスマスを過ごせそうです(笑)

さて、今回はヒナタ達のクリスマスを描きたいと思います。
前編、後編と分かれておりまして…大変、申し訳ありませんが…後編はクリスマスが終わった26日が予定更新日となっております。

では、ヒナタ達がどんなクリスマスを過ごしているのか…?
少し覗いてみましょう(´∀`)


行事ーeventー
【クリスマス・2017年記念】ニコラスの再来 前編


「んで、今日そのニコラスやらが出るって?」

 

あたしは今、イグドラシル・シティ大通りに看板を出す【リズベット武具店】へと来ていた。

あたしの隣にはこの武具店の店主・リズベットことリトが腰掛け、その向かいには 水妖精族(ウンディーネ)のアスナことアッスーがおり、その隣にはピクピクとふさふさの三角耳を動かしている猫妖精族(ケットシー)のシリカことシーがいる。

着々、開かれるこの女子会の参加者はここにいる四人を含めて、約11名…我らパーティは男女比率でいうと、ダントツ的に女子の比率が高い。

故に、時折…こうしてみんなで集まっては女子会を開いている。

 

そんな女子会の一幕であたしは気になったワードを横に座るリズベットへと尋ねる。

 

「そうそう、今日って12月24日でしょう?」

「夜の24時っていうかなり遅い時間帯にあるんだけど…キリトくんがいうには、一人で挑むにはかなり強いらしいから」

「へぇ〜、そんなに強いんだ、そいつ」

 

そう呟いて、目の前にいる紅茶を一口含んだあたしへとアスナが笑いかける。

 

「うん、当時のキリトくんが初めてHPの赤いゾーンまで行ったらしいから」

「そういう事なら、みんなでそのクリスマスイベントをしてみたらどうかって…キリトさんと話になって」

「クリスマスまでみんなでゲームってのもいいかもね。クラさんとか特に寂しそうだし」

「カナタさん、流石にそれは言い過ぎですよ」

「だって、事実でしょう?職場が同じだからって、事あるごとに突っかかってきて…あたしも疲れてるんだよ…」

「「「あぁ…」」」

「まぁ、どんまいよ、カナタ」

 

リズベットのその一言で終わりを迎えたこの女子会は、それぞれ担当に指名された人へとコンタクトを取っていた…。

『今日、一緒にクリスマスイベントを攻略しないか?』とーー

 

 

 

【背教者ニコラス】

それが今回挑むことになったクリスマスイベントのボスの名前らしい。

既に、そのボスを攻略済みのキリトとこキリ曰く…あのサンタクロースを醜悪したような容姿で、その姿に似合った強さだったそう。

ますます、そのニコラスとやらと対峙したくなった…といってしまったら、いよいよあたしも末期のゲーマーなのだなと実感させられる。

 

自分よりも強いボスを自分が出せる知恵と能力で打破するというのは…ゲーマーのあたしからしてみれば快感とも言える感覚であった。

それに友も加われば…更に楽しいという気持ちも加わる。

 

さて、話は戻るが…そのニコラスやらが出現する12月24日となっている。

もっと言うと、このニコラスやらは実装された頃からこの日になると出現していたそうだ。

だがしかし、なぜあたし達はそのニコラスに挑戦しなかったのか…?

 

その経緯は下の通りとなっている。

 

あたし達が遊んでいる次世代飛行型MMO《アルヴヘイム・オンライン》ーー通称・ALOへとアインクラッドが実装されて、早二年その中でより多くの出来事があり、その苦難を心しれた友ともに慌ただしく駆け抜けてきた。

その為、このようなイベントなどには不参加だったのだが…今年なんとか、こういったイベントに参加できるらしい。

だって、誘った全ての友が二言で「OK!」と返事してくれ、それが嬉しくもあるが…我がパーティはクリスマスイブというのに…リアルでは大切な人と過ごす事もなく、みんなでゲームと言うのがなんとも色んな意味で寂しくはあるのだが…まぁ、そう言うことは抜きにしても…みんなでどんちゃん騒ぎ出来るのは楽しい。

 

と言うのが、あたしこと香水陽菜荼が感じていることである。

 

「とか言って、本当はニコラスの財宝に目が眩んだんでしょう?」

「詩乃ぉ〜、そんなにべもないようなこと言わないでよ」

 

頬を膨らますあたしから視線をプイッと横にズラしたこのマンションの同居人かつ恋人の朝田詩乃から漂ってくる黒々したオーラにあたしは冷や汗をたらりと垂らす。

どうやら、今回のクリスマスイベント参加を勝手に決めてしまったのがお気に召さなかったらしい。

いつになく不機嫌オーラを醸し出す恋人へとあたしは身振り手振りで参加したかった理由を伝えるが、子供のように唇をとんがらした詩乃により真っ二つに切り落とされる。

 

「だって、事実じゃない。私がいない間にそんな事を勝手に決めるなんて。

…………今日だけは二人っきりで居たかったのに…」

「し、詩乃も喜んでくれるかなぁ〜って思ったんだよ…。最近、忙しくてさ…ALOを一緒に出来なかったでしょう?こういう時しかさ、ゆっくりプレイ出来ないしさ…それにさ、そのニコラスって奴めっちゃ強いんだって!それは攻略しなきゃって…燃えるじゃん!?」

「ほら、結局は陽菜荼の都合なんじゃない」

「だから違うって。あたしは純粋に詩乃と…」

「もういいわ。ほら、約束時間になるから…ALOにダイブしましょう?」

「…ん」

 

あたしは詩乃の隣に身体を滑り込ませると愛用していているアミュスフィアを装着し、チラッと横にいる詩乃を見るが…相変わらずに機嫌は斜めのご様子だった。

だって、いつもはこっちを見てくれるんだよ!?それがなんて事でしょう…あたしがいる方へと背中を向けた詩乃は小さくコマンドを口にする。

 

「…リンクスタート」

「…リンク、スタート…」

 

何故、詩乃が怒っているのか…?

理由も分からないまま、あたしはニコラス攻略へと性を出すことになった……




さて、攻略の開始直前から詩乃さんの機嫌を損ねてしまったヒナタですが…終わる頃には、二人は仲直りできているのでしょうか?

気になる後編は12月26日を予定しております、それまでどうかお待ちを…m(_ _)m

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