剣(つるぎ)の世界で   作:ネギ丸

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サブタイトルで若干ネタバレしてるかもしれません。ごめんなさい。今回は主人公の初討伐クエストです。RPGといったらこれですよね。それでは、剣の世界で第6話をお楽しみください。


第5話 : 難易度E・キングボアを討伐せよ(前半)

初めてのクエストを終えた俺たちはその後夕食を食べ、宿屋に泊まった。借りた部屋へと入った俺たちはすぐに寝てしまった。

 

翌朝、窓から差し込む眩しい朝日を浴びて俺は目が覚めた。部屋の壁に掛けてある時計を見ると朝の7時ごろであった。

 

「ふああぁ〜〜。おはよ〜、マスタ〜。」

 

エシリアもちょうど今起きたようで眠たそうな目をこすりながら大きくあくびをした。

部屋を出て、宿屋の食堂で朝食を終えた俺たちは朝の商店街へと向かった。目的は、朝の散歩と俺の服を買いに行くことだ。異世界に来てから俺は寝間着のジャージを着て過ごしていたのだ。これではせっかくのファンタジー感が台無しである。

朝早いというのに商店街は人で賑わっていた。俺たちは服屋へ入り、俺の服を選んだ。時間はさほどかからずに俺の服は決まった。白をベースにしたシャツに黒い長ズボン、茶色いブーツ、そして赤い上着を羽織ったスタイルに決まった。俺たちは会計を済ませて店を出た。ジャージはついでに買ったカバンの中にしまった。

次に俺たちは冒険者ギルドへと向かった。中へ入り、クエスト受付所へ行くと、受付嬢のカリータさんが優しく微笑んで迎えてくれた。

 

「おはようございます。ケンマ様。今回はどういったご用件でしょうか?」

 

「今日はモンスターの討伐クエストを受けたいんですけど、オススメはありますか?」

 

俺はカリータさんにそうたずねると、

 

「わかりました。少々お待ちください。」

 

とカリータさんは言い、カウンターの横の掲示板の前に立ち、

 

「こちらのクエストはどうでしょうか?」

 

と言い、一枚の依頼書を俺に差し出した。俺はその依頼書を手に取り、内容を確認した。クエストの内容はバルトリア草原に現れるワイルドボアというイノシシ型のモンスターの群れのリーダーのキングボアを討伐することだった。

 

「最近このワイルドボアの群れが街の人たちの畑を荒らしているらしいんですよ。基本ワイルドボアの群れはリーダーがいなくなれば自然と解散するので被害も少なくなると思います。難易度はそれまで高くないので駆け出し冒険者様でも十分にクリア可能ですよ。報酬は30000エギルと少しお高めです。クリア報告の際に、キングボアの牙をお持ちいただければクエストクリアとなります。尚、キングボアとの戦闘の場合は部下のワイルドボアたちも襲いかかってくるので周りにも差をつけたほうが良いですね。どうでしょうか?このクエストをお受けになりますか?」

 

なるほど、お小遣い稼ぎもできて自身の能力アップも同時にできるのか…。これは……………

 

「受けるしかありませんね。」

 

「かしこまりました。では、お気をつけていってらっしゃいませ。」

 

カリータさんはそう言い、俺たちを見送ってくれた。そして俺たちはバルトリア街の南部にあるバルトリア草原へと向かった。

 

草原は街から徒歩で1時間と、少し遠いところに位置していた。ワイルドボアたちはここを住処にしているらしい。俺が草原を歩いていると、前の方でワイルドボアがこちらを睨んでいる。どうやら縄張りに入った俺たちを警戒しているのだろう。俺はエシリアにどこかに隠れるように言った。そして、エシリアは近くの木の上に身を隠した。ワイルドボアはじりじりとこちらとの距離を詰めてくる。そして次の瞬間、ワイルドボアは俺に向かって突進をしてきた。俺はそれを素早く避け、スキル名を口に出した。

 

「『剣製』!」

 

すると俺の右手から鉄製の剣が生成され、俺はその剣をワイルドボアに向かって斬りつけた。剣はワイルドボアの腹部を斬り裂いた。ワイルドボアは突進の勢いのまま吹き飛んだ。しかし、すぐに立ち上がった。俺はもう一度ワイルドボアに向かって攻撃した。ワイルドボアは傷のせいで動きが鈍っており、かわすことができずに剣はワイルドボアたちは頭部を切り裂いた。ワイルドボアは「ブギャアアーー‼︎」と大きく鳴いた後にパタリと倒れた。俺はワイルドボアが死んだのを確認し、立ち上がったその時、

 

「ブルオオオオオーーー!!!!」

 

と大きな雄叫びが後ろから聞こえた。振り向くとそこには三匹のワイルドボアを連れたキングボアがこちらを鬼のように睨んでいる。キングボアは周りのワイルドボアに比べて身体がひとまわりもふたまわりも大きい。そんなことを思っていると、部下のワイルドボアが同時に突進してきた。俺はそれをかわしながら、剣を振った。剣は三匹のうちの一匹の頭部を切り裂き、絶命させた。俺はさらに突進後に隙ができた二匹を後ろから斬りつけ、ほぼ同時に倒した。残るは親玉のキングボアのみ。俺はキングボアに視線を向けると、キングボアは物凄い勢いで突進してきた。キングボアの身体は大きいため、かわせないと判断した俺は剣で突進を受け止めようとした。しかし俺は弾かれ、大きく宙を舞った。

 

「ぐっ!」

 

俺はなんとか体勢を立て直し、キングボアを3回斬りつけた。しかし、ダメージは小さく、キングボアは少しよろっとしただけだ。少し体制を整えるため俺は全速力でキングボアから離れ、大岩の後ろに身を隠した。そして俺は考えた。どうすればあの巨体にダメージを与えられるのかと。

キングボアはすぐそこまで近づいている。早く何か逆転のチャンスはないのか。俺は頭をフル回転させながらこのじょうきょうの打開策を考えるのであった。




ケンマの頭は打開策を導き出せるのか?

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