それでは、剣の世界で第5話をお楽しみください。
役所で無事に個人登録カードを入手した俺たちはバルトリア街の冒険者ギルドへと向かうのであった。そして今、俺たちは冒険者ギルドの前にいるのであった。
「とうとう着いたわね。冒険者ギルド!」
エシリアは目を輝かせながら張り切って言った。
「役所からここまで5分も歩いてないけどな。」
「ちょっとマスター!こっちは新米冒険者のつもりで心をドキドキさせながらここに立ってるってゆうのに、その心に水を差すのはやめてくれないかなー。」
エシリアは頰を膨らませながら俺を叱った。
「ごめんごめん。そういうつもりじゃなかったんだけど…。それにしても、やっぱりこう、ドキドキするよなー!」
正直俺もドキドキしていた。
「でしょー!やっぱりマスターは私のマスターだなぁ。」
そんなどうでもいい話は置いといて、俺たちは建物の門を開いた。すると、そこはまるで酒場のようで冒険者であろう者たちが食事をしたり、騒いだらしている。俺はその雰囲気に少し押されながらも、中に入り、周りを見渡した。すると入口から見て右斜め前の階段に『冒険者登録は二階まで。』と書いてある看板が立てられていた。俺たちはその階段を登り、受付所の前に着いた。その窓口には若い男性が優しく微笑みながら座っていた。
「ようこそ、バルトリア冒険者ギルドへ。僕は冒険者登録受付担当のハーツです。冒険者登録の要件ですか?」
彼は丁寧に挨拶をし、俺たちに要件を聞いてきた。
「はい、そうです。」
「でしたら、個人登録カードはお持ちですか?」
ハーツさんは俺にそう質問し、俺は「はい。」と返事をし、個人登録カードを受付のカウンターの上に置いた。ハーツさんは、
「では、少しお借りしますね。」
と言い、俺の個人登録カードを受け取り、内容を確認した。
「なるほど…。ステータスを見る限り、職業は剣士がオススメですね。剣士は攻守のバランスが良く、多彩なスキルや魔法を覚えますよ。就職は剣士でよろしいですか?」
魔法?この世界には魔法もあるのか。魔法のことは後でエシリアに聞くとして、今は登録が先だ。
「はい。オススメでしたらそれでお願いします。」
「承知しました。それでは、カードの魔法陣に指をおいてください。」
ハーツさんは俺のカードに何かを記入した後にそう言った。そして、俺は魔法陣に指をおいた。そしてカードが光り出した、少し指がピリッとした。光がおさまると、俺はカードから指を離した。
「これで冒険者登録は完了しました。カードに間違いがないか確認してください。」
そう言ってハーツさんは俺にカードを渡した。俺はカードを受け取り、内容を確認した。すると、カードには『冒険者・剣士』という文字が追加されていた。
「職業によって習得できるスキルや魔法、アビリティが異なります。また、個人によっても習得できるスキルや魔法、アビリティが変わります。スキルなどの習得時はその効果をしっかりと確認してくださいね。ちなみにカード上のスキル名のところを押すと詳細が見れますよ。それでは、今日から冒険者として頑張ってくださいね。」
ハーツさんはそう言い、お辞儀をした。俺たちはお辞儀を返し、階段を降りた。次に俺たちがやるべきことは「クエスト」である「クエスト」はギルドに持ち込まれた依頼を解決することだ。俺たちは依頼が貼ってある掲示板へと向かった。掲示板の前まで来た俺たちは早速依頼を確認する。そこにはたくさんの依頼が貼ってあった。どれを選べばいいのかわからない…。俺が困っていると、掲示板の隣の受付所の窓口にいる若い女性に声をかけられた。
「すみません。少しよろしいですか?」
俺は返事をし、そっちへ向かった。
「私はクエスト受付所所担当のカリータと申します。どうぞよろしくお願いします。あなた、駆け出しの冒険者様ですね?それならばこのクエストがオススメですよ。」
彼女はそう言い、依頼の紙を渡した。その依頼の内容はバルトリア街周辺の草原でアンミン草を採取することだった。
「このクエストはどの冒険者でも参加できる簡単なクエストで、アンミン草の数もいくつでもいいですよ。さらに、今ならアンミン草一つの買取価格が50エギルから100エギルに値上がりしています。」
そう言い、カリータさんは、俺にこのクエストを勧めてきた。もちろん俺はそのクエストを受けた。
そして今俺たちはバルトリア街付近でアンミン草を採取している。日はもう沈みかけていて、時間では6時ごろだろう。
「エシリアー。そろそろ採取を終わらせるぞー。」
俺のその言葉に反応し、エシリアは小さい体で頑張りながらアンミン草を6個ほど抱えてきた。アンミン草は2人合わせて150個ほど採取した。俺たちはそれらをギルドに持ち帰り、受付嬢のカリータさんにクエストの報告をした。
「アンミン草が全部で162個ですね。それでは全て買取させていただきます。」そう言ってカリータさんはアンミン草が詰まった木箱を抱えてカウンターの裏へと持ち運んだ。
「それでは、アンミン草162個の買取価格の16200エギルとなります。」
そう言ってカリータさんは俺に16200エギルが入った袋を手渡した。これでどうにか宿屋には泊まれそうだ。今日は夕食を食べて風呂入って寝よう。明日からは他のクエストもこなしていこう。そう思いながら、俺はギルド本部を出て、夕食を食べにいくのであった。
次回はケンマイメチェン⁉︎