会話文が非常に長くなってしまいました。
あと、前回の反省を生かし、会話文を見やすくしました。
それでは、剣の世界で 二話を宜しくお願いします。
無事モンスターを倒した俺たちは森を抜け、大きな草原にたどり着いた。結構走ったり歩いたりの繰り返しで俺はかなり疲れていた。
「ふー。無事に脱出できたねー。ここならモンスターも出てこないし安全かなー。」
エシリアはぐっと背を伸ばした後、俺に話しかけた。
「改めて、ようこそマスター。あなたはこの世界の悪の権化、魔王を倒すべく別の世界から連れてこられた勇者の一人なのです。これからあなたは私と一緒に旅をして、魔王を倒させてもらいます。」
エシリアは張り切りながらそう言いった。しかし俺はひとつ疑問に思った。
「連れてこられた勇者の一人ってことは俺以外にも他の誰かがこの世界にとばされてきたのか?」
「うん。そうだけど、確か…百人はこっちに飛ばされたのかな?」
「百人とは、結構多いな…。」
「まあね。この世界の住人も魔王討伐のために戦ってるんだけどさー、全く勝てる様子もなくてね。そしたら他の世界から勇者を連れてこようって話になったわけよ。」
俺は少しびっくりした。
「この世界は他の世界から人を連れてくることができるのか?」
「んー。詳しくはわからないんだけど、ある国の技術者が異世界から人を連れてこれる技術を開発したとかって話は聞いたよー。そして、その国の王がこの異世界人に魔王討伐を頼もうって計画を立てたって感じかな?」
俺はさらに質問を返す。
「その国の王はどうしてまた異世界人に魔王討伐をさせようと思ったんだろう?」
「何でも、異世界人はこの世界に来ると何らかの特殊なスキルやアビリティを習得するらしいのよ。」
またここで疑問が増えた。
「そのスキルってやつは何なの?あとアビリティは初めて聞くし。」
「あー、ごめんごめん。それを説明するのを忘れてたよ。」
エシリアは申し訳なさそうに笑いながら言った。
「この世界ではね、人間だけが持つ能力、スキルとアビリティがあるの。それで、スキルはね、その人が所持する必殺技のようなもので、そのスキルを使っていけば、そのスキルのスキルレベルを上げることができるよ。そして、習得しているスキルを使うにはそのスキルの使用条件を満たしていて、使用したいときにスキル名を口に出せば使えるよ。」
「あれ?さっきはスキル名言ってなかったけど…。」
「あー、あれはどのスキルにもある初回限定よ。まだ、そのスキルを使用したことのない状態のみ使用できる裏技みたいなものよ。」
「なるほどなー。んじゃあ、条件っていうのは例えばどんなのがあるんだ?」
「そうねー。主に『指定の武器を装備している』だけど、他には『使用者が建物の外にいる』とか『続けて使用するのに時間がかかる』とかかな?」
思ったよりも細い条件だな。
「じゃー、アビリティってやつは何なんだ?」
エシリアは大きくあくびをした後に俺の質問に答えた。
「アビリティはその人が意識しなくても常に発動している特殊能力よ。能力の効果は『物理攻撃の威力をアップ』や『筋力アップ』とか『炎耐性』とか、種類はとても豊富なの。」
まるでゲームみたいだな。いや、そんなことは置いといて、さらに俺はエシリアに質問する。
「そのスキルやアビリティはどうやって確認できるんだ?」
「それはねー、町にある役所で『個人登録カード』っていう魔法道具を貰えばいつでも確認できるよ。無料で配布されているから入手するのも簡単だよ。」
なるほど、だとすれば俺がまずやるべきことは…
「エシリア、腹も減ったしとりあえず街を目指そう。」
俺は空腹のあまり本音が出てしまった。エシリアはクスッと少し笑ってから言った。
「それじゃあまず街を目指そうか。お金なら大丈夫よ。各自の担当者に渡すようにって金貨を一枚国の責任者から貰ってるから。」
そう言うとエシリアは自分が担いでいたカバンから金貨を一枚取り出し、俺に渡した。エシリアのバッグはどうやら金貨を入れるためだけに渡されたらしい。金貨一枚がようやく入る大きさだ。
俺はエシリアから金貨を貰い、それをポケットにしまった。
「それじゃあ、街を目指すんだけれど、ここから一番近い街ってわかる?」
俺はエシリアに質問した。
「そうだねー。ここから一番近いのは…バルトリア街だね。かなり大きい街だし、冒険者ギルドもあるみたいだからちょうどいいねー。」
「んじゃー、とりあえず早く街について飯食ってからこの先のことを決めるかー。」
そして俺たちはバルトリア街に向けて道を進んだ。