ドラゴンボールとハイスクールD×Dのクロスオーバーを投稿したいと思います!
亀更新になるかも知れませんが、どうかお許しください!
では、どうぞ!
最後の戦士
━━━西の都。
近代的な高層建築物が建ち並ぶこの都は、たった二人の人間に・・・・・いや、
人が長い年月をかけて発展させた都市を、まるで不要となった玩具を壊すかのように。
二人に罪悪感は無い。ただの遊び、暇潰しなのだ。
どちらが多く建物を、人を殺せるか。
そんな軽い気持ちで、プチプチと蟻を潰すかのように殺していき、世界の人口はあっという間に数万人にまで減少した。
生き残っている人たちは、皆息を潜めて日常を過ごす。
━━━少しでも足音を立ててみろ。
たちまちあの
そんな恐怖に駆られた日々を過ごせば、心身ともに磨耗してしまう。
だが、生きるためにはこうするしかない。耐えるしかないんだ。
市民を守るための軍も、今では立ち向かうよりも背を向けて逃げ隠れている。
なぜ戦わない?なぜ守らない?
その理由は簡単だ。
人類の知能を結集させた軍の兵器も紙くず同然、傷を負わすどころか無傷。もう戦う術は残っていないんだ。
そう、兵器では。
でもこの世には、
空を飛び、容易く地を砕くそんな存在が。
しかし、10人近くいたその超人達も、人造人間に命を奪われて今では二人。
そして、その内の一人がたった今・・・・・亡くなった。
廃墟と化した都の中心。
土砂降りの雨の中、片腕を失った一人の男が、固く冷たいコンクリートにうつ伏せで倒れている。
人は誰もいない。
雨の音だけが嫌に響く。
「あ、あぁ・・・・・嘘だ・・・・悟飯さん・・・ッ!!」
その男の体に、震える手で触れる紫髪の少年。
コンクリートと雨の冷たさのせいだと信じたい。ただ気絶しているだけだ。自分の師が、死ぬ訳がない。
━━━でも
「嫌だ・・・・・嫌だ・・・・・死んじゃ嫌だ・・・・・悟飯さん」
彼の手が、頬が、全てが冷たかった。
雨のせいじゃない。
脈が、“気”がもう無いんだ。
そう理解した瞬間、少年の中に悲しみと怒りが止めどなく溢れ出てくる。
憎い。恩師を殺した
「うぅ、ぐうぅ・・・ッ!!」
少年は涙を流し、嗚咽を漏らす。
悲しみと憎しみがごちゃ混ぜになって、頭が狂いそうだ。
気のせいか、少年の周囲にある瓦礫の破片が浮き上がる。
常人には扱いきれない力、人が生まれながらに持つ生命エネルギー、“気”が少しずつ上昇しているのだ。
「クソッ・・・・クソッ・・・・俺が、もっと強ければ・・・・ッ!!」
人造人間に対する怒り、そして、自身の弱さに対する怒り。その二つの怒りが、少年の中で激しく渦巻き騒ぎ立てる。
ギリギリと歯を食い縛る彼から、底知れない力が現れ始めていた。
所々金色のオーラを放ち始め、周囲の瓦礫はさらに浮き出す。
少年はただ叫ぶ。
師が、自分にとっては兄のようなこの人は、もういないのだ、と・・・・。
「うああぁぁぁぁああああぁぁぁぁッ!!!」
ドオォォォォォオオオオォォォッ!!
悲しみの咆哮。
━━━それと同時に、少年は金色の戦士へと至った。
━━━3年後
残された最後の戦士、そして最後の希望。
背に一本の剣を携えた紫髪の少年『トランクス』は、二人の人造人間を倒すべく過去へ行くことを決めた。
しかし、この世にはパラレルワールドが存在する。
例え、“過去”に行って人造人間を倒したとしても、この“現在”の世界には影響が出ないのだ。
トランクスはその事を勿論知っている。
そんな事をしても意味が無い、人は口を揃えてそう言うかもしれないが、彼と彼の母は違う。
今は亡くなった戦士達と共に力をつけて戦い、人造人間を破壊。または弱点を見つけてくる。
そして、現代に戻って来て倒す。
確かな覚悟と託された希望を胸に、トランクスは母が発明した一世一代の発明品━━━『タイムマシン』に乗り込んだ。
「元気でね、トランクス。頼んだわよ?」
「はい、母さんも。では、行ってきます!」
機体に『HOPE』と書かれたタイムマシンのスイッチを入れ、辺りに機械音が鳴り響く。
機体は徐々に上昇していき、一定の高さまで浮かぶとその場で停止。淡い光に機体が包み込まれる。
ヒュンッ!!
人々の希望を乗せたタイムマシンは、過去へと向かった。
だが、何の因果、運命の悪戯だろうか・・・・・。
本来、過去に辿り着く筈のトランクスは━━━
「に、西の都・・・・・じゃない!?一体ここは、何処なんだ!?」
━━━異世界へと足を踏み入れてしまったのだ。
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