過去ではなく異世界へGOしたトランクス   作:しろろ

1 / 6
どうも、しろろです!

ドラゴンボールとハイスクールD×Dのクロスオーバーを投稿したいと思います!

亀更新になるかも知れませんが、どうかお許しください!


では、どうぞ!



プロローグ
最後の戦士


 

 

 ━━━西の都。

 

 

 近代的な高層建築物が建ち並ぶこの都は、たった二人の人間に・・・・・いや、()()人間に壊滅させられた。

 

 人が長い年月をかけて発展させた都市を、まるで不要となった玩具を壊すかのように。

 

 二人に罪悪感は無い。ただの遊び、暇潰しなのだ。

 

 どちらが多く建物を、人を殺せるか。

 

 そんな軽い気持ちで、プチプチと蟻を潰すかのように殺していき、世界の人口はあっという間に数万人にまで減少した。

 

 生き残っている人たちは、皆息を潜めて日常を過ごす。

 

 ━━━少しでも足音を立ててみろ。

 たちまちあの人造人間(バケモノ)共がやって来るぞ━━━

 

 そんな恐怖に駆られた日々を過ごせば、心身ともに磨耗してしまう。

 

 だが、生きるためにはこうするしかない。耐えるしかないんだ。

 

 市民を守るための軍も、今では立ち向かうよりも背を向けて逃げ隠れている。

 

なぜ戦わない?なぜ守らない?

 

 その理由は簡単だ。

 人類の知能を結集させた軍の兵器も紙くず同然、傷を負わすどころか無傷。もう戦う術は残っていないんだ。

 

 

 そう、兵器では。

 

 

 でもこの世には、人造人間(バケモノ)以外にも人智を超えた力を持つものがいる。

 

 空を飛び、容易く地を砕くそんな存在が。

 

 しかし、10人近くいたその超人達も、人造人間に命を奪われて今では二人。

 

 そして、その内の一人がたった今・・・・・亡くなった。

 

 

 

 

 廃墟と化した都の中心。

 

 土砂降りの雨の中、片腕を失った一人の男が、固く冷たいコンクリートにうつ伏せで倒れている。

 

 人は誰もいない。

 雨の音だけが嫌に響く。

 

 

「あ、あぁ・・・・・嘘だ・・・・悟飯さん・・・ッ!!」

 

 

 その男の体に、震える手で触れる紫髪の少年。

 

 コンクリートと雨の冷たさのせいだと信じたい。ただ気絶しているだけだ。自分の師が、死ぬ訳がない。

 

 

 ━━━でも

 

 

「嫌だ・・・・・嫌だ・・・・・死んじゃ嫌だ・・・・・悟飯さん」

 

 

 彼の手が、頬が、全てが冷たかった。

 雨のせいじゃない。

 

 脈が、“気”がもう無いんだ。

 

 そう理解した瞬間、少年の中に悲しみと怒りが止めどなく溢れ出てくる。

 

 

 憎い。恩師を殺した人造人間(アイツら)が憎い。

 

 

「うぅ、ぐうぅ・・・ッ!!」

 

 

 少年は涙を流し、嗚咽を漏らす。

 

 悲しみと憎しみがごちゃ混ぜになって、頭が狂いそうだ。

 

 気のせいか、少年の周囲にある瓦礫の破片が浮き上がる。

 

 常人には扱いきれない力、人が生まれながらに持つ生命エネルギー、“気”が少しずつ上昇しているのだ。

 

 

「クソッ・・・・クソッ・・・・俺が、もっと強ければ・・・・ッ!!」

 

 

 人造人間に対する怒り、そして、自身の弱さに対する怒り。その二つの怒りが、少年の中で激しく渦巻き騒ぎ立てる。

 

 ギリギリと歯を食い縛る彼から、底知れない力が現れ始めていた。

 所々金色のオーラを放ち始め、周囲の瓦礫はさらに浮き出す。

 

 少年はただ叫ぶ。

 

 師が、自分にとっては兄のようなこの人は、もういないのだ、と・・・・。

 

 

 

「うああぁぁぁぁああああぁぁぁぁッ!!!」

 

 

 

 ドオォォォォォオオオオォォォッ!!

 

 

 

 悲しみの咆哮。

 

 ━━━それと同時に、少年は金色の戦士へと至った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━━━3年後

 

 

 

 残された最後の戦士、そして最後の希望。

 

 背に一本の剣を携えた紫髪の少年『トランクス』は、二人の人造人間を倒すべく過去へ行くことを決めた。

 

 しかし、この世にはパラレルワールドが存在する。

 例え、“過去”に行って人造人間を倒したとしても、この“現在”の世界には影響が出ないのだ。

 

 トランクスはその事を勿論知っている。

 

 そんな事をしても意味が無い、人は口を揃えてそう言うかもしれないが、彼と彼の母は違う。

 

 今は亡くなった戦士達と共に力をつけて戦い、人造人間を破壊。または弱点を見つけてくる。

 

 そして、現代に戻って来て倒す。

 

 確かな覚悟と託された希望を胸に、トランクスは母が発明した一世一代の発明品━━━『タイムマシン』に乗り込んだ。

 

 

「元気でね、トランクス。頼んだわよ?」

 

 

「はい、母さんも。では、行ってきます!」

 

 

 機体に『HOPE』と書かれたタイムマシンのスイッチを入れ、辺りに機械音が鳴り響く。

 機体は徐々に上昇していき、一定の高さまで浮かぶとその場で停止。淡い光に機体が包み込まれる。

 

 

 ヒュンッ!!

 

 

 人々の希望を乗せたタイムマシンは、過去へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、何の因果、運命の悪戯だろうか・・・・・。

 

 

 

 本来、過去に辿り着く筈のトランクスは━━━

 

 

 

「に、西の都・・・・・じゃない!?一体ここは、何処なんだ!?」

 

 

 

 

 ━━━異世界へと足を踏み入れてしまったのだ。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!
感想や評価をつけていただけると嬉しいです!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。