艦CORE −海原を統べる者は戦わない− 【本編完結】   作:miketango

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18/05/17:一部修正


第四話 艤装の説明も適当に

あの後明石から"重要な事はさっさと言え"と怒られてしまったグナーは面倒臭そうにしつつも、きちんとバックパックのユニットについて解説していた。

 

「―――で、そんでもってこの右側のユニットが展開すると発射台になる。

次に左側のユニットが展開して弾道ミサイルの弾頭を組み立てる。

左側のユニットの形状の関係上、三発しか弾はないから必要に迫られない限りは使うつもりはないし、そこまで気にしなくていいと思うよ。」

 

「......こんなもの使わなくていいなら使って欲しくないですよ。

私もこれまでいろいろとやらかした自覚はありましたけど、ここまでやばいものは見たことありませんね。」

 

ため息をつく明石を見てグナーは明石が今までに何をやらかしたのかと気になったが、今聞く事じゃないしその内聞けるだろうと思い、うんうんと頭を捻らせている明石のことは放置する事にしていた。

 

「ま、これを展開している時は背中の防御は激甘になっちゃうんで注意が必要なんですけど。

こいつ(Huge Missile)を狙われるのと艦首を蹴られるのだけは艦の頃もどうしようもなかったからね〜。」

 

「......グナーちゃん、艦首を蹴るってどういうことなの?」

 

「そのままの意味だよたかちゃん。

うちの世界の兵器の一つにそういうのがいるんだ。

使い方次第ではどんな敵でも倒せる特殊な兵器(アーマード・コア)だよ。」

 

思考の海に沈んでいた明石は復帰すると同時にグナーを見やる。

 

「まあ、一先ずこれは大本営には隠しておいた方がいいですね。

こんなものがあるってバレたら即刻解体とかもありえますし。」

 

「うげっ......

じゃあこれは封印しておくよ。

全く、面倒だなぁ。」

 

嫌そうな顔をしつつもグナーは適当に使用する際の条件をつけて武装にロックを掛けておく。

 

「これでとりあえずはいきなり発射はできないようにしておいたよ。

まあ撃とうと思えばいつでも撃てるんだけどね。」

 

「普段はこれを使わないにしても他の武装もエグい火力のばっかりだったじゃないですか。

これ使わないでレ級旗艦の増援艦隊殲滅したんでしょう?」

 

「まあ、それはそうなんだけどさ......」

 

「あはは、あの時は驚きましたね。」

 

彼女達が話しているのは棲地からの帰還途中に敵の増援艦隊が来て襲撃されたことについてだ。

その際にグナーが棲地攻略後で戦闘能力がガタ落ちした第一艦隊を守るために全力で応戦した結果、レ級までもがあっけなく沈んだのだ。

 

「練度とか一体どうなってるんですか?

ドロップ直後なのに戦闘を普通に行えていたと聞きましたけど。」

 

「システムアシストのおかげで効率のいい戦闘ができるようになってるんだよ。

まあでもこれを他の艦に使えるようにするのは無理だけどね。」

 

「それは残念ですね。

でもそれじゃあ今のグナーさんの練度は今も最低クラスってことですか?」

 

「まあそうなんだよね。

システムアシストを切った状態で演習をしたら多分装甲の差で負けはしないけど攻撃が当たらないから勝てもしない、ってとこになるかな。」

 

「記録映像を見ましたけどすごい装甲でしたね。

レ級の主砲を弾いてましたし。」

 

「撤退中だからってこちらを舐めきっていたレ級の表情が固まってましたからね。」

 

レ級が固まったのは仕方ないとしか言いようがないだろう。

ぱっと見は無駄に艤装が大きい薄汚れた駆逐艦なのにあそこまでの戦闘能力があると誰が予想できようか。

 

「ま、こちらとは技術が根本的に違うから仕方ないんですけどね。

第一私の艤装用の鋼材と弾薬の加工がうちの妖精にしかできないし大変なんだよね。」

 

「それにしてもこの艤装のエンジンってどうなってるんですか?

燃料が一切いらないなんて。」

 

「それは秘密です。

ってのは冗談で簡単に言うと小型で高出力の核融合炉みたいなものらしいです。」

 

「うわー意味わかんないですね。」

 

「......でもとりあえず私働きたくないんだけど。」

 

「だめに決まってるじゃないですか。

これだけ強いんですから最低でも棲地攻略の時には出てもらうと思いますよ?」

 

「うぇ、めんどくさ......

そういえばたかちゃん、たまにしか喋ってないけど暇じゃないの?」

 

「私の今の仕事はグナーちゃんのお目付け役だから気にしなくて良いですよ。」

 

「お目付け役って......

そんなに私なにかやらかしそうかな?」

 

間髪入れずに頷く古鷹を見たグナーは仕方なさそうににため息をつくと明石に艤装の説明の続きをし、その後約束通り武装の改良を手伝うのであった。

 




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