艦CORE −海原を統べる者は戦わない− 【本編完結】   作:miketango

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暇つぶしに書いたものですがどうぞ。

18/05/15:一部修正


第三話 武装の解説は適当に

過剰とも言えるような防衛設備を有した大規模な施設の中、とある会議室ででっぷりとした体型の男達が話していた。

 

「報告にあったアレはどうするのかね?」

 

「ここに配備する以外に選択肢があるとは思えないが?」

 

「いや、今我々は優勢なのだ。アレは前線に配備して棲地攻略に使うべきでは?」

 

「だが報告書によると弾薬の消費が非常に激しいのだろう?」

 

「確かに。

専用の弾薬をアレの艤装に積むために加工するのに弾薬と鋼材、それに燃料も使ってようやくできるそうだしな。」

 

「しかし燃料に関しては本体には必要ないということですのでプラスマイナスはゼロといったところでしょうか。」

 

「一回の戦闘で大和級以上の資材消費量になる可能性があるとの試算結果もあるようだしね。」

 

「だが、アレの性能は破格であることなのは事実であり、我々には必要なのだ。」

 

結論がなかなか出ず男達が唸る中、男の一人が副官に尋ねる。

 

「そういえば、そもそもアレは今、どうしているのだね?」

 

「は、昨日届いた報告書によると敵意はなく、おとなしくしているそうです。」

 

「それだけか?」

 

「いえ、本人が書いた欄には《ぐうたらした生活は最高です。だからしばらくの間は私の運用方法に頭捻ってて。》とありました。」

 

「は?」

 

■□■□■□■□■□■

同時刻、大本営で将官達が頭を捻らなければならなくなった原因の少女は柱島泊地の鎮守府の屋上にのんびりと寝転んでいた。

 

「あー、気持ちいいー。」

 

前線の基地である柱島泊地においてこんなことをしていていいのは休暇中の者ぐらいなのだが、彼女は昨日も一昨日もその前もこんな感じであった。

一応こんな彼女でも最高機密に指定されていることを柱島泊地に所属している艦娘達は知っているため、不必要な接触はしていないようだがぐうたらしているだけなのであまり良いようには思われていない。

だが今日はそんな彼女に近づく影があった。

 

「グナーちゃん、明石さんが呼んでましたよ?」

 

寝転んでいたグナーに声をかけるのはセーラー服の下に黒いタイツのようなインナーを着た少女―――古鷹型重巡洋艦の1番艦の古鷹だ。

何故彼女がグナーに話しかけているのかというと、他の艦娘の言うことはあまり聞かなかったのだが古鷹の言うことは割りとすぐに聞いてくれているからだ。

理由は「大天使フルタカエルを困らせると私が罪悪感で爆死する」とのこと。

 

「あー、艤装の件かな。

分かったよたかちゃん。」

 

「じゃあ今から行きますよ。

ほら立って。」

 

「そんなに急がなくても良いじゃんかー。」

 

「だめです。

そんなこと言ってるとグナーちゃんは絶対に行かないでしょう?」

 

「むう......分かった。」

 

グナーは仕方なさそうにしつつゆっくりと立ち上がり、背中についたほこりをはらうと工廠へ向かう。

それの後に古鷹もついて行く。

彼女は現在グナーのお目付け役が仕事となっているのでサボりなどではない。

工廠につくとちょうど明石が出てきたところだった。

 

「来てくれたんですね!

じゃあ今日はいつものの後についででいいので新装備の開発を手伝って下さいね!」

 

「えー......」

 

「グナーちゃん?」

 

「たかちゃん......

分かってる。

やることはやるさ。

約束は守れよアッ・カ・シー。

面倒は御免だ。」

 

「誰ですかアッ・カ・シーって......

まあいいですけど。

ちゃんと後で例のブツはあげますから。

早速始めましょう。」

 

グナーは適当なおふざけを明石としてから工廠に入る。

中には資材や工具、艤装などが散乱していて正直汚かったが、それは最初に来たときに慣れたので今回は特に何も言わずに奥へと進む。

すると奥には少し物が片付けられて開けた場所があり、その中央に所々塗装の禿げた蒼い艤装が鎮座していた。

 

「皆昨日ぶり。」

 

「昨日ぶりー。」

 

「遅かったじゃないか。」

 

「歓迎しよう。盛大にな!」

 

「はいはい。」

 

グナーは自分の艤装の妖精達に挨拶すると個性的な返事が多々帰ってくる。

普通なのが少ししかいないのだが、もちろんグナーは気にしない。

なぜならそもそも自分が変なのだから気にしないのは当然のことなのだ(だめだこいつ)。

 

「さて、今日は背中のコンテナの中身が見たいんだっけ?」

 

「はい!

可動部その他を確認しましたが全く分からなかったんですよ!」

 

「ふーん、まあいっか。

じゃあとりあえず一回動かすね。」

 

グナーはそう言ってシステムに接続し、バックパックのユニットを起動する。

ガシャガシャと展開が終わると状態をそのままに固定してから接続を解除する。

 

「何ですかこの細長い筒?

前に見せてもらったミサイルに似てますけど。」

 

「ああそれ核弾頭を積んだ弾道ミサイルだから触りすぎないようにね。」

 

「......なんて物を積んでるんですかぁぁぁーーー!!」

 

今の話を聞いていればグナーからかるーく言われたことの重大さを理解した明石が怒鳴ったことを誰も咎めることはないだろう。

 




個人的にはこんな感じの年齢区分だと思うんです。
()は年齢です。

駆逐艦
小学生〜中学1年(7〜13)
軽巡洋艦
中学生〜高校生(13〜18)
重巡洋艦
高校生〜大学生(18〜22)
戦艦
大学生〜成人(22〜)
軽空母
大学生〜成人(22〜)
空母
大学生〜成人(22〜)

一部例外がいるって?それまで分けるのはめんどいからやらないよ〜

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