艦CORE −海原を統べる者は戦わない− 【本編完結】 作:miketango
18/05/15:一部修正
唸る発砲音、流れる血、破損した艤装、ダメージコントロールができずに沈んでいく艦。
だがそれでも彼女達は止まらない。
日本を、大切な人達を守るために。
「これでっ!」
彼女も――――柱島泊地第一艦隊旗艦榛名も守るために戦っていた。
一番砲塔と四番砲塔は破損してしまい、使用不能な状況でも二番砲塔と三番砲塔で正確に敵を撃沈する。
第一艦隊旗艦として提督の期待に答えるために。
そして、今放った一撃が戦艦棲姫に直撃し、轟沈する。
「やった!」
「おー、やったみたいだねー。」
「よし、残敵を掃討しましょう!」
「皆さん、慢心ダメゼッタイ、ですよ。」
「そうですね、赤城さん。」
「ああ、今回も撃沈数が一番少ない......不幸だわ。」
この泊地の総大将である戦艦棲姫を撃沈した今、強力な敵はほぼ残っておらず、艦隊は勝利ムードに包まれていた。
ちなみに艦隊のメンバーは旗艦である戦艦の榛名以外には重雷装巡洋艦の北上や正規空母の赤城と加賀、重巡洋艦の古鷹に航空戦艦の扶桑だ。
「さあ、行きま――――」
「榛名さん!偵察機からの情報によるとここから少し離れたところに艦娘が一人いるようです。」
「お仲間?どこかの艦隊から逸れたのかな?」
「状況的に考えるとドロップ艦ではないのでしょうか。」
ドロップ艦―――それは深海悽艦の艦隊を撃破した際に現れる艦娘のことだ。
どういった条件で出現するのかなどはまだよく分かっていないらしい。
「そうですね。
ドロップ艦ならうちの鎮守府につれていきましょう。
今回はいったい誰なんでしょうね?」
「また新しい娘が......」
「とりあえずその子の所へ行きましょうか。」
こうして榛名達はその艦娘―――グナーの元へ向かうのであった。
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その頃、グナーは海上に立って頭上を旋回している偵察機をボーッと見上げていた。
「あの偵察機って彩雲だったんだ......」
何をしていたのかというと、ぐるぐると旋回し続けている偵察機を見上げてスキャニングを行い、機種の特定をしていたのだった。
「......やっと来たか。」
そのまましばらくボーッとしていたグナーだったが、すぐ近くまで接近していた榛名達の方へ向く。
榛名達はグナーの近くまで来ると榛名以外は皆周辺警戒を続行し、榛名が代表としてグナーの前に出てくる。
「初めまして。
私は柱島泊地第一艦隊旗艦、金剛型高速戦艦の3番艦、榛名です。
あなたは?」
「あー、私は
名前も識別用のコードとかも特にないからグナーとでも呼んでくれればいいよ。」
「セントエルモ級、ですか?
海外艦だとしても初めて聞く艦名ですね......
失礼ですが何処の国の艦ですか?」
「さあ?」
「え?」
「......私の記憶に国は一つもないよ。
大地のほとんどは焼き尽くされ、国なんてとっくの昔に解体された世界だったみたいだし。
(ついでに言うなら企業統治で汚染も酷かったしね)」
グナーは榛名から国について聞かれ、どう答えるか考えようとした瞬間にシステムアシストで網膜に新たな情報が映し出されたのでそれから適当にかいつまんだ話をしていた。
「......第二次大戦中の艦ではないということでしょうか?」
「ま、そういうことになるね。」
「......鎮守府に帰って提督と協議する必要がありそうですね。
とりあえず帰還しましょう。
ついてきてもらえますか?」
「ま、私は何だっていいよー。」
グナーが軽い感じで返事をすると榛名は頷き、艦隊のメンバーに帰還の指示を出していた。
そして通信を行い、他の鎮守府に残敵駆逐用の艦隊の要請をすると鎮守府への帰還を開始した。
なんで誰もセントエルモを艦これで出してくれないのか......
だから書いた。反省はしていない。
艦名
セントエルモ級駆逐艦97番艦
名前
グナー(97番艦からきている)
武装
主砲✕7(14門)、CIWS✕2、ミサイルポッド✕4、弾道ミサイル✕1(HUGE MISSILE)
服装
濃灰色の半袖シャツと膝上丈のスカートの上に蒼いハーフコート着ている。
容姿
ハーフコートと同じような蒼い髪で髪は短髪。赤眼。背丈は150cmくらい。
艤装
手に1機主砲を持っている。左右に駆逐艦とは思えないサイズの艤装があり、片側につき主砲3機とミサイルポッド2機にCIWS1機。CIWSは可動式アームによって様々な方向を向くことができ、死角はほぼない。背中には大型のコンテナを二つ装備している。
備考
このセントエルモはACV時代で使われている艦ではなく、現役(ACFAの後)だった頃の戦闘で撃沈され、ACV時代でサルベージは行われなかった艦である。