~孤独の密室 後日談~ 作:カロライナ
ナビゲート
ハードラック10→10【成功】
「Thank you!!」
近くの駅員に聞くことによって、なんとかして明日の夜行バスが発車される停留所までこじつけることが出来た。道中、新宿駅で迷子になりかけるものの、新宿の駅に置かれている駅内パンフレットのおかげもあってか迷うことなく、比較的早めに到着することが出来る。
時刻はお昼の12時頃と言ったところのようだ。飛行機内で朝食を取ったものの、『空飛ぶ鉄の船』がどういう原理であるか不明であるが、飛んでいるという事実に対し、恐怖で食事が喉を通らなかったため電車に乗車している辺りから腹鳴りが止まらなかった。
お腹を空かせていたハードラックではあるが、まずは友人達が乗る場所であるバスの停留所を確認しに動く。道行く人を観察していて分かった事だが、何やらバスに乗るにはチケットが必要な様子だ。
すぐさまチケット販売所で、券を購入しようとするものの40席分の座席は、既に売り切れてしまった様子で 手の打ちようがなくなってしまっていた。
更に何やら、バスに乗る時は、どうやら大きな荷物は巨大鉄馬車の側面が怪物の様に口を開いて、その中に荷物を放り込む様ではないか。ハードラックに恐怖の戦慄が走る。
ぐぅぅぅぅ・・・。
「....
1D3→3
また腹の鳴ったハードラックは、何処かで食事を摂ることにした。
迷子にならない程度の場所を歩き回り、歩いているうちにサイゼ〇アと書かれた良さげなレストランを見つけその中に入る。ハードラックが着用しているのは腐ってもドレスだ。恐らく食事を行う場所の服装として、こじゃれているし最適な服装であると思っていた。
・・そう。その認識は1920年代アメリカでは通用していただろう。『1920年代アメリカ』では。
しかし、ここは『現代日本』だ。サイ〇リアにドレスやスーツを着て来る人間など、滅多には居ない。ここでも変わらずハードラックの不運は続き、周囲から浮き辱めを受けるのであった。
500円ランチを
「
少量のワインを飲み欲し、いい気分になったハードラックは、英語でそんなことを呟きながら、周囲を歩き回っているうちに 見つけたモデルガンショップに立ち寄る。そこで疑似ショットシェルを2つ購入し、塗装ペンキ(黒)を購入し、着々と迫る決行日時に備えての準備を始める。
次に向かったのは現代アメリカでも社会見学として参加したホームセンターへ訪れる。ホームセンターではノコギリ、彫刻刀、金槌、ヤスリ、金属片、プラスチック官を2本、太めの材木、釘、火薬、艶の出るニス、鉈、ブルーシート、懐中電灯、腕時計を購入。
そしてそのまま本屋に直行し、現代アメリカに置いてきた聖書並みに重く頑丈そうな六法全書を購入することに成功した。そしてついでに御土産物屋で長い木刀を購入し、今夜止まる宿を探し始める。
傍から見れば真の目的を忘れ、日本に遊びに来た一風変わった外国人に見えるが、ハードラック自身は至って真面目に行動しているつもりだった。明日の期会を逃してしまえば、次のチャンスは二度と訪れない。4人の友人と交わした約束を果たすために自分は今、ここに居るのだと。
例え彼等が、自分の事を知らないとしても。彼等の日本での思い出を破壊することになろうとも。未来の彼等に託された希望を叶えるために1920年代から彼女は、この世界に降り立ったのだ。その未来を変えるという決意だけは変わらない。
「ン?」
暫く街中を歩いていると、城の形をした豪邸に近い宿らしきものが見えてきた。桃色の看板に値段が書かれており、『宿』の文字を見る限りでは間違いなく、この城の建物が宿泊施設であることを指示していた。
いくら、クラックスから日本は平和な国であると聞かされているとしても、どれだけ安全であるのかは分からない。現に街中を歩いているだけでも、普通に(モデル)ガンショップは見つかったし、街中にも板の中に居る人間に向けて銃を向けている子供たちの姿も見た。決して安全そうな国ではないと思ったハードラックはそのまま、その『城の形をした宿』に侵入していく。まさか、自分が安全そうだと思って入った場所が、一番、危なっかしい場所である事などつゆ知らずに。
【後書き】
ハードラックは遊んでいません。
至って真面目に行動しています。
知らない時代に、知らない文化。
初めての行動と言ったらこんな感じになるだろうな。といった
想像の段階で小説を書いていました。
そして、今夜はグラトニーさんの卓で遊んできます。
今から楽しみです。