~孤独の密室 後日談~   作:カロライナ

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第2章 ~日本編【準備】~
~孤独の密室 後日談~ 5説


 時を遡り、現時刻は2017/01/22日 彼女は再び あの一軒家の納屋にある四角形状のブロックから抜け出し、干し草の上に足を踏みしめた。カサリ踏みしめるたびにカサリと言う音が聞こえる。

 ハードラックは、そのまま納屋を出て『遠くの人と話ができる箱』にデンゲンとやらを入れ、『鉄の馬車』を呼び寄せるためにおぼつかない指先で数字を入力していく。

 肌寒い冬の季節、荒野に1920年代の服装をした女性が1人で居るだなんて、正気の沙汰ではないが、彼女が連絡を入れると予定より若干遅れながらもタクシーが到着する。トランクの中に荷物を詰め込み、運転手に日本へ渡日する為に空港まで連れて行ってもらう。なるべく時間丁度。あるいは、若干早めに空港につくことが出来た彼女は運転手に乗車料+チップを支払うと足早に空港の中に入って行った。

 幸いにも最終便の飛行機には乗れるようにと、クラックスの両親が手配を済ませておいたチケットを片手に、たどたどしい足取りでチェックインを済ませる。クラックスと、その両親の正装ではハードラックの体格と合わないため 1920年代の私服しかないハードラックは、明らかに周囲からは浮いた存在であり、すれ違う人々が断りを入れてから写真を撮ったり、物珍しそうに見て行くのであった。

 その辱めに耐えきり金属探知機の門を潜り抜け、荷物検査も済ませる。特に引っ掛かることもなく巨大な『空飛ぶ鉄の船』に乗りこむ。本当にこんなものが飛ぶのかとハードラックは祈りながらガタガタと震え始めていたが、見兼ねたキャビンアテンダントに宥められ 無料分の飲み物を口に含んだ。『空飛ぶ鉄の船』が飛び立つ瞬間、浮遊感によって意識が飛びかけたハードラックではあったが、怖い思いをしながらも4人の友人は、これから恐ろしい事を体験する。それを絶対に止めなければいけないと自己暗示を掛け、飛行機を乗り切った。

 

 そして時刻は2017/01/23 午前8時。日本の羽田空港に到着をする。

 

 

 

幸運

ハードラック90→100【ファンブル】

 

 ここでも、ハードラックに対して不幸を降り注がれる。

 用を催し手洗いに入った時のことだ。便座に座り、そして何気なく横を見るとボタンがついている。ボタンがあると押して見たくなってしまうハードラックはボタンを押してみる。なんと驚愕を隠せない。生暖かい水が臀部に当るではないか。1920年代では考えられない、その暖かさにほのかな幸せをかみしめていると、なんということでしょう。次の瞬間レーザー光線の様に発射されたウォシュレットが臀部の穴にピンポイント直撃。

 

 

 

「アッーーーーーーーッッッ!!??!?」

 

 

 

 絶叫が女性トイレ中に響き渡り、職員まで出動する始末。

 更に不運なのが、ハードラックは適当なボタンを押したため、今度は止め方が分からない。

 再び、適当にボタンを押してみる。

 

幸運3分の一

ハードラック30→08【成功】

説得

ハードラック80→95【失敗】

 

 適当にボタンを押したところハードラックの臀部を破壊しかねない勢いで噴射されていたウォシュレットは動きを止め、ハードラックは泣き面になりながらも事なきを得る。しかし、ハードラックの絶叫を聞きつけ駆けつけてきた署員を説得することは叶わず、どうしようもない外国人が、しょうもないことで、絶叫したという内心では嘲り笑われて居るような辱めを日本でも受けるのであった。

 手洗いにて凶悪な洗礼を受けたハードラックは、涙目になりつつも、羞恥により泣きそうになるのを必死に堪え、荷物を受け取りチェックアウトを済ませる。慣れていない初めての航空旅行は、この日 散々な結果となって終結を迎える。なんとなくパスポートに判子を押してくれる従業員や換金機ですらも、何処かハードラックを嘲りているのではないかと若干不安になりながら、羽田空港を後にした。

 

 

 




【後書き】
実のところ、~孤独の密室 後日談~は昨日で終わりを迎える予定でした。
しかし。脳内が『やるんだったら最後まで書き上げろ』と囁きかけて
居たような気がしましたので、詳細を省かずにハードラックの後日談を
最後まで書き上げることになりました。

ダイスですが、作っているわけではありません。
実際に振った結果、幸運90で100ファンブルを叩き出したのです。
正直。ダイスを導入したため
4人を救うことができるのか、今から不安になってきました。
現在、4人のPLにキャラシを公開していいかどうか、尋ねています。
全員分 公開できれば、今までと同じように『0説』を作り上げ公開したいと思います。

これからは、20時からの投稿になりますが、よろしくお願いします。



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