~孤独の密室 後日談~ 作:カロライナ
「おう。聞こえるぞ。あの少女とその母親を通じて、伝言してくれたとおりのモノを用意した。人質も約束通り1人だけ解放してもらった。・・・単刀直入に聞こう。それで要求とは一体なんだ?」
「ンー・・・簡単なことデス。アト30分ばかりバスジャックさせて欲しいノト、ちょっとバカリ、とある研究機関へ向ケテ 伝言して欲しいコトがあるのデス。」
「・・・・・。」
「・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・できマスカ?」
「しばし待ってくれ。」
無線機を片手にハードラックは眩しさに目を細めながら、警察隊と機動部隊の動きを探る。何やら警官隊は集まり、何かを話し合っているようだ。無言になってから少し時間を空け、可能かどうか再度確認を取ってみるが返答は曖昧な言葉であった。
しかたなく警察官側の議論が終わるまで待つことにし、口元から無線機を離して、乗客たちにあと少しで大体の人は解放できる趣旨を伝える。もう一度 思い出を滅茶苦茶に壊してしまったことに対して謝る。大半の人は怯えながらも警察官が周囲を包囲して助け出してくれるという事に対して心を躍らせ、一部の人は何故 この人はたったこれだけの要求の為にバスジャックを行っているのだろうと非常に疑問を抱いたような表情をしているのだった。
「もしもし、聞こえるか?」
「・・・・! 聞こえマスヨー。」
家守に待つように言われ、ハードラックが乗客に対して謝り始めて早3分。
ついに無線機から家守の声が響く。ハードラックは素早く無線を口元に当てると返答を返した。
「その要件だが・・・・30分間バスジャックした後、君はどうするつもりなんだ?」
「大人しく
「・・・・・・わかった。その要求を飲もう。人質についてだが・・・。」
「本当デスカ! Thank you!!」
「お、おう。」
「人質については32人解放しマスネ。乗客4人は保険の為に人質になって貰いマス。・・・しかし約束が果たサレタ時ニハ、皆さん解放するコトをわたくしカラ約束しまショウ。」
ハードラックの言葉に能天気な乗客は更に歓喜の声を上げる。しかし、賢明な乗客はその4人の中に自分が入っていないかどうか、神に祈り出すような神妙な顔つきをし始めた。
要求通りに簡単なビデオカメラが渡され、これに放送して欲しい内容を話されるように伝えられる。ハードラックは、また見新しい道具を前に、乗客たちから使い方を教えて貰うような形で、ビデオカメラに向けて汚い英語を使い、相手を冷徹かつ冷静に罵詈雑言、罵り始める。
他の言語(英語)
グラトニー??→37【??】
村松 ??→26【??】
チンロック??→97【ファンブル】
ツェペリ ??→82【??】
言語は英語で、大半の乗客はハードラックが何を話していたかは分からないと言った様子ではあったが 褐色肌の太った男だけはハードラックが伝えている言葉が分かった様で、眉を潜める。イギリス人風の男性は話を聞こうと身を乗り出すあまり、その椅子から転倒してしまうが、幸いにも怪我を負わずに済んだようだ。
【後書き】
家守について第2弾。
ちょっとお話したいと思います。
あれから家守は元気です。
家守を含む、足高、青大、クリスティーナ、ロジーナ全員生存しております。
〖彼等については『第4クトゥルフ神話【名前に癖のある探索者達の観光バス】』をチェックすれば関係が分かるかと思います!(ステマ)〗
家守は『第4クトゥルフ神話【名前に癖のある探索者達の観光バス】』の
時よりも逞しくなり、自分の部下を従えるようになりました。
ロジーナは家守と関係を深め、のちに婚約。元気な娘(探索者・生存)を産みました。
足高はクリスティーナと上手くイっています。
警察の仕事は姉に引き継ぎ、今は同じ公務員で教師を目指しているようです。
クリスティーナを過剰に慕うクリスティーナの妹達に手こずっていますが、関係は良好です。
クリスティーナは、周囲を振り回しながらも熊野家の天然ポジションの王座に居ます。
魔境である(褒め言葉)やろうず卓に言った結果
妹たちが約半数が神話生物になりましたが 能天気に日常を過ごしていますね。
青大は相変わらずのゲスで探偵事務所を開いております。
小説上ではボッチENDみたいな終わり方でしたが、セッションの方では『緋雅 奏夜』という素敵な女性を伴侶とし迎え入れ、二児(両方探索者・生存)の父になり探索者としての人生を生きたまま終えています。