~孤独の密室 後日談~ 作:カロライナ
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ハードラック41→7【成功】
ハードラックは暗闇の中、懐中電灯をつけ 六法全書を開く。そこには日本国憲法の成り立ちや法律について、細かく記載されているものが目に入る。聖書を読み上げるのと同じように、ペラペラと日本人でも時折迷いの生じる書物を淡々と読み込んでいく。
上の車内からは乗車瞬間よりは減ったものの微妙に微かな話し声が聞こえてくる。もちろん、その中にはグラトニー、村松、チンロック、ツェペリの話し声も聞こえ、これから起こる惨劇も知らず、何も知らないまま東京都発の夜行バスに乗り、シズオカのイズハントウに向かうのだろう。
・・・・・・・・。
時刻は22時を指している。
乗客の声も出発当時より、ほとんど聞こえなくなっていた。
ハードラックは一呼吸を置き、聖書の代わりである六法全書をパタンと閉じた。そして、そのままニーソックスを脱ぐと、まだ生温かさの残るニーソックスの中に六法全書を仕舞い、ブラックジャックを作り上げる。そしてドレスの腰帯に鉈を下げ、刃物として活用できるように準備を整えた。
失敗は出来ない。チャンスは一度きり。
そんな言葉が頭の中を駆け巡る。
疑似ショットガンを背中に背負い、右手には金槌を握りしめる。
そして、力強く荷台の中から天井へ向けて、金槌を叩きつける。
周囲にかなり大きな音がガンガンガンッ!と響き渡り、他の乗客も「なんだ? なんだ?」と起床し、驚きを表しているような声が聞こえる。しかし、屋根を破壊するかのような勢いでハードラックはトンカチで叩き続ける。
その異常な音に12連勤をしている運転手も気が付いたのか、急ブレーキを踏む。
回避
ハードラック79→80【失敗】
1D3→2
耐久力
15→13
急ブレーキに耐え切れず、荷台に積まれている荷物がハードラックに直撃する。
重量物が肺に直撃し、押しつぶされる様な圧縮感。同時に持っていた金槌も荷物に紛れてしまい、天井を叩くことは出来ない。しかし、それでも声を張り上げることは出来る。
呼吸すらもままならなくなるが、そのまま全力の吠える様な叫び声を上げた。
夜行バスは完全に停車する。中からは乗客の戸惑う声。そして、戸惑いの声色は一際大きくなった。まるで電話を通じて聞こえるかのような大きな運転手の声が、上層部に位置するバス車内の周囲に響きわたる。
「申し訳ございませんお客様。不吉な物音が致しましたので、車両点検をさせて頂きます。乗車のまま、しばらくお待ちくださいませ。」
聞き耳
ハードラック80→41【成功】
後方の方向から、仮眠を取っていたであろう もう一人の運転手の足音がハードラックには聞こえる。そして、ガッチャンと荷物搬入口である扉のロックが開けられる音が聞こえた。
「...
その音と共にハードラックは内側から扉を開け、荷台を蹴り飛ばしながら 掛け声と伴に外へと飛び出す。
【後日談】
出やがりましたよ。妖怪イチ足りない。
しかしハードラックのCONは高い。
へでもないですね。
物語も佳境に入って参りました。
さてはて、ハードラックは皆を助け出すことができるのか!
それは後日談のみが知る。
余談なのですが、今回のハードラックの決め台詞である
「...
ですが、『It's a show time!!』にするか『It's show time』にするか
小一時間ぐらい悩みました。
結局『a』を入れたんですけど・・・。
理由としては、ハードラックにとって、一つ。
たった1回しかないが、大切な1回の出来事という思いを込めてのことでですね。