~孤独の密室 後日談~ 作:カロライナ
~孤独の密室 後日談~ 10説
時刻は事故が発生する7時間前。
準備を整えたハードラックは一足先に停留所に向かう。
停留所には、あの4人が乗るであろうバスが停車しているのが見える。
あの部屋で聞いた特徴とバスの色や特徴、夜行バスを運転する運転手の名前『
「ソウデスカ。ありがとうございマス。」
「いいえ。そしてお嬢さん貴方もこの夜行バスに乗るお客さんですか?」
「Ah-・・・乗れたら・・・良いんデスケド・・・乗れマスカ?」
「でしたらチケットを拝見致します。」
「ソノ・・・チケットはカンバイ? しているみたいで・・・買えなかったんデス。お金であれば、いくらでも払いマス。アノ・・・乗せて頂けマセンカ?」
値切り
ハードラック5→77【失敗】
「いえ申し訳ないですが、それは出来ないですよ。お嬢さん。こちらも安全運転管理書で決まっていることですから、どんなに頭を下げられても乗せられないですね。」
早速彼女は、運転手に対してチケットは無いが金ならいくらでも払うと提示し、運転手に5万6千円ほどの札束を見せた。それでも運転手は首を縦に振ることは無く、そのままバスの乗車は不可能という厳しい現実を突きつけられたのだった。
幸運
ハードラック90→28【成功】
ハードラック90→86【成功】
ハードラック90→41【成功】
目星
ハードラック80→2【クリティカル】
やはり運命を。未来を替えることが出来ないのか。悔しくて、とめどなく涙が溢れかえりそうになる。
4人は自分を信じて、送り出してくれたのに期待に応えることはできないのかと。
そんな時だった。急に運転手の方が、何か右手を右耳に押し当て、覆うようにして虚空に向けて『ハイ。ハイ。ハイ。』と、まるで見えない何かがそこに居るのではないかと思えるように、ヘコヘコと頭を下げ始めた。そして、そのまま不用心にも夜行バスのエンジンを掛けたまま、何処か、否。バスチケット販売所がある地下へと小走りで消えて行くのがハードラックの目に映る。
周囲には人影も非常に少ない。また、あろうことか、昨日ハードラックが開閉しているところを目撃した荷台の搬入口が、完全に閉まり切っていないことが分かる。忍び込めるチャンスは今しかない。犯罪も手に染めることすらも、これから自らが行うことを考え、決心したような表情をする。彼女は、昨日 他の運転手が開けていた方法と同じようにして、半分開きかけている荷台搬入口を開放した。
中は非常に暗く、ライトが点いているもののその容貌にゴクリと生唾を飲み込んだ。バスを初めて見るハードラックにとっては、自分自身すらも地獄に引き込もうとしている凶悪で邪悪な怪物の姿にしか見ることは出来なかった。しかし、友人の未来を変えるため。全ては約束を果たすため。彼女はそのまま荷台の中に飛び込み、搬入口を閉じ、入り口からは分からないような場所に潜み、この怪物が動き出すのを待った。
【後書き】
物語も半分を越え、後半戦に入って参りました。
プロットを振り返っているのですが、なんだか長くなりそうです。
後日談なのに他の小説の『第○クトゥルフ神話』並みになりそうな予感・・・w
それでも久々に自分が『書きたい!!!』ってなった一本なので
長くなろうとも最後まで書き上げますけどね。