博麗になれなかった少女   作:超鯣烏賊(すーぱーするめいか)

12 / 36
こんとんをつかさどるまほうつかい


第十二話 混沌を司る魔法使い

 その空間は闇に包まれていた。

 

 暗く、暗く。

 太陽の光も、炎の光も、電気の光も何も無い。

 

 ただただ、暗闇が支配する部屋で、のらりと誰かが呟く。

 

 

「……来たわね」

 

 

 闇が小さなオレンジ色の光に薄くかき消され、そこに一人の女性の姿が浮かび上がる。

 その背景には巨大な本棚が群れを成す様に並んでいて、無数とも言える数の本が部屋を埋め尽くしていた。

 床も、天井すらも、巨大な部屋の全てが本棚と化している。

 

 そして。

 

 紫色の髪。

 紫色の瞳。

 紫色の服。

 

 紫一色の出で立ちをした女性は、自身の胴ほどもある巨大な書物を抱えていた。

 少女はボーッと前方の本棚を眺めながら、口を開く。

 

「八十禍津水蛭子だったかしら。……不吉な名前」

 

 つまらなそうな表情で呟いた少女の頭上に、にゅいんと穴が開いた。

 穴の向こうには無数の目と手が蠢いている。

 

 それを見て、少女は少しだけ不機嫌そうに口を動かした。

 

「趣味の悪い力ね」

「うわあぁぁっとぉ!? ……何処ここ貸本家さん?」

 

 穴の中から落下するように飛び出してきたのは八十禍津水蛭子その人だった。

 空中で急停止することで床の本棚への衝突を防いだ水蛭子は、困惑の表情で周囲を見渡す。

 そして紫色をした女性を見つけると、不思議そうに首を傾げた。

 

「……誰?」

「パチュリー・ノーレッジ。そう言う貴女は八十禍津水蛭子ね」

 

 自身の名前を知られていた事と、女性の名前に聞き覚えがあったことに驚きながら水蛭子は返す。

 

「貴女が、パチュリーさん?」

「ええ。レミィから聞いたの?」

「レミィ……あ、レミリアさんか。そうです」

 

 名前だけ知っていたパチュリーを案の定格上だと察すると、水蛭子の表情は若干固いものになる。

 

 そんな水蛭子を見ながら、パチュリーは肩を竦めつつ言葉を並べた。

 

「貴女には欠員になった小悪魔の代わりとして来てもらったんだけど。状況の把握は出来てる?」

「な、なんとなく」

「……まぁ貴女はあくまで助っ人だし、あんまり気負って貰わなくていいわ」

 

 パチュリーがそう言うのと同時に、水蛭子の隣に小さな洋風のテーブルが出現した。

 テーブルの上にはソーサーに乗った紅茶の入りティーカップと、お揃いのプレートに盛られた数枚のクッキーがあった。

 

「えっと、これって」

「博麗の巫女が来るまでまだ時間があるから、お茶でも飲んでリラックスすれば良いわ」

「あ、ありがとうございます」

 

 と言いつつ、気まずさから手を付けようとしない水蛭子と、自身の分の紅茶を飲み始めるパチュリー。

 

 先程まで抱いていた大きな本は、パチュリーを起点に回りをゆっくりと旋回しており、その本を紫色の眼が無感情に眺めていた。

 濡れた桃色の唇が小さく動く。

 

「貴女には興味があるの」

「私に、ですか?」

 

 特に前置きも無しに言ったパチュリーの言葉に、水蛭子は首を傾げた。

 パチュリーは頷きもせず、淡々と話を続ける。

 

「博麗の巫女は本来、八雲紫と同様に唯一無二の存在。でも博麗の巫女の候補だという貴女はソレに成り得た可能性があった」

「はぁ、そうなりますかね」

「ありえないわ」

「えっ?」

 

 小難しそうな話を鼓膜に貫通させていると、突然の断言が飛んできた。

 思わず聞き返す声が裏返ってしまう。

 

 パチュリーの表情はどこまでも無のままで、そんな彼女に水蛭子は言いようのないプレッシャーを感じた。

 

「博麗の巫女は、博麗大結界の均衡を保つ存在。あの八雲紫とも並ぶことが出来る存在が、何体も? ありえないわ。考えただけでゾッとする」

「えっと、ちょっと、何を言ってるかわからないんですけど」

 

 唐突に、そして行雲(こううん)の如く留まることを知らなそうな言葉の羅列に、水蛭子の思考は段々と混沌としたものになっていく。

 理解が追い付かない水蛭子を気にすることなく、パチュリーの舌はつらつらと回る、回る。

 

「貴女は一体何? 本当に博麗の巫女に『候補』なんてものが存在するの? 博麗の巫女と、選ばれなかった貴女との違いって?」

「えっとー……そのぉ……」

「博麗の巫女って、一体なんなの?」

 

 正義の味方だ。

 水蛭子はそう思った。

 

 しかし、それが口外に出ることは叶わない。

 そういう話では無いということを察していたから。

 

 饒舌が止まり、大図書館を静寂が支配する。

 気まずさを紛らわそうと、水蛭子は傍らのティーカップに手を伸ばした。

 

「い、いただきます」

「どうぞ」

「……あ、美味しい」

「咲夜が喜ぶでしょうね」

 

 パチュリーは軽く微笑むと、同じようにティーカップを傾けた。

 そしてポツリと、思い出したように言う。

 

「貴女。魔法使いになってみない?」

「は?」

 

 は、話の脈絡が掴めない……!

 水蛭子はまた頭が痛くなりそうなのを察し、口を引き攣らせた。

 

「貴女、伸びしろがあるわ。人の器に収まっておける程、貴女という存在は矮小じゃない。別に魔法使いじゃなくても、そうね……例えば」

 

 そう言葉を紡ぎながら、パチュリーは水蛭子から見て右を指さした。

 その先には勿論巨大な本棚が鎮座しており―――

 

「道具を用いなくとも神秘を錬成する錬金術師とか便利ね」

 

 ぼうと、その本棚の中央に収まっていた一冊が儚い光を宿した。

 水蛭子が反応を返す前に、紫色の女性は間髪入れず言葉を放つ。

 

「博麗を追い求めるのだったら」

 

 指先を、今度は左へ。

 そちらの方も、あるのは本棚のみである。

 

「無限の命を繰り返す陰陽師だったり」

 

 また、ぼうと。

 棚の中の一冊が光を宿す。

 

 何が起こっているのか理解が出来ない水蛭子は焦り、一度落ち着かせようとパチュリーへ声を掛ける。

 

「あ、あの……!」

「あとこれなんか良いんじゃない? 私は昔、成ろうとしてなれなかったけど」

 

 水蛭子の言葉に構うこと無く、今度は前方をさした。

 当惑の表情を浮かべる水蛭子をあざ笑うように、その顔に向かって。

 

「神」

 

 パチュリーが短く呟くと、水蛭子の背後から強い輝きが放たれた。

 

 それによりおぼろげだったパチュリーの姿がハッキリしたものになる。

 異様なまでに白い肌は、もはや病的までに見えた。

 

 しかし同時に霞み始めていた視界に双眸を(しばたた)かせる。

 パチュリーの表情をもっとよく見ようと目を凝らすが、水蛭子の目にはもう元のおぼろげな姿の女性しか映らなかった。

 

 パチュリーは確かな感情を乗せ、言葉を紡いでいく。

 

「貴女は有象無象ではない。何かを求め、それを得ることを約束された存在なの。何を求めるかは、決めるのは貴女次第だけれど……。やっぱり私は、神様が素敵だと思うわ。シンプルだし、何より知的だと思わない?」

「……神様」

 

 最後に浮かべたパチュリーの優しげな微笑を見ながら、水蛭子は何となしに言葉を返す。

 

 謎の眠気に支配され、自分がどういう状況に陥っているのかも把握出来なくなっていた水蛭子は、理解できる言葉をとりあえずオウム返しすることで、なんとか意識を保とうとしていた。

 

「貴女が鬼になっても、悪魔になっても、畜生になったとしても、この幻想郷は何も変わらない。それでも何者にもなれる可能性を秘めた貴女は」

 

 一度言葉を区切ると、水蛭子の瞳を覗き込む様に顔を近づけてから、言った。

 

「何を、追い求めるのかしら?」

「───人間じゃ、ダメなんですか?」

「……何?」

 

 意外な即答に、パチュリーは一瞬言葉を詰まらせた。

 生きた軌跡をあらゆるモノの探求に埋めてきた彼女にとって、その言葉は全く予期しないものであったのだ。

 

 近付けていた身体を、一歩、二歩と後退させ、呆然とした様子で呟く。

 

「人のままで、良いってこと?」

 

 一瞬考え込んだパチュリーだったが、次の瞬間には何かに納得した様に頷いた。

 

「そう、今はそれで良いのかもしれないわね」

 

 水蛭子の視界に居たパチュリーの影像が、ぶわりと大きくぼやけた。

 

 頭の中に、溶けるように言葉が染み込んで来る。

 

『でもいつか、自覚しなければならない時が来るわ』

 

 それだけ残すと、パチュリーは霧散するようにその場から姿を消した。

 彼女の周囲を回っていた本も同様に。

 

 巨大な書庫を、耳が痛くなる程の静寂が包む。

 

 水蛭子はただ茫然と、紫の魔女が居た空間を眺めて───

 

 

 

 

 ハッと気を取り戻すと、いつの間にかパチュリーは居なくなっていた。

 一体、いつから気を失っていたのだろうか。

 

 手に持ったティーカップの中の紅茶はすっかり冷めてしまっており、それなりの時が経ってしまった事が分かる。

 それと同時に飛んでいた意識の中よく零さなかったなと水蛭子は自分を小さく褒めた。

 

「んん、頭がボーッとするわね」

 

 パチュリーと何か話した気がするが、水蛭子は何を話していたのかが思い出せない。

 

 博麗が唯一の存在だとかという最初の辺りは辛うじて覚えているが、その後の記憶はサッパリだった。

 

「よく、分からなかったなぁ……」

 

 取りあえず、目を覚ますために冷めた紅茶を一気に飲み干す。

 冷めても美味しい紅茶にふぅと息をつき、そっとソーサーの上にカップを戻す。

 

 そしてはたと気付く。

 自分は何をすれば良いのだろうか。

 

 小悪魔の代わりだと言われたが、具体的に何をすれば良いのかという指示はされなかった。

 水蛭子は断片的な情報から自身の役割を推測しようとする。

 

「悪魔……悪魔……うーん、もしかして私が悪魔っぽいって事?」

 

 もしかして自分が小悪魔的魅力を持っているとか、そういった意味なのか?

 あーはん?それなら自信あるわね。と何か調子に乗り始めた水蛭子の背後から声がかかった。

 

「どこをどう見ても悪魔には見えませんが」

「うわぉーッ!? び、ビックリしたー!!」

 

 突然の声に思わずその場から飛び退いた水蛭子が振り向くと、そこにはポットを持った咲夜が居た。

 

 バクバクと鼓動する心臓を抑えながらも、相手が咲夜である事を確認した水蛭子は安堵のため息を吐いた。

 

「紅茶、もう一杯いかがですか?」

「あ、どうもすみません。いただきます」

 

 相変わらずの無表情で咲夜がティーカップに紅茶を注ぐ。

 紅茶の豊かな甘い香りに水蛭子は嬉しげに微笑んだ。

 

「ありがとうございます」

「いえ、それよりも悪魔とは?」

 

 水蛭子が言ったお礼に謙虚に目伏せをしながら、咲夜が訪ねてきた。

 本人は意図してないが、ちょっぴり上目遣いになっているのが水蛭子的にポイントが高い。

 

 しかし咲夜の方から会話を仕掛けてくる意外だ。

 主人であるレミリア曰く「排他的な性格」との事だったが、思いのほか気さくそうである。

 

「私は小悪魔の代わりに呼ばれたって聞いたので、パチュリーさんに」

「あぁ、そういうことですか」

 

 合点がいった様に頷く咲夜に、水蛭子は首を傾けながら質問した。

 

「そういうことって、どういうことです?」

「パチュリー様の(しもべ)に悪魔が居るんです。ソレも今回の異変のメンバーに加わっていたのですが、どうやら博麗の巫女を監視している際にやられてしまったのだとか」

「やられたって、誰に?」

「顔面に大きな針が刺さっていたそうですけど、加害者に関しての報告は無いです」

「針? ……あっ」

 

 咲夜が説明してくれた情報を聞き、先ほど八雲邸のブラウン管テレビで観ていた光景を思い出す。

 

 確か金髪の少女(ルーミア)が、自身の額に突き刺さった針を引き抜いて、どこかにぶん投げてた筈だ。

 そういえばあの後、マヌケな感じの悲鳴が聞こえた気がする。

 

 あの悲鳴の主がその悪魔だったのだろうか。

 

「何か?」

「心当たりが、あるような」

「そうなのですか? まぁ、死んではいない様ですし、気にしなくても大丈夫ですよ」

「それなら良かったです」

 

 その小悪魔が死んでないことを知ると、水蛭子は胸を撫で下ろした。

 

「さて、世間話はこのくらいで。パチュリー様から貴女に伝言を預かっています」

「パチュリーさんから?」

 

 疑問符を浮かべてみる水蛭子であったが、恐らく自分の役割に関しての事だろうなと予想していた。

 

「『小悪魔の代わりに博麗の巫女を迎撃して、負けなさい』とのことです」

「わーい、みんなとおそろいだ」

 

 いや、わーいではない。

 まさかとは思っていた水蛭子ではあったが、本当に霊夢と戦うなんて事になるとは。

 妄想の範疇ならばすっごく素敵な展開(水蛭子的に)ではあるのだが、実際問題言い訳はどうしようとか物凄く悩む要素があるのだ。

 

 それに。

 

「あの、今武器とか持ってないんですけど」

「ご心配なく。八雲紫様から預かっております」

 

 文字通りの相棒が手元に無い事に不安を覚えた水蛭子であったが、咲夜から差し出された棍を見て眉を寄せる。

 

「……家に置いてきた筈なんだけどな」

 

 受け取った堅木の長棍を見ながら、不機嫌そうに口を尖らせる。

 この棍は水蛭子が博麗の巫女候補だった時、同じく自警団に所属していた母親から継いだ家宝である。

 神力と霊力が込められた逸品で、普段は家の神棚に供納めてあるのだが。

 今ここにこれがあると言う事はつまり、八雲紫が人ん家で空き巣を働いたということだ。

 

 水蛭子は今の唇の同じ尖った口調で言う。

 

「あの人への対応を本格的に考える必要があるわね」

「……では、博麗の巫女が到着するまでの間、適当にお寛ぎください。ご用件がある時は手を三回叩いてくだされば参上します」

「え、なにそれカッコいい」

「失礼します」

 

 頭を垂れるのと同時に、咲夜がパッと消えた。

 どういう原理で現れたり消えたりしてるのだろうと、水蛭子は咲夜の居た場所を不思議そうに眺めていた。

 

 

 

 

「くしゅんっ!!」

「わっ、大丈夫ですか紫様? 今晩は少し冷えますもんね……何か羽織るものを持ってきます」

「ありがとう藍。……あ、そうだ、この前人里でキツネ揚げ買ってきたから食べていいわよ」

「え、あ、え、ホントですか?」

「冷蔵庫の一番上の段に入れてるから、ついでに取ってきたら良いわ」

「ふ、へへ……あ、直ぐに上着お持ちしますので、お待ちを!!」

「ふふ」

 

 爆速で走っていった可愛い従者に、紫が微笑んだ。

 

 

 

 

 霧の湖上空にて、再び霊夢と魔理沙の進行を妨げる影が現れた。

 少女は青い髪と瞳をしていて、青い服を纏い、青い氷の欠片を散りばめたような、恐らく翼的な物を背後に漂わせている。

 

 食欲減退色の擬人化のような彼女は太々しく腕を組み、若干上空の方から文字通り見下す様にして二人を見ていた。

 

「なんだぁおまえらー」

「そりゃこっちのセリフよ」

「妖精か」

 

 また面倒くさそうなヤツが出てきたな。と疲れた目をする霊夢。

 魔理沙は特に表情を変えず目の前の少女の種族を言い当てた。

 

 霊夢としては、多分異変には関与してないであろうこの妖精に構っている暇は正直無い。

 なので無視してさっさと元凶の所へ急ぎたいが、追いかけられても鬱陶しい。

 やっぱりボコるしかないか、と博麗の巫女は非慈愛的な考えの元に結論付ける。

 

 とは言え彼女も鬼ではないので、まずは優しく対話する事を試みた。

 

「アンタ邪魔だからどっか行きなさい」

「邪魔って……なんだよぉ、この先に用事でもあんの?」

 

 超不躾な言葉使いの霊夢に、少女は眉間を寄せつつ問いかける。

 魔理沙は苦笑をしつつその光景を眺めていた。

 

「この気色悪い雲を張った元凶をぶちのめしに行くのよ。分かったら退きなさい」

「んー、なんだか急いでるみたいだし退いてあげるけど……言い方ってもんがさぁ」

「妖精に諭されるって酷いぞ霊夢」

「うっさい」

 

 茶化す魔理沙にぶっきらぼうに言うと、霊夢は飛んでいってしまった。

 それを微妙な顔で見送った後、青い妖精はサッと魔理沙の方へ顔を向けた。

 

「アンタ保護者? 道徳心を教えるの忘れちゃってたの?」

「霊夢はああいう奴なんだよ。っていうか私のどこら辺を見たらアイツの保護者に見えるんだ。背丈だってあっちのが上じゃないか」

「背丈?  大ちゃんはあたいよりちっちゃいけど、あたいより全然賢いぞ」

「あー、妖精ってそういうとこ偉いな。まぁアイツとはただの友達だよ」

「ふーん……」

 

 少女は少しの間魔理沙を眺めると、何かを閃いたのか手をぽんと打つ。

 

 魔理沙はその様子に怪訝な表情で首を傾げた。

 

「なんだよ」

「アンタ達この変な雲のゲンキョーを倒しに行くって言ってたわね」

「まぁな」

「じゃああたいもアンタに着いてく! ずっとこのままだったら大ちゃんや皆が困るから」

「はぁ? なんで得体の知れないヤツと一緒に行かなくちゃいけないんだよ」

「あたいチルノっていうんだ、名前。これで得体が知れたわね!」

「うーん、名前を知ってもなぁ」

 

 ポリポリと頬を掻き、眉を寄せ考え込む魔理沙。

 

 ちなみに言うと、彼女は可愛いもの好きである。

 このチルノという妖精も可愛らしい容姿をしているので、極端に好きか嫌いかで言えば好きである。

 

 ……うん、別にいっか

 

 単純明快な魔理沙の脳みそ会議は、およそ0.5秒もしない間に終了し、コクリと首を縦に振った。

 

「ま、良いか。ただし自分の身は自分で守れよな」

「あたいサイッキョーだから! だいじょーぶだいじょーぶ」

 

 自信満々に薄い胸を叩くチルノに魔理沙は微妙な表情をしながら後頭部を掻いた。

 

 既に霊夢の姿は見えなくなっていたが、魔理沙とチルノは急ぐことなく異変の元凶の元に向かった。

 

 





 チルノの性格が少し大人っぽいかなと思いましたが、これがこの物語のチルノということで一つ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。