~八幡side~
続く第五試合目は、砂のテマリが風を使い圧勝し、ガイが砂に挑発していた。
「次はキバとナルトか」
「うひゃっほぅ!もう勝ったも同然!ラッキーだぜ赤丸!」
あーあ、思いっきりフラグ建てたな。
フラグを建てたキバは、影分身を使ったナルト連弾とやらで倒れた。
だけど試合内容を見て、ナルトが落ちこぼれだったとはおもえないな。術の発動タイミングも、使い方も十分上手かった。
おっと、少し考えすぎたか。さて、次の対戦は…
『日向ヒナタVS日向ネジ』
「…ヒナタ、あのときの修業を思い出せ。そうすれば勝てるハズだ」
「……はい…」
自信がないか。まぁ相手は天才と言われているのに対し、自分は年の離れた妹に劣る才能と言われてるからな。俺が同じ立場でも自信なんてねーな。つーかこの状況で自信持てる奴はただの自惚れだろ。
試合が始まり、一進一退の攻防が繰り広げられる。
「…ヒナタちゃん、この前と動きが違うね」
「おお、
「日向ネジ対策?柔拳じゃなくてかしら?」
「ああ、他の柔拳使いには効かないだろうな。何せ…天才の眼にのみ効くからな」
話してる間も、ヒナタはネジの攻撃を八割型弾き、ネジの腕にも確実にダメージがいってるハズだ。
「あれは点結を見切るネジの癖を逆手にとった、確実な方法だ。実はネジは、自分の攻撃する点結に、どうも眼が集中してしまうらしく、相手の眼を良く見てれば弾くのも簡単。特に白眼を持つヒナタなら難易度はもっと下がる」
「成る程ね。シンプルな作戦だけど。それでも確実にダメージは相手の方が食らってるわ。これを徹底すれば勝てると言うことね」
「ああ。ただ…」
欠点がある。そう言おうとしたら、ネジの手がヒナタにカスった。
「不味いな、恐らくネジはヒナタのやってることに気づいたぞ」
「まさか俺の目線の先を見て、攻撃を止めるとは思いませんでしたよ。だが、種が分かればそんなものどうとでもなる」
「くっ……やあっ!」
「甘い!」
先程とは違い、面白いようにネジの攻撃が当たる。
「ヒナタ様…これが変えようのない力の差だ。エリートと落ちこぼれを分ける差だ…これが変えようのない現実…"逃げたくない"と言った時点で、アナタは公開することになっていたんだ。今アナタは絶望してるハズだ」
倒れるヒナタを見下ろして白眼を解くネジ。
「……棄権しろ!」
尚も棄権を促すネジだが、ヒナタは必死に立ち上がろうとする。
「…私は…ま…まっすぐ……自分の……言葉は曲げない…」
「…!」
「私も…それが忍道だから…!」
驚いたな…
「ヒナタちゃん…頑張れ…っ!」
「もう無理だな…ヒナタには勝って欲しかったが…」
「そんなことないよ!まだヒナタちゃんは諦めてないよ…」
「いや…くっ…ヤバイな」
「えっ…ヒッキー!?」
ネジは明らかに殺すつもりでヒナタに向かった。
どうやら止めに行ったのは俺だけじゃなく、カカシとガイもネジの動きを止めている。
「なぜ他の上忍まででしゃばる…やはり宗家は特別か…」
「…いい加減にしろ小僧。宗家だ分家だど何時までもガキのようにうだうだうだうだと…今は中忍試験の最中だぞ」
「その通りだぞネジ。試験中は宗家だ分家だと揉めないと、俺と熱い約束を交わしただろう」
「…ふん」
「…ぼうっとするな医療班!すぐに運べ!」