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~八幡side~
俺は第八班を連れて、早速演習場に来ていた。
「さて、先ずは自己紹介からしてもらおうか。じゃあ左から頼む」
「おうっ!俺は犬塚キバ!夢は火影になることだ!」
「キャンキャン!」
勢いよく立って自己紹介をする犬塚と赤丸。俺は隣に立つよう促す。
「…俺は油女シノ」
「…それだけか?」
「ああ」
ずいぶんと無口な奴だが、本人がいいと言うなら問題ないか。
「…わ、私は日向ヒナタ…です」
どんどん消え入るようなか細い声だが、大丈夫か?
日向宗家の生まれだそうだが、日向ヒアシに挨拶にいったところ、無茶させても構わないと言っていたことを踏まえると、既に宗家は妹の日向ハナビに見定めたようだ。
「はいはーい!私は由比ヶ浜結衣でーっす!」
「俺は比企谷八幡だ。何か質問はあるか?」
「さっきから気になってたけど…何でうちの班は上忍が二人いるんだ?」
「特例だ。気にするな」
「じゃあ何で演習場に来たんだ?」
「演習場は演習をするために来たに決まってるだろうが」
「先生たち付き合ってんの?」
「ただの同期だ」
由比ヶ浜が途中で顔を赤くしたりしたが、気にせず答える。
「もうないな。じゃあ簡単な組手を行うから準備して前に出ろ。順番は自己紹介の時のと同じだ」
そういうとキバ以外の皆が下がる。
「なぜお前も下がる由比ヶ浜、この組手はお前がやるんだよ」
「ええっ!初耳だよ!」
「今言ったからな。由比ヶ浜はハンデとして最初の一分は防御だけな。始め」
「ひゃっほぅ!いくぜ赤丸!四脚の術!」
印を結び、四足歩行になる。そのまま下忍としては速い部類に入る速度で後ろに回り込む。が、由比ヶ浜は上忍。下忍としては速かろうが、上忍には余裕で見えてるハズだ。
「はっ!」
掛け声と共に、キバの蹴りを側面から弾く。
「まだまだっ!」
同じような攻防が一分続く。つまりこれで由比ヶ浜は攻撃してもよくなった。
「行くよキバ君!」
素早く印を結ぶ。あの印は…
「風遁、真空玉!」
「うわっ!…あぶねぇあぶねぇ。やっぱ油断できねぇな…技獣忍法!獣人分身!」
赤丸に兵糧丸を食わせ、犬塚家特有の術を使う。
「獣人体術奥義、牙通牙!」
二方向からの猛スピードの突進は強力で、当たれば倒れるかもしれない。当たれば、だが。
「土遁、土流壁!」
牙通牙は、由比ヶ浜の出した壁に突き刺さり、ある程度削ってから止まる。もう少し威力か速度があれば破れただろうな。
「それまでだ。キバはシノと交代だ」
壁に突き刺さった割には平気そうなキバ。中々タフだな。
「やっぱ上忍はつえーな」
「今のキバ君じゃまだまだだよー?」
そうして、次のシノが正面に立つ。
「開始」
「…蟲玉」
「きゃっ!」
上忍になったとはいえ、蟲はあまり得意じゃないのか、距離を取って走り回る由比ヶ浜。的を絞らせないいい作戦だが、下忍に対して大人げないだろ。
結局、ハンデの時間が終わって風遁により気絶させられたシノ。まぁ相性が悪かったな。
「じゃあ最後にヒナタ…無理してやらなくてもいいんだぞ」
「…やります。やらせてください」
見た目とは裏腹に意志が強いんだな。
「…わかった。じゃあ始め」
合図と共に、ヒナタが駆け出す。
日頃から日向のご当主と訓練してたのか中々速い。
「遅いよっ!」
だからアイツ下忍に本気を出し過ぎだろ。
柔拳相手の対策として、ヒナタの腕を叩いて止めていく。
「くっ…はぁあっ!」
更に速度が上がるか。まあそれも全部叩き落されていく。
「ふっふっふー、あたしはこれでも上忍なんだよー!」
とか言ってるが、体術に関しては腕のいい中忍に劣るだろ。アイツは忍術中心に鍛えてたからな。
「…じゃあ一分だ。由比ヶ浜、反撃してもいいぞ」
「はーいっ…風遁、真空波!」
そこまでチャクラを込めてないだろう忍術が、ヒナタに直撃して吹っ飛ぶ。
「…そこまでだな。まあみんな下忍に成りたてだが、よく動けている」
吹っ飛んだヒナタを回収してみんなの前に立つ。
「…今日はここまでだな。明日から任務が始まるから疲れを取っておけよ」