~八幡side~
下忍になってすぐに、中忍試験を受けた。
結果なんて分かりきってるが、勿論合格。それも、他の年上の受験者ととんでもなく差をつけて。
「流石だね、八幡くん…まさか六歳で中忍なんて前代未聞だよ」
「…あざっす」
「火影様も次の火影は君かもと仰ってたし、俺もすぐに追い越されちゃうかな?」
「流石に無理っすね。現在展開中の第二次忍界大戦、そしてその先にあるであろう第三次忍界大戦。そこでは多少強くても関係なく死ぬ。俺も、ミナト先生も」
火影を目指してないとは言わないけど、現時点で俺よりも強い人なら、恐らく他里に沢山いる。このままじゃ配置にもよるが、確実に死ぬだろうな。
「大丈夫。俺の生徒は俺が守るよ」
「そっすか…」
「お兄ちゃん…優秀だったんだね」
「バカ、
「…でもお兄ちゃん、ずっと専業主夫になりたいって言ってたよね?あれ、小町的にはポイント低かったけど」
「そのポイントはいつ使えるんだよ……まぁ今でも諦めた訳じゃないぞ。お兄ちゃんは今でも目指してる」
「………まぁいいや。それより続き続き!」
「あ、ああ…じゃあ次は雪ノ下や由比ヶ浜と出会った話しな」
「さて…まぁ知ってると思うが、私は平塚静だ。君たちも一応自己紹介したまえ」
階段に腰掛ける俺たち三人と、柵に寄っ掛かる平塚先生。この人も変わってないなー。
「はーいっ!アタシ、由比ヶ浜由依でーっす!」
「私は雪ノ下雪乃よ」
「…比企谷八幡」
紹介する気のない自己紹介だが、正直興味もない。
「明日、簡単に組手をやるつもりだから、演習場に来たまえ。以上」
次の日
「…あの、やる必要あるんすか?」
既に雪ノ下と由比ヶ浜の組手はおわり、最後に俺の番となったが…
「君の噂は色々と聞いている。だから戦ってみたかったのだ」
駄目だこの人、バトルマニアだよ。
「…ったく……漸く大戦が終わったってのに」
「…では行くぞ!」
ドンっ!!と鳴って瞬きをした瞬間、目の前に拳があった。あ、死んだかも。
「うおっ!」
イナバウアの要領で避け、瞬心の術で遠くに避難する。単純だが強い、雷遁の肉体活性を利用した一撃技か。ってかさっきの二人には使ってなかったろ」
「当たり前だろう。下忍になりたての子に使ったら死んでしまう。その点、君なら十分使うに値するわけだ」
「そりゃどうも。じゃあこっちも遠慮なくいくんで」
あの速度だとギリギリ見切れないから、こっちも本気だ。
「ほう…写輪眼か」
「ええ…じゃあ一気に行きますよ」
「ふっ…来たまえ」
チャクラを練って高速で印を結ぶ。簡単だが強い、うちはの好む火遁忍術の一つ、
「火遁、豪火球!」