~八幡side~
「お兄ちゃん?」
一か月の間、じいさんの粋な計らいによって俺たち担当上忍は休息を与えられた。
と言っても、うちの班で勝ち残ったのはシノだけだし、アイツの能力は教えられるものじゃないから、俺は実質休暇となる訳だ。今からウキウキが止まらん!
そう言う訳で、一楽に足を運ぶと、長年苦楽を共にした…訳でもない最愛の妹、小町に会った。
「おお、小町か」
「お兄ちゃん…バカーっ!」
「ぐはぁっ!」
何故か渾身の右ストレートを貰った。いやマジで痛い。
「何で連絡くれなかったの!結構心配したんだよ!」
「いや…忙しかったんだよ」
「知ってるよ!」
「何でっ!」
「ヒナタちゃんから聞いてるよ!」
「なら何で聞いたんだよ…」
「妹だから!」
「まぁまぁ…小町ちゃん落ち着いて…」
「おじさんは黙ってて!」
テウチのおっさんも小町の剣幕にたじたじだ。流石綱手さんの親戚だ。
「まぁ小町、話は後で聞くから…今はラーメンでも食おうぜ」
「……奢りだからね。おじさん、もう一杯みそチャーシュー大盛りお願い」
「小町ちゃんは遠慮ないねぇ。あいよっ、みそチャーシュー大盛り一丁!」
「じゃあ俺も同じので」
「あいよっ!」
「…で……何を聞きたいんだ?」
一楽から俺のアパートに場所を移した。
「…お兄ちゃん、部屋きたな過ぎだよ」
「ん?まぁ…ここに帰って来たの久しぶりだしな」
小町は六畳の部屋に散らかってる衣服を、まとめて籠にぶち込む。
「洗濯機ない?」
「部屋の外に共有のが置いてあるぞ」
「ほーい」
「……もういいか?」
「うーん、まだ汚いけど…いいっか。じゃあ……
「そっからか…うーん、確か……」
「俺はミナト。今日から君の担当上忍となるわけだけど…まぁ時期外れで一人だけと言うのは仕方ないかな?」
「そーっすか。でも俺は一人の方が静かでいいっすよ」
「ハハ…火影様に聞いたとおり、変わってるね」
あのじいさん…後で豪火球食らわせてやる。
「今回君は特例で下忍になったわけだけど…恐らくこれから大規模な大戦が始まる。そうなったら八幡くんみたいな生徒も沢山出るだろう。今は一人でも力をもった忍が必要なんだ」
「分かってます……でも、ようは里の上層部は俺の
分かりきったことだ。物心ついたときには既に写輪眼を開眼していたし、最近は沢山の忍術に加えて木遁も使いこなせるようになった。家の倉にはお爺様の残した高等忍術の巻物もあるし、上層部としては六歳でここまで出来る俺をキープしておきたいんだろう。
「あー……まぁ君の出生を考えるとそう思ってしまうだろうけどね…それはどの家も一緒だよ。沢山の名家からそうなってる…勿論本流のうちはも、君の家の比企谷もね」
「…そっすか」